見出し画像

桜島とともに生きる人々

 鹿児島市から一望できる桜島。
 鹿児島港からフェリーで15分、24時間運航で気軽に行ける島。
 今は大隅半島経由で陸続きになっています。
 108年前までは鹿児島湾に浮かぶ島でした噴火により陸続きになりました。

桜島噴火の脅威に備える

大正大噴火

 1914年1月12日~1915年9月に起きた大正噴火によって、大隅半島と陸続きに。この噴火により、桜島東部にある鳥居が軽石や火山灰で埋まるなど、死者行方不明者59名以上を出す惨事になりました。今でも、溶岩流ちなみに、桜島の大正大噴火は日本において20世紀最大の噴火でもあります。桜島港辺りにも大正噴火により溶岩が到達しており、黒い火山灰の土壌が噴火の大きさを物語っています。大正噴火について知りたいかたは、鹿児島県立博物館に行くとさらなる詳しい情報を得ることができます。


現在も続く噴火活動

 現在も活発な火山活動が見られる桜島。噴火の回数も月単位で不安定。噴火しない月もあれば、100回を超える噴火が見られる月もあり、ここ10年では、2015年3月の272回が最多。また、年単位では2011年の1355回が最多。
 対岸の鹿児島市内でも、火山灰が積もることがあります。屋根だけではなく、車の上にも積もり、傷の原因にもなります。火山噴出物が積もると地盤がもろいため、少しの雨でも土石流も起こりやすくなります。さらに、空振により、窓ガラスが割れることもあります。
 日本有数の活火山と共存する街、鹿児島市では、火山灰が降り積もった場合、「克灰袋」という黄色いレジ袋に入れて近所の指定置場へ出すと回収されます。


 また、桜島が噴火した場合のための降灰予報も存在しており、火山灰だけではなく噴石の被害が出る恐れのある地域も表示されます。


大規模噴火が今起こったら?

 マグマが溜まっており、いつ噴火してもおかしくない状況。観測所でGPSや監視カメラなど24時間体制でわずかな動きも観測し、噴火を予測しています。
 鹿児島市はハザードマップを作成。大正の大噴火クラスの噴火が発生すると、桜島一帯は火砕流、噴石のリスクがあり、素早く避難するため、21もの避難港も設置。対岸の鹿児島市や垂水市などへ避難します。鹿児島湾一帯に50cm以上もの火山灰が積もり、噴火に伴う火山性地震も発生。最大M7の地震が発生を想定、鹿児島市市街地でも最大震度6弱、津波は最大1.8mを予想。海底噴火、土砂崩れが発生した場合、さらに大きな津波の発生の恐れも。安政の噴火(1779年)では、海底火山の噴火により数十m発生した地域もあります。

桜島の恩恵を受ける人々

 温泉だけではなく、桜島の特産物を生み出します。桜島大根、島みかんなど冬の味覚など…

桜島大根

 世界最大の大根。1月中旬~2月上旬に収穫される冬の味覚。平均6kg、最大30kgまで成長。
 桜島の環境でしか大きく育たず、味も落ちます。
 今回は醤油漬け、ごはんにのせるシリーズを購入しました。
薄く輪切りにして漬けた商品。まるで千枚漬のよう。
 食べると、繊維質を感じず、柔らかだけど厚いため、シャキシャキの歯ごたえも感じます。甘みを効かせた漬物です。

島みかん

 直径4~5cm、重量40~50gの世界一小さな島みかん。爽やかな香りとともに甘みが詰まってます。
 出荷は12月のみ。希少価値の高いみかんです。

桜島温泉

 桜島の温泉の特徴は、海岸近くの地下水が火山性ガスの影響を受け、塩分を含む「塩化物泉」。塩分によって殺菌効果があり、冷え性、皮膚乾燥症、切り傷、火傷に効果があると言われています。塩分が皮膚に付着し、汗の蒸発を防ぎ、保温、保湿効果に優れ、湯冷めしにくいのが特徴。さらに、入浴後の乾燥を防ぐのも特徴。
 最初は透明ですが、時間が経つにつれて鉄イオンが酸化して湯は赤褐色に変化。
 桜島には7つの源泉があります。
 フェリーターミナルの最寄りの温泉は、徒歩5分のところにある「桜島溶岩なぎさ公園」。日本最大級、全長101mの足湯があり、温まりながら故五島湾越しの鹿児島市街地、雄大な桜島が眺められます。運がいいと、イルカを見ることができます。近くには、「桜島マグマ温泉 国民宿舎レインボー桜島」があり、サウナ、温泉が充実。


桜島溶岩なぎさ公園 足湯
営業時間 9:00~日没
定休日  無休
アクセス 桜島港から徒歩5分

桜島マグマ温泉 国民宿舎レインボー桜島
営業時間 10:00~22:00、(水曜日13:00~22:00)
定休日  無休
アクセス 桜島港から徒歩5分
入湯料  大人390円 小人150円

桜島の噴火から学んだこと

 光もあれば影もあり、その関係は表裏一体であること。
 最悪の事態を想定して複数のプランをあらかじめ考えて臨機応変に対応することも大切です。

よろしければサポートお願いいたします!いただいたサポートは、よりよい記事の作成、クリエイター支援などnoteのクリエイター活動に利用させていただきます!