発達障害グレーゾーン

発達障害グレーゾーン

書名:発達障害グレーゾーン
著者:姫野 桂
出版社:扶桑社
発行日:2018年12月27日
読了日:2019年12月28日
ページ数:183ページ
12月 :9冊目
年累計:124冊目

私自身はもちろんですが
家族にも発達障害の人ははいません。
今思い返せば、学校では変わった子はたくさんいました。
彼らが発達障害なのかどうかはわかりません。

 そんな私が手に取った理由は職場にその傾向がある人
その中でもASDの疑いが強い人がいるからです。
但し、本人はオープンにしているわけでもないので
真偽は不明ですが、第三者から見てかなり偏りがある。

発達障害について知りたくて手に取りました。

 まず、著者はライターかつ当事者でもある方。
医学的な専門知識はないため
発達障害の疑いがある人の座談会を通しての取材や
医者へのインタビュー記事がほとんどを占めます。

なぜタイトルにグレーゾーンとついているのか?

他の病気と違ってAが見つかったからBという診断。
Cが100以上だったからDという病気。という

明確な診断基準がない

ここが発達障害を複雑にしていると感じた。

つまり、定型発達(健常者)なのか
それとも発達障害なのか線引きができないのである。

だからグレーゾーンで疑わしいけど
発達障害ではないという診断を下される人が多い。
医者によって診断(見方)が変わるのである。

発達障害を診断する際の判断基準は2つ
(1)DSM-5(アメリカ精神医学会)
 精神障害の診断・統計マニュアル
(2)ICD-10(WHOが定める国際基準)
 ※DSMと違って、精神疾患以外も対象

障害者手帳や障害年金を受け取るためには
ICD-10のコードナンバーが必要なので
結局ICD-10の基準を参考にする事が多いそうです。

DSM-5を基準にした時

①社会性の障害
②コミュニケーションの障害
③興味の限局性(こだわり)

が主な特徴になる。

私が職場で疑っている人は①、②はかなり強く出てるけど
③は並外れたこだわりっていうのはなさそう。
全てに当てはまらないと診断されないらしいので
ここがグレーゾーンの人を増やしている要因の様です。

 私は物事をなるべく白黒はっきりつけたい方ですが
やっぱり社会生活しているとグレーな事ってたくさんあります。
0か1、白か黒って割り切れない事が多いです。

変わってる人はいるけど、何を基準にしているのか?
普通の人と同じ仕事ができない、普通とは何なのか?
話はずれますが、お金持ちはどこからなのか?
明確な基準がないものは相対的に考えるしかないし
基準を作るのが難しくても、どこかで線引きが必要な場合もある。

そんな事を考えさせられるのが
発達障害
だと思いました。

曖昧な部分、境界線ギリギリにいる人は
結構辛いのだろうなって思います。

さらに、この発達障害は治るものではないというのも
当事者と周囲の関わりも難しくしています。
別途、noteで語る予定ですが夫婦や片方がサポートする場合
「カサンドラ症候群」に陥る可能性があります。
これは周囲も不幸になってしまう。

他の病気であれば治療すれば治ります。
でも、ASD・ADHD・LDは障害自体がなくなる事はないです。

マイノリティー側の彼ら・彼女らを理解するのは難しい
そしてその疑いがあってもオープンにはしづらい

今のところ解決策がないように感じました。

仕事の場合は得手不得手があるから
その人が希望していても、適性がなければ
バシっと違う仕事・職種に変えるべきだと思います。

改善や努力でなんとかならないのだから…。

その決断をするのには別に発達障害だけに限らず
定型発達者も同じかなと思う。
どちらかというと、こうした傾向がある人は
努力で改善できないのであれば早期に周囲が判断して
特分野を伸ばす方向に注力するべき
というのが持論です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?