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人は、なぜ他人を許せないのか?

書名:人は、なぜ他人を許せないのか?
著者: 中野信子
出版社:アスコム
発行日:2021年1月25日
読了日:2021年3月14日
ページ数:226ページ
付箋数:12
3月 :5冊目
年累計:19冊目

「正義中毒」
なるほどなぁと思った。

正義中毒にならないための絶対的な解決法はないです。
なぜそうした状態に陥るかを理解し
常に考える事で避ける事ができる。

私はそう解釈しました。

SNSの発展と共に、誰もが発信できるようになった。
その結果、炎上、批判が渦巻く世の中となる。

許せない感情はなぜ生まれるのか?

面白かった。

芸能人が不倫をする、あんなに素敵な女優と
結婚できたのになぜ?!
許せない!

そんな感情を抱いた事はあります。

そうした感情が生まれてしまうのは
自然な事であり、脳の中で快感となるため
避けて通れない事である。

それが理解できるだけでも大きな収穫です。

その許せない?という基準は
国や文化によって異なる。

日本は特に他人と同じでないと
変わり者だと批判されたりする。

でも、なぜ日本人はそうなってしまったのか?
欧米では他人と同じ事をしていると
自分自身を持っていないと批判されますよね。

日本は地震大国、台風が多い国であり島国でもある。
つまり、一致団結して乗り越えなければならない
そうした出来事が自然と多い。
結果的に他人と歩調を合わせて行く必要がある。

我々のDNAに刻まれたものなのかもしれないですね。

主張と人格を分ける

これってすごく大切です。

世の中には様々な意見があります。
弁論でもディベート、会議でもそうですが
その意見と人格は分けるべきです。

Aさんがこんな事を話しているから
Aさんはこういう人なんだろうと決めつけるのはよくない。

意見をぶつけ合って
より良い方向を導く事は大切です。
そうした事ができる環境を作るためには
人格と結び付けない事は大切ですね。

それに、他人の意外な一面を知って
裏切られたと感じる事もありますが
それは勝手に抱いていた幻想に過ぎないと思う事もあります。

その人自身は何も変わっていなくて
見えた面が違うだけと考えると
相手に対する怒りは消える。

最近はそう思える様になったので
世間や周囲の出来事に対してイライラする事は減りました。

性格の不一致ゆえに惹かれ憎み合う

離婚の原因の1位は男女共に性格の不一致。

自分にはないものを相手は持っている
だからこそ、人は惹かれます。
性格が全く同じ事はまずないと思う。

ただ、結婚すると毎日同じ時間を過ごす様になり
細かい事点が目につく様になる。
適切な距離感が大切ですね。

富士山も遠くから見ると雄大で壮大です。
でも、登ってみるとゴミが多かったり
登山客であふれていて、綺麗とは思えない。

マクロでみるか、ミクロでみるか

人間関係も案外そんなもんかもね。
そう割り切ると、うまくいかなくて当然。
いちいち、苛立っても仕方なくない?
そう思えます。

怒りや許せないという感情が生まれたときに
今自分はそういう感情が出ているな
と一歩止まって考える事。

SNSに投稿する前に
口に出して発する前に

立ち止まって考えてみる。

そして許せる心の余裕を持つ。

こうした判断は前頭葉を鍛えないと
自然と衰えて客観的な判断ができなくなる。

だからこそ、合理的思考、客観的思考を
養うために日々そうしたトレーニングをする事が大事

色々な人と会って、違う価値観に触れる
興味がない本でも読んでみる
違う道を通って帰宅してみる
刺激をとにかく増やす事で鍛えられる。

そもそも、自分自身が当事者でもなく
その許せない感情を持ったところで
何か変えられるのか?と思うと
ほとんどの事が関係ない事がわかります。

そんな感情にふり乱されても
仕方がない事に気づきますよね。

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