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【徹底解説】5Gコネクティビティ

こんにちは、テクナドです。

 最近は、本業の方で出張が続いておりまして、ここ一か月で4か国ほど回ってきました。長距離の飛行機移動って大変ですよね。シンガポールからニューヨークまでおよそ18時間、フランスまで13時間。飛行機の中なんて寝るかご飯食べるかしかないんですから事前にYoutubeとNetflixでいくつかの映画をダウンロードしたんです。そこで、以前は20~30分ほどかかっていた時間がなんとものの1~2分で完了してしまったのです。なぜこんなに早いのか自分でもびっくりしました。そう、今回のテーマは『5G』です!それでは早速本題に入っていきましょう!!


5Gとは

「5th Generation」の略で、「第5世代移動通信システム」を意味します。

  • 「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つの特徴を持つ

  • DX実現の基盤として注目されている

  • 日本では2020年春から商用サービスがスタートし、次世代の通信インフラとして社会に大きな技術革新をもたらすといわれています。


通信技術の歴史

 移動通信とは、持ち運びできる通信機器を使ったコミュニケーションのこと。昔は飛行機や船、列車などでの移動中に行う通信を指しましたが、1979年、NTTの前身にあたる日本電信電話公社が「自動車電話」の商用サービスをスタートし、これが携帯電話のベースとなりました。

そこで活用されたのが、第1世代移動通信システムである1G。ここからは、1980年代以降、およそ10年ごとに進化してきた移動通信システムの歴史や、4Gと5Gの違いを解説します。

◇「1G」アナログ携帯電話の普及

1Gは、音声を電波に乗る信号に変換して通信するアナログ方式。そのため、機能は音声通話のみ。通信品質や通信距離にも課題があったため、デジタル方式の技術開発が進みました。1987年には「携帯電話」が登場しました。

◇「2G」インターネットの普及

1990年代には2Gが普及。通信方式はアナログからデジタルへと変わりました。データ通信が容易になったことで、メールの利用やインターネット回線への接続が可能になりました。

データ通信の利用が日常的になったことで、徐々に高速通信へのニーズが高まりました。

◇「3G」世界標準の高速通信の普及

2000年代には3Gが普及し、2Gでは2.4kbps~28.8kbpsだった通信速度が384kbps~14Mbpsまで大幅に向上。より大容量のコンテンツを楽しめるようになり、「着うた」などプラットフォーム上のサービスが一気に増加しました。

2008年にはソフトバンクが「iPhone 3G」を発売。快適にインターネットに接続できるようになり、高速大容量通信へのニーズが高まりました。

5Gと4Gの違いは?


 スマートフォンの利用者数が激増した2010年代。その流れを支えたのが、現在も主に利用されている通信速度50Mbps~1Gbpsの4Gです。通信速度が飛躍的に向上したことで、スムーズなインターネット利用のほか、モバイルゲームや動画など大容量コンテンツを楽しめるようになりました。

そして2020年代は、5Gの時代。

4Gが「スマートフォンのためのモバイルネットワーク技術」だとするならば、5Gは「社会を支えるモバイルネットワーク技術」といわれています。あらゆるものがインターネットに繋がるIoT時代を迎え、幅広いユースケースが想定されます。

 それを可能にするのが、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つの特徴。4Gと比べて通信速度は20倍、遅延(レイテンシー)は10分の1、同時接続台数は10倍の進化が見込まれ、さまざまなサービスやビジネスでの活用が期待されています。

5Gの3つの特徴とその仕組み


5Gの特徴①:高速大容量

「高速大容量」の鍵となるのは、「Massive MIMO」というアンテナ技術です。これは、複数のアンテナを使った無線通信技術「MIMO」を発展させたもの。高周波数帯において、数十から数百のアンテナ素子を使用し、データを送信します。

これに、電波を細く絞り、特定の方向へ集中的に発射する技術「ビームフォーミング」を組み合わせます。電波の強度を上げ、遠距離での高速通信を実現するためです。(ホースを絞ったほうが同じ水圧でも遠くまで届くよね)

国際電気通信連合による最大通信速度(下り)の目標値は20Gbps。2010年当時の4Gと比較すると約100倍、2019年春にスタートしたNTTドコモ「PREMIUM 4G」と比較しても約20倍の速さです。

高速大容量の通信が実現すれば、4K・8Kなど高精細な動画のライブ配信、オンラインでの在宅医療、AI解析を用いた高精度の警備システムなどが期待できます。


5Gの特徴②:高信頼・低遅延通信

「高信頼・低遅延通信」の鍵となるのは「エッジコンピューティング」です。これは、デバイスとサーバーの物理的な距離を縮め、通信時間を短くする技術のこと。

通常の通信は、デバイス→基地局→インターネット→クラウドサーバーの流れでコンテンツにアクセスし、逆の流れでダウンロードする「クラウドコンピューティング」が主流です。それに対し、エッジコンピューティングは、デバイス→基地局→基地局の近く(エッジ)に設置したサーバーと通信経路が短いため、リアルタイム性を確保できます。

現在、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が標準化を進めている規格が「マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)」。これはスマートフォンだけでなく、IoTデバイスや自動車を含むマルチなモノとの通信を考慮した技術です。

国際電気通信連合による伝送遅延の目標値は1ms。4Gは10msだったため、10分の1に改善されます。仮に時速60kmの車両に遠隔でブレーキをかけた場合、4Gの空走距離は約1.7mなのに対し、5Gはわずか数cm。伝送遅延の改善により、非常時に搭乗者の安全を確保することができます。

このように、高い信頼性が必要になる遠隔制御、遠隔医療の分野では、低遅延通信の技術がキーテクノロジーとなります。

5Gの特徴③:多数同時接続

多数同時接続を実現する技術を解説します

「多数同時接続」の鍵となるのは「グラント・フリー」という技術です。これは、デバイスと基地局の通信をシンプルにし、デバイスの同時接続数を多くするというもの。

通常、デバイスと基地局で通信を始める場合には、利用する周波数や利用時間のやりとりが行われます。その後、基地局が事前許可(グラント)を発行。デバイスは、基地局から許可された方法でデータを送信します。

一方、グラント・フリーでは基地局の事前許可なしにデータを送信できます。これによって通信の混雑を回避し、1つの基地局に多くのデバイスが同時アクセスできることに。送信失敗のリスクも発生しますが、再送信の仕組みも含めて設計されています。

国際電気通信連合による同時接続の目標値は100万デバイス/㎢。4Gでは10万デバイス/㎢だったため、10倍のデバイスが接続可能になります。スタジアムやライブ会場でスマートフォンを快適に使えることはもちろん、身の回りのさまざまなモノがインターネットに接続するIoT時代には欠かせない要件です。

5G環境で実現できることは?

① 4K・8Kのライブ配信

 5Gの「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」は、4K・8Kをはじめとする高精細な映像のライブ配信を実現します。自宅で視聴しているユーザー、スタジアムのような広い会場にいる観客に、迫力ある映像を配信することができます。

② 没入感の高いVR・AR体験

 VRやARを含む「XR」は、大幅なクオリティアップが期待される分野。ヘッドセットを装着すれば、最前列にいるような感覚で音楽ライブを楽しめたり、任意のアングルでスポーツを観戦できたりします。圧倒的な没入感により、新たな視聴体験を生み出すでしょう。

③ スポーツ観戦の多角化

 5Gを活用したスポーツ観戦は、各通信会社がすでに実証実験済みです。KDDIはプロ野球公式戦で、NTTドコモはラグビーワールドカップ2019日本大会で、観客が多視点かつリアルタイムで試合を観戦できるサービスを提供しました。総務省は、スポーツ観戦のアップデートによる経済効果は約2373億円にのぼると見込んでいます。

④ 遠隔技術の活用

 遠隔技術を要する分野では、5Gの「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」が重要になります。医療分野では、遠方にいる医師が手術中に助言する「遠隔手術支援」が進むでしょう。また、将来的には、現場の医師ではなく、遠方にいる医師が「遠隔手術」できる日がくるかもしれません。建築現場や災害復旧現場でも、ショベルカーなどを遠隔操作し、確実で安全な施工を実現することができるでしょう。

⑤ 自動運転の推進

 もっとも期待されている5Gの用途の1つ、それが自動運転です。ネットワークに繋がった「コネクテッドカー」は、車両の状態や歩行者の位置、交通状況、デジタル地図「ダイナミックマップ」などの情報を常時サーバーと通信。非常時のハンドル制御や隊列走行によって、交通事故・交通渋滞は低減すると考えられています。

⑥ IoT化の加速

「多数同時接続」が可能な5Gによって、IoT化は加速していきます。医療分野では複数の医療機器や院内設備が、農業では気象や土壌、生育センサーなどがインターネットに繋がり、膨大なデータを収集。それをAIが解析することで精度を上げます。商業施設では、客の導線分析をマーケティングに活用したり、リアルタイムの在庫管理・自動発注なども可能になります。


まとめ:あらゆる企業に求められる5Gの活用

 5G導入による恩恵は通信速度の向上だけではありません。「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という優れた特徴をかけ合わせることで、これまでは不可能だったことが実現できるようになり、社会はドラスティックに変化していくでしょう。さて、ここまで読んでいただいたかただ他の脳内には今まで空想上の技術だと思っていたものが実現する技術は見えているでしょうか。技術の進化、発展によって指数関数的に変化している今の世界がドラえもんのような世界もそんなに遠くはないかもしれないですね。

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