氷見うどんは太さによって印象が変わる。
結論
夏は細麺をキンキンに冷やしツルツルののど越しを、冬は太麺をぐつぐつ煮込み、モチモチ食感を味わいたい。
今回は、氷見うどんについて話します。氷見うどんは、氷見グルメの一部です。氷見は、能登半島の境目にあり、富山県の中で水揚げ量トップクラスの氷見港があります。氷見港では、ブリ、シロエビなど、さまざまな種類の魚が水揚げされます。特に氷見の寒ブリは、ブランドとして確立されており、冬の風物詩です。詳しくは、下の記事をお読みください。
氷見うどん
氷見うどんは、日本三大うどんとして、秋田県の稲庭うどん、香川県の讃岐うどんに並ぶとされています。
秋田県の稲庭うどん、香川県の讃岐うどんについて、こちらの記事をお読みください。
特徴
氷見うどんは、細く透き通った麺、強いコシとモチモチ食感、ツルツルとしたのど越しのよさが特徴です。江戸時代、輪島から、そうめんの技法が伝わり、氷見うどんが誕生しました。麺の細さと製法から、素麺の要素を感じることができます。
製法
製法は稲庭うどんとほとんど同じです。ちがいは、生地をこねた後に足で踏むことです。讃岐うどんと同じく、足踏みによって、強いコシが生まれます。
生地をこねた後、丸く延ばすところは一般的なうどんとも変わりません。しかし、氷見うどんは、丸く延ばした後、1本の帯になるように、うずまき状に切ります。作業しやすいから、うずまき状に切ることにしたと思います。ここからは、稲庭うどんと同じく、紐状に細く延ばしてから、2本の箸を使って、何度も引っ張って伸ばして折りたたむを繰り返します。素麺とのちがいは、油を使いません。1日かけて乾燥させて完成です。
海津屋が有名
代表的なメーカーは、氷見市にある海津屋です。職人によって1日に16000食が生産されています。飲食店に提供されるだけではなく、富山県内のスーパーマーケットでも、おみやげとして購入できます。200gが一束にまとめられており、500円前後で販売されていました。
素麺とパスタの中間くらいの時間で茹であがります。一度、水でしめることによって余分な塩分、ヌメリをとるだけではなく、強いコシが生まれます。
麺の太さによって味わいが異なる。
細麺
氷見うどんのイメージと言えば、稲庭うどんのように細いことではないでしょうか?ツルツルとしたのど越しを特に味わうことができます。
道の駅ひみ番屋街でざるうどんをいただいた。
氷見線の終点、氷見駅からバスで氷見港方面へ向かいます。道の駅ひみ番屋街は、氷見港にあり、江戸時代に存在した番屋街を再現しています。展望台で目の前の富山湾を眺めることができます。フードコート、レストランも揃っており、氷見のグルメが集まります。銭湯、足湯も楽しめます。
ひみ番屋街内にある、番屋氷見うどんフードコートで冷やした氷見うどんをいただきました。麺につゆをつけて食べます。濃いめのつゆは、カツオの風味は弱めです。細麺は、もちもちの麺で喉越しがよいです。冷やすことによって、コシが増し、麺の表面は反射しています。稲庭うどんに近いのど越しとコシの強さです。モチモチ感も感じられました。
太麺
太麺は、煮込んでも溶けにくいため、煮込みうどんの麺にピッタリです。コシが強く、モチモチ感も楽しめます。太麺と言っても、きしめん、ほうとうの太さではありません。細麺より一回り幅広くなった程度です。
糸庄のモツ煮込みうどん
1972年創業の煮込みうどんのお店です。富山市の観光案内パンフレットに、富山市の名物として紹介されていました。
富山駅から、富山市内軌道線(富山ライトレール)南富山駅前行きに乗り、小泉町停留所で降ります。富山駅方面に戻るように、太い道(県道62号)を目指し、左に曲がり、ケーズデンキに沿って、左に曲がります。小泉停留所から10分ほど歩くと、いかにも和食屋さんの雰囲気の建物が見えます。
11時に開店します。しかし、土曜日は、開店45分前にはすでに5組待ちでした。列は時間が経つとともに伸び続けます。20分前には、1巡目では食べることが厳しくなります。11時頃には、1~2時間待ちです。
最初にレジで注文してお金を払います。現金のみ対応しています。後で食べたくなったら、追加注文はできます。
注文を受けてから、煮込みが始まります。奥の厨房で盛り付けまで行い、カウンターの目の前で20個が一斉に煮込まれました。絶妙なタイミングでモツ、玉子が入りつつ、15分ほどで完成します。2巡目以降、量産体制に突入し、回転も次第に速くなります。
モツたまご入りうどんが一番人気であり名物です。たまごを抜くこともできます。モツが苦手な方は、鶏肉うどん、天ぷらうどん、わかめうどん、カレーうどん、牛鍋うどん、鍋焼きうどん、冷やしうどん、冷やしそうめんもあります。
麺は氷見うどん太麺を使用しています。つゆは、和風出汁をベースに、ニンニクもほのかに効いた味噌味でした。具材は、なるとのような渦巻きが描かれたかまぼこ、海老天、エノキ、ネギ、モツ、玉子でした。
モツは、匂いもなく、柔らかく、さっぱりしていました。唐辛子の辛みも効いていました。太麺は、モチモチ感とコシの強さが分かります。太麺のモチモチ感は、讃岐うどんに通ずるものがありました。
※2024年12月15日(日)にリュウジさんのYoutube動画に投稿されていました。この動画を観て、記事にしようと決めました。掘り下げると、氷見うどんを使っていることを知ったため、氷見うどんについての記事になりました。
今回は、氷見グルメの一部、氷見うどんについて紹介しました。暑い夏は細麺で冷やしてツルツルののど越しを楽しみ、寒い冬は、太麺で煮込みうどんを作り、身体を温めながらモチモチ感を味わうことが粋に感じます。
参考文献
のど越しの細麺ともちもち太麺 富山の氷見うどん.日本経済新聞.2021年2月18日夕刊
丸善出版,(2024),47都道府県ご当地文化百科・富山県,丸善出版