否定で子どもは育たない
先日の木下斉さんのVoicyで「いいねオジサン」の下で働く若者は基本的な指導もされないので成長しない。自分から成長しようとする若者だけが成功を掴むという趣旨のお話をしていました。
▽木下さんのVoicyはこちら▽
この考えには私も大きく賛成です。しかし不安なのは、この話を聞いて「やっぱり厳しくしたほうがいいい」と変な勘違いをして子どもに間違った指導・教育を始めるおバカおじさんが現れることです。
そんなおじさんは「そんなんじゃダメだ!」など、中身のない否定した言葉を繰り返します。聞いてください、指導と否定は違います。
否定による「私が必要」という刷り込み
子どもを否定して教育するとどうなるのでしょうか。
親が「あなたはダメな子だ」と子どもの人格を否定することで、子どもに「あなたには私が必要」と刷り込みを行なっています。
これはアルコール依存症の父親に「これで最後の一杯ですよ」と優しくお酒を渡す母親のよう。「ダメな父親を支える母親」という立場を無意識のうちに刷り込んでいます。
このように悪いのは子どもで、親身に子育てをする親に成り代わって「子ども想いの親」という幻想を子どもに見せているのです。
また、子どもの方も親に嫌われたくない一心で、無意識のうちにいつまでも親がいないと何もできない子どもを演じ続けてしまう悪循環が発生します。
[参考資料 ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる子どもたち:おおたとしまさ(著)]
否定する親の特徴
子どもを否定する親は、高圧的で支配的なことが多いです。ただし過干渉というわけではなく、子どもと向き合いません。代わりに否定してばかりいることが最大の特徴です。
以下のような親は、否定する親の可能性があります。
存在自体を否定する
子どもの存在自体を否定する親とは、自らの子どもの存在を認めようとしない親です。子育てに自信がなく、子どもと上手く向き合えない親がこのような否定をします。
このタイプの親は「お前なんか生まれてこなければよかった」などの言葉で子どもを否定します。否定された子どもは親に見捨てらたと感じ、心に大きなトラウマを抱えてしまいます。
否定から入る
否定から入る親とは「どうせ上手くいかない」「世の中そんなに甘くない」などと、子どものやることなすこと否定する親です。このタイプの親の思考は、子どもの意見に対して「上手くいく理由」を考えるより、「上手くいかない理由」ばかりを考えがちです。
子どもの新しいことにチャレンジする意欲、夢への挑戦を断ち切ってしまいます。そして否定され続けた結果「どうせ自分はなにもできない人間だから」と信じてしまい、自分に自信が持てなくなります。
子どもをけなす
歌や踊りなど楽しいポジティブな気持ちをけなしたり、反対に寂しい・悲しい・怖いなどのネガティブな気持ちをけなしたり、子どもの感情表現を否定してしまう親がこのタイプです。
喜んでいるときには「うるさい!」と否定され、悲しいときには「なさけい」などと否定される。「自分の気持ちは抑えるもの、我慢しなければいけない」子どもは心に蓋をして、自分の殻に閉じこもってしまいます。またうつ病など心の病気になる恐れもあります。
[参考資料 子供を否定する毒親の特徴:メンタル心理そらくも代表 寺井啓二]
否定する親にならないために
否定する親にならないためには、次のことに注意しましょう。
子どもを一方的に否定せず、子どもの意見を尊重する
子どもの自信や自己肯定感を傷つけるような否定的なフィードバックを控える
子どもの能力や可能性に注目し、子どもを励ますような支援を行う
子どもと双方向のコミュニケーションを重視する
これを見ると子どもの意見を聞くこと、コミュニケーションをとることが大事ですね。なので私は否定しないためにコミュニケーションと肯定的な声かけを意識しています。
私の子どもとのコミュニケーション
私は交代勤務で夜勤があるため、家にいるのに1週間子どもに会えないことが隔週であります。だから休みの日は積極的に子どもに話しかけます。「今週は何が楽しかった?」「どんなこと授業で習ったの?」など他愛のない話ですが、コミュニケーションを取ることが大切なので話の内容はあまり気にしません。遊びたい盛りの子どもたちには無視されることもありますが、そんなことではめげません。笑
私の子どもとへの肯定的声かけ
私も人なので子どもの言動を見聞きすると「ん?」と感じることはもちろんあります。そんなときは否定したい気持ちを抑えて「あなたはそう思うんだね。でもこういう考え方もあるよ」というように、まずは子どもの考えを認めることに努めています。
また、何かに失敗したときも「ダメだ」など言わずに「成功するためにはどうすればいいかな」と次へのステップに向かえるようにサポートします。否定することで反発心が芽生えるからと言う親もいますが、私は精神的に不安定な子どもに反発心を求めるのは反対です。
おわりに
子どものことを否定していたと、反省する方も多いと思います。しかし「あんなこと言わなければよかった」と思えるようなら、親として少し間違っていただけです。いつも正しい行動ができるわけではないので、素直に子どもに謝り成長していけばいいです。
また先日もnoteで『「押し付けない」親と子どもは別の人』という記事を書きましたが、それに加えて親が子ども以外で自分の人生を持っていることも大切です。
せっかく家族になったのですから、楽しく生活できた方が絶対にいいです。子どものことが気になりすぎるときは、少し距離が近すぎるのかもしれません。少し離れて深呼吸です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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