見出し画像

"高還元SES会社"に聞くべき4つの質問🤔

はじめまして、テックレイス代表のしもぎしです!

エンジニアとして6年、SES会社の代表として5年
SES案件や業務に携わっているので
エンジニア、SES会社の両方の考え方は良くわかっているつもりです。

そんな立場からカジュアル面談や面接などで
あなたの期待する「高還元SES会社」かどうか判別する4つの質問をご紹介します📋✨



質問の目的🎯

  • 4つの質問をする目的は

    この会社に所属すると
    自分の給与が安定していくらになるのかを
    自分自身で概算できる

    ようにすることです。

    そのために以下の4点

  • 案件単価

  • 還元率の定義

  • 類似の実績

  • 待機リスク⚠️

を情報収集していきます。

あなたは単価100万円のエンジニア🧑‍💻

話をわかりやすくするために、

あなたは平均月単価100万円の市場価値を持つエンジニアである

と仮定して説明していきます。

質問1.案件単価は公開されていますか?🤔

まずはこの質問をしてみましょう。
「もちろん公開してますよ!!」と回答されたら
質問2に進みましょう!

もし高還元SESなのに「公開していない」と回答されたら
その会社はあなたに不誠実な会社である可能性があります。

ね、不誠実そうでしょ?

単価を公開しない = マージン(会社が中間手数料をどれだけ抜くか)を公開しない

ということなのですが
単価を公開しないということは
それだけ会社にとって都合が良く、エンジニアにとって都合が悪い設定になっている可能性が高いです。

「そもそも高還元率をうたっているのに、単価公開しないなんて会社あるの?」と思われるかもしれませんが、弊社社員の転職活動の話をヒアリングしていると、高頻度で遭遇するそうです。

たとえば
「弊社は高還元SES会社です!8割還元しています!」
と宣伝しているのであれば


①もともとの単価
②自分の給与


の2つがわからなければ
本当に8割還元なのか
あなたのイメージしている8割還元と認識があっているか
を検証できません

話しの辻褄があっているかきちんと確認することが
あなたの転職を少し安全にします。

質問2.高還元の定義を教えてください🤔

次にこの質問をしましょう。
相手が会社での高還元の定義や、給与テーブルをスラスラ話し、
あなたに納得感があれば、質問3に進みましょう!

もし歯切れが悪かったり、説明がたとだとしかったら
雰囲気で高還元と言っているだけの可能性があるので
会社の定義を慎重に確認しつつ
話の筋が通っているかを見極めましょう。

あなたが知りたいのは
「この会社に入ったら自分の年収はおいくら万円上がりそう?」

ということなので、
あなたが単価いくらの案件に参画したら月収がいくらになるのか
をできるだけ解像度高く見積もることが大切です。

「高い」「低い」なんて個人の感じ方によっても変わりますし
何と比べるかによっても変わります。

還元という言葉も「戻す」くらいの意味は伝わりますが
何をどのくらい戻すの?ということも曖昧ですよね。

高還元という言葉に意味や価値はないのです。

テックレイスを例に説明しましょう。

テックレイスでははじめは65%還元にしていますが
定義は次のとおりです。

あなたの給与額面 = 案件単価 x 65%

したがって
あなたの給与 = 100万円 x 65% = 65万円/月
になります。

でも実はあなたとテックレイスは社会保険料
(健康保険料+厚生年金保険料)を
毎月給与のたいだい30%くらい会社と社員で半分ずつ国に収めなければなりません。

以下はテックレイスの給与明細控除額の一例ですが
赤枠の中の「会社負担分」と書かれているところは給与とは別に会社が負担しています。

ですので見方によっては
会社は社員の給与をさらに15%還元(負担)している
と捉えることもできます。

この解釈だと65万円(あなたの給与) x 1.15(社会保険料会社負担分)
= 74.75万円還元しているので

還元率は 74.75万円/100万円
= 74.75%還元!!

と説明することもできます。

さらにテックレイスでは交通費や書籍購入、資格受験費もすべて会社持ちなので、これらの経費が月平均2万円で、この経費を「社員に還元している!」と解釈すると
還元率は76.75%!!!
とも言えちゃいますね。

さらにSlackやGoogle Workspace、Jiraなどの一人当たりのサブスク料や
エンジニアに良質な案件を届けるための影響コストなども、
「エンジニアに還元してるんです!」と言い張れば
還元率は85%!!!とかいっちゃいそうです笑

高還元なんて言葉遊びもいいところなんですけど
多くの人はわかりやすい還元という甘言につられちゃうんですよね。
(すいません。)

だからあなたは「(還元率とかぶっちゃけどうでもいいので)私の年収がどれくらいの期待値でいくらになるかとその根拠を教えてください」と聞くのが良いです。(言葉はオブラートに包んだほうが良いでしょう)

そこで相手がサラサラと根拠を述べられなければ
あなたは入社後不当な扱いを受ける可能性が高いでしょう。

質問3.自分と同じスキルの方の平均単価💰はいくらですか?🤔

この質問はあなたの給料の期待値を知るための質問です。

高還元率SES(単価連動制の給与制度を取っている)会社のメリットは
100%実績ベースで評価されるので市場価値と相関した給与をいきなり獲得しやすく給与アップしやすいところです。

一方デメリットは案件ごとに給与が変動するので
たまたま最初は120万円の案件に参画できたけど、3ヶ月でプロジェクトが終了し、次の案件は80万円になってしまったというケースもあるということです。

自分が安定してどれくらいの単価を獲得できるかを
その会社の類似の実績(自分と同じスキル感の人が平均してどれくらいの単価を獲得しているのか、何ヶ月継続をもらっているかなど)を知ることが大切です

たとえ単価の8割を還元する方針だとしても
営業力が弱く、単価70万円の案件しか獲得できないのであれば
あなたの月収は
70 * 0.8 = 56万円になります。

単価100万円、還元率60%の企業の方が良いということにもなってしまいます。

もちろんどんな会社もSES案件は「いまこの時、市場に出回っている案件」しか選べない運要素があり
入社する前に自分の月収や年収がいくらになるかを正確に見積もることは難しいのですが

あなたがその会社の直近の実績と制度をきちんと把握することができれば
あなたの年収の解像度(見積もり精度)は大きく上がり
あなたにとっての「良い転職」に近づけることができます!!

質問4.待機のときの給料💰はいくらですか?🤔

この質問は、あなたの待機リスク(収入リスク)を知るための質問です。



SESではエンジニアが案件を獲得できずに、何もできないままでいる状態を
待機
と呼んだりします。

待機状態のエンジニアは売上が立たない中、給料は支払う必要があるため
会社としては1日でも早く、お客さまの開発案件に参画してもらわないと会社の損失が大きくなって困ってしまう、というのが本音です。

SES会社にとっては都合の悪い状態なので

「こんなとき、あなたの会社はどう対応するの?」

という質問を投げかけると
会社のリスクの取り方や考え方がよくわかります。

待機のときにSES会社が取りうるケースをいくつか紹介します。

ケース4-1:待機のときも給与満額支給😊

まずはぼくがエンジニアだったら一番入りたいケースを紹介します。
還元率が比較的高い会社で、この方針を採用している企業があれば入社をオススメします。

たとえば前年度の年収が翌年度の年収になるような年俸制の会社です。

あなたは昨年度の年収は100万 x 65% x 12ヶ月 = 780万だったので、
今年も780万に少し色をつけた年俸だとしましょう。
1ヶ月案件獲得せずにバカンスに行っても月収65万円が約束されます。
素晴らしいですね!✨

しかし残念ながらこういう会社は見たことがないです😇

テックレイスではバックオフィスの電子化・自動化・効率化を
積極的に進めていますが、それでも甘く見積もって
一人のエンジニアから得られる利益は20%弱です。

もしあなたが、メンタル不調で案件を3ヶ月待機になったとすると
80万円 (給与も含めたあなたの原価) x 3ヶ月 = 240万円の損失が生まれます。

これはあなたが昨年1年間(12ヶ月)もたらしてくれた20%の利益を相殺してしまう破壊力があります。
もちろんエンジニアの案件を探すのにも営業コスト(営業の給料)もかかってくるので、しもぎしとしてはハイリスクだなと感じます。

もし、会社がハイリスクを取り、エンジニアのリスクを背負うことにコミットされている会社があれば、入社をオススメします。

しかしほとんどのうまい話には裏があったりするので
あなたを採用する特別な理由があったり、よほど会社の社長に信頼がおけない限りは注意深く検討する必要があると思います。

ケース4-2:給与保証😌+高単価💰

待機になってSES案件で働けないエンジニアにも、
最低限の給与保証をするという制度です。

テックレイスはこのケースに近く、
あなたの給与額面 = 基本給 + インセンティブ = 単価 x 65%

という公式を採用しており、(エンジニアのスキルにもよりますが)
雇用契約を結ぶタイミングで内定者と
基本給を20万〜30万(だいたい25万円)で合意を取ります。

地方自体の条例が、法律に則っている必要があるのと同じように
会社の就業規則も、労働基準法に準拠している必要があるので
テックレイスは給与保証制度というよりは
労働基準法のルールをベースにインセンティブ制度を組み合わせた仕組み
を採用しています。

給与保証10万円も!??😨
とあるSES会社さんの営業から
「うちの会社の待機保証は10万円/月です。自社ながらエンジニアが可哀想。。」
と愚痴をこぼされたことがあります笑
10万円は極端ですが、似たような雑談は何度も伺いました。

社会保険労務士に聞いていただければわかりますが
契約社員、正社員に関わらず
国の定める最低賃金を下回った時給を設定することは労働基準法違反
なので
もしあなたがそんなことを公言しているような会社で働いているのであれば
すぐにでも転職をオススメします。

ケース4-3:待機保証無し❌

ケース4−2の下位互換です。

『給与をゼロにするなんてこと、合法的にできるの?』と思われるかもしれませんが、雇用契約を「無期雇用(正社員契約)」ではなく「有期雇用(契約社員)」にすることで実現できます。

参画している案件の契約期間ごとに有期雇用契約を締結する形になるので、『案件に参画していない=雇用契約が存在しない』という形となり、結果待機などの場合は「給与0円」にできるのです。

もし、給与 - 案件単価 x 90%という高還元をうたう企業があれば、
待機保証0円でリスクヘッジしている可能性があるので要確認です!

また、待機保証無しなのに、単価も公開しておらず還元率が高いと判断できない企業はエンジニア側に過度にリスクを負担させている可能性が高いので注意が必要です。

ケース4-4:給与の6割還元

待機を休業扱いとし、月収の60%が支払われるルールです。

待機中は「休業手当」が支給されることとなり、平均賃金の60%が支払われることになるのですが、休業手当の計算上、実質的には『月給の4割ほどの給与』になってしまう点に注意が必要です。

ご参考:https://jsite.mhlw.go.jp/oita-roudoukyoku/content/contents/000668422.pdf

このルールは給与が単価と連動しない会社、単価を公開していない会社が採用することが多いでしょう。

あなたの平均単価が100万円だから、あなたが待機になって売上げが立たなくなっても毎月60万円支払いますというルール設定だと
会社にとってハイリスクになるからです。

単価を公開せず、マージンを高く取ることで、社員に安定した給与を供給するという制度も1つのポリシーなので、必ずしも既存のSESで単価を非公開にしているSES会社が悪徳企業というわけでもないんですね。

会社と社員、どちらがどのくらいリスクとリターンを背負うかという考え方やルールの違いによって方針が違うだけなのです。

まとめ

いかがでしたか?

高還元SES会社はリスクの一部をエンジニアにも委ねるかわりに
エンジニアの給与を大きく上げるルールのある会社であり
決してエンジニアにとって都合の良いだけの会社ではありません。

4つの質問を活用し、案件単価や還元金の計算方法、待機リスクを明確にした上で、自分の年収の期待値がどれくらいになりそうかを慎重に検討しましょう。

本稿が良い転職の一助となれれば幸いです😁

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?