【日本のカツ丼第6話】 日本で最もメジャーなカツ丼、玉子とじカツ丼とは?
結論:早稲田で創業した蕎麦屋さんが余ったカツレツの有効活用法として玉子とじタイプのカツ丼が誕生。早大生の口コミにより全国に広がった。
今まで、ウスターソースタイプ、醤油ダレタイプ、デミグラスソースタイプ、味噌ダレタイプの5つのカツ丼を紹介しました。最後に、全国的にメジャーなカツ丼である、玉子とじタイプのカツ丼を紹介します。
玉子とじタイプのカツ丼
全国的にメジャーなカツ丼といえば、玉子とじタイプのカツ丼ではないでしょうか?玉子とじタイプのカツ丼は、親子丼がモデルです。東京都早稲田にある蕎麦屋三朝庵で1921年に誕生しました。三朝庵は、カレー南蛮(ネギ入りのカレー味のつゆをかけた温かい蕎麦)発祥のお店でもあります。
大正時代、ポークカツレツが流行し、お肉屋さんでもカツレツが販売されるようになりました。玉子とじタイプのカツ丼は、余ったカツの有効活用法として誕生しました。甘めのつゆに、玉ねぎと余ったカツレツをタマネギを入れて煮込み、玉子でとじ、ごはんに乗せました。
早稲田には、早稲田大学があります。早稲田大学の学生が帰省のときに、三朝庵のカツ丼が美味しいと地元に広めた結果、全国に伝わり、カツ丼といえば、玉子とじタイプが定着しました。関東大震災の前は、ウスターソース系カツ丼の発祥のお店といわれるヨーロッパ軒も早稲田にありました。しかし、関東大震災により、お店が倒壊し、創業者の故郷、福井市に帰省したため、三朝庵のみ残りました。ウスターソースタイプのカツ丼を食べる長野県、山梨県の一部地域では、玉子とじタイプのカツ丼のことを、煮カツ丼と呼んでいます。福井県の一部では、卵カツ丼と呼んでいます。
しかし、カツをつゆで煮込むため、せっかく揚げたのに、サクサク感が消えてもったいない気持ちになります。最近は、衣のサクサク感を活かすために、先につゆ、玉ねぎを煮て、溶き玉子を固めてから、ごはんの上に、玉子→トンカツをのせるタイプも生まれています。サクサクと甘辛いタレとの絡みの両立ができます。
沖縄の食堂のカツ丼
沖縄の食堂のカツ丼は玉子とじに加えて、野菜がたっぷり盛られていることが特徴です。本土のカツ丼に入っている野菜はタマネギだけです。しかし、沖縄の食堂で提供されるカツ丼は、ニンジン、キャベツもたっぷり含まれています。
日本各地には主に6タイプのカツ丼があることを旅をして知りました。それぞれ背景があって誕生し、独特の進化を遂げていました。どれも美味しいです。
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