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【翻訳会社の中の人】英日翻訳者として日々心がけていること(嘉汕編)

みなさまおげんきですか。はじめましての方ははじめまして、ご覧いただきありがとうございます。そうでない方はまたお会いましたね、いつもありがとうございます。嘉汕🐸です。

今回はビジネス翻訳(特にIT系)を生業としている身として、フリー時代から翻訳力向上のため日々心がけていることをご紹介します。なお、こうしたルーティーンはTPJ全体でおこなっているものではなく、また心がければ翻訳者として大成できるというものでもありません(そもそも🐸は大成していません、今のところ)。「翻訳の腕を磨きたいけれどなにをどうしたらいいかわからない」、「翻訳者の日常がわからなくてこわい」という方の参考になればよろこびます。

方法論:自由に、のびのびと

さて、心がけていることに入るまえに、まずは🐸なりの方法論から。「なにをやっても三日坊主になりがち」という方のご参考になればよろこびます。

前提として、🐸は几帳面ではありませんが、計画をたてることは好きです。「最終目標を決め、そこに至るまでの具体的な課題を紙の上で可視化し、課題解決に必要なことを洗い出し、詳細をつめていく」。こういう作業自体に抵抗はありません。ただし、「毎日~分〇〇をする」のような行動案は、たとえ自分が決めたものであってもなんとなく忌避感が……。

そのため、なにかを始めるときには、目標を立てるだけでなく、「心理的ハードルを下げる(=習慣化しやすくする)」ことを心がけています。たとえば次のような感じです。

✔ 制限時間(回数)を決める:性格上「~分/回まで」と言われるとかえってそれ以上やりたくなる(専門用語では「カリギュラ効果」と言うんだとか)ので、目標ではなく上限を設定する(「ゲームは一日一時間」が好例)

やらざるを得ない状況をつくる:定期的に見たいサイト一覧をブラウザーのトップページに設定し、個人用PCの起動時に自動で立ち上がるようにする

✔ 読みたい気にさせる:読むべき/解くべき本を他の本より目立つところに置き、未来の自分が読みたくなるメッセージを書いた付箋を表紙につける(「~を知っておいたほうがいいよね?」「途中まで読んだけどやばかった」など)

✔ 少しでもやる気がでるようにする:日々すべきことをスマホのToDoリストに書き込み、ホーム画面に貼り付ける(「~しとく?」「~してみる?」のように未来の自分がやる気になる書き方で)

✔ すきま時間でやれるようにする

現状の課題:で、具体的になにをやっているの?

前置きが長くなりましたが、翻訳者として🐸が特に必要だと感じているものは次の3つです。

✔ 普段担当する分野の知識をアップデートし続ける
✔ 翻訳技術を高める
✔ 意識せず自然な日本語表現が出るようにする

これら3つの課題を達成するため、稼働日と休日に分け、かつ家事や趣味の妨げにならない範囲で次のようなToDoリストの項目を設定しています。稼働日は時間や体力のやりくりがむずかしいので、やる気を引き出すために制限時間つきとしています。一方、休日の項目は稼働日にたまった「もっと読みたい/書きたい」という気持ちを発散するため、「〇〇放題」のようにタガを外します(あくまで経験上ですが、「平日は時間制限あり→休日は時間制限なし」を繰り返していると、項目をこなすことそのものが楽しみになったり……🐸)。


ただし、想定外の事態が起きるのが人生の常。そのため、最低限優先度が高いものだけをこなすことを意識したうえで、生活状況の変化(講座の受講など含む)に応じて定期的にリストを更新しています。
ほかにToDoリスト化せずやっているものとしては、英日ともに「どんな文章でも筆者の意図、論理展開を想像+意識して読む」ことや、「LongmanのExcerciseを解く」などがありますが、これらは趣味の範疇なので割愛しています。

実践例①:知識編 - 知らないと知っていることを増やす

まず知識面です。個人的に、知識は「知っていること」、「知らないと知っていること」、「知らないこと」の3段階に分けられると思っています。「無知の知」なんて言葉もありますね。
翻訳にかぎらず一番こわいのは知らないのに知っていると思いこみ調べないこと。そのため、「知らないこと」を「知らないと知っていること」に引き上げる取り組みが日々の中心です。
また、「知ろうとしている言葉」は自然と目に飛び込むものなので(「カラーバス効果」って言うそうです)、「知らないと知っていること」がわかると自然と好奇心がそちらを向き、「知らないこと」を減らしやすくなります。

【稼働日】

✔ Webサイトめぐり:日経クロステックGihyo.jpQiitaCNETなど(全部で30分まで。読みたいのに時間が足りなかった記事があればNotionに転記)
✔ 専門書(現在はCI/CD系の本がメイン)を手近なところに置き、読み進める(30分以内)
✔ Webサイトのメルマガや通知をチェックし、週末に読みたい記事のリンクをNotionにまとめる
✔ 実際の案件で気になった言葉をメモして貼っておく
【休日】

✔ 専門雑誌(現在は主に『Software Design』)を読み放題にする
✔ 専門書(現在はCI/CD系の本がメイン)を読み放題にする
✔ Notionにまとめたリンクを見放題にする

実践例②:技術編 - からだにしみこませる

次は技術です。翻訳では、英文構造を絶対に読み間違えないこと、英→日の変換スピードを上げることが重要ですよね。というわけで、翻訳漬けの生活になるよう、次のような行動をToDoリストに入れています。

【稼働日】

✔ 学習書(現在は主に『英文解釈教室』と『英文解体新書』)を読み返す(20分以内)
✔ 翻訳課題の解説(Amelia定例トライアルなど)をななめ読み(10分以内)
【休日】

✔ 翻訳課題(Ameliaの定例トライアルなど。昔解いたものを含む)を解いてみる
✔ 目にとまった英語記事を訳してみる(主に頭の中で)
✔ 翻訳課題の解説(Ameliaの定例トライアルなど)を読み返す

実践例③:文章力編 - 考えるまえにまず行動

最後に文章力です。と言っても小説家を目指しているわけではないので、日本語を自分の頭から出力する習慣をつくる意味合いが強いです。それと、現状のテーマである「詩と音楽以外で刺さる言葉探し」のために日々いろいろ放浪しているので、これも項目に入れています。

【稼働日】

✔ ToDoリストを振り返り、一日の感想をまとめてみる(5分以内)
✔ Notionなどに思ったことを書いてみる(10分以内)
✔ noteで目に止まった記事を読む(10分以内)
✔ マーケティング系Webサイト(宣伝会議など)の記事を読む(10分以内)
✔ 「なにを伝えようとしてどう書いているのか」に注意してWebサイト、メルマガ、チラシ、看板などを読む
✔ 気になる言葉があったらメモをする
【休日】

✔ ToDoリストを振り返り、平日の感想をまとめてみる
✔ Notionなどに思ったことを書いてみる
✔ noteで目に止まった記事を読む
✔ マーケティング系Webサイト(宣伝会議など)の記事を読む
✔ 「なにを伝えようとしてどう書いているのか」に注意してWebサイト、メルマガ、チラシ、看板などを読む
✔ 気になる言葉があったらメモをする

最後に

いかがでしたでしょうか。体力の兼ね合いからムリはしていないので、読んだ方によっては物足りなく思える内容・量だったかもしれません。ただ、もしも、「ためしにマネしてみよう」という方がいましたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。嘉汕🐸でした。


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