Xテック「人事×IT」~客観的な人材マネジメントを~


今日は、クロステックの中でも人事×IT、いわゆる”HRテック”について書いていこうと思う。

そもそもHRテックとは?

勤怠管理、給与計算・支払い、採用、育成、評価等、主に人事部が中心になって行ってきた業務を、テクノロジーを用いて効率化高度化する為のソリュ―ション全体のことを指し、客観的な人材マネジメントを実現することである。

急速に拡大するHRテック市場

昨今のHRテック市場は、
「テクノロジーの発展」「労働環境の変化」の影響を受けていて、日本においては年間約30%と急速な進化を遂げている。具体的には、どのような進化が起きているのだろうか?


HRテックを加速させる3つの進化

①テクノロジーがカバー可能な人事関連業務の広がり
テクノロジーが、勤怠管理や給与計算などの事務的な業務だけでなく、採用評価等、人間にしか出来ないと思われていた人事戦略にまで対象を広げている。

➁データ活用の広がり
単純なデータ入力作業の自動化による業務効率化にとどまらず、データを分析して示唆を出し、付加価値を生み出している。評価・採用等、戦略的な業務においても、「誰を昇進させるべきか」「従業員のモチベーションを挙げるためには」等の高度な課題にも対応しつつある。
例えば、人材特性と評価を基に、ハイパフォーマーの傾向をテクノロジーによって分析し、採用時のスクリーニングに活用するなどの動きが出てきている。
データ活用によって、人事課題に対して、人事部の経験や勘に頼って解決を試みるのではなく、公平な視点で客観的に対処することが出来るようになってきている。

➂人事データの質を向上させるサービスの登場

例えば、評価データは、回答する上司によって差が出たり、エンゲージメント(組織への愛着や仕事に貢献する動機付け)については、回答者が意図的に本心とは異なる回答をする等、人事データは他の領域と比べデータの質の確保が難しいのが特徴である。

これに対し、回答者の表情や声を分析することで回答内容の信憑性を図ったり、回答者の本音を抽出しやすいアンケート設計を行うことで、客観的なデータ抽出を目指すサービスが増えている。

今後も、この3つの進化はさらに加速すると考えられている。


次に、3つの進化を加速させた大きな要因である「労働環境の変化」について考察する。

HRテックを加速させた労働環境の変化

HRテックの活用拡大には、労働環境の変化が影響している。

昨今のデジタル技術の発展により、産業やビジネスの仕組みが変化し、仕事の在り方が大きく変わろうとしている。世界銀行が2019年に出したレポートでは、「技術の進歩により、マニュアル化の可能な反復作業は排除されるだけでなく、新たな雇用と置き換えられる」と指摘されている。

それに伴い、社会から求められるスキルも変化する。諸説あるが、「リーダーシップ」「創造性」「理数系知識」等が必要だとよく聞く。(ここでは論点がぶれる為深く言及しない)

加えて、先進国を中心に少子高齢化による人口動態の変化が加速している。生産年齢人口の減少により、企業は自社が求めるスキルを持つ人材確保が難しくなり、シニア世代の再教育、最戦力化の必要性が高まっている。

一方、従業員側としても、人生100年時代という言葉が表すように、職業人生が益々伸びると予想される。社会に出てから新しいスキルの獲得を試みる機会が増えるであろうと考えられている。

このような背景の中、人事部は従業員のポテンシャルを把握し、個々人に合った再教育支援を行い、業績につなげるまでの一連の取り組みをテクノロジーを活用して効率的に行うことが求められている。



人事部を悩ませるエンゲージメント向上問題

HRテック市場で近年注目を浴びているのが、エンゲージメントである。

人事において、「エンゲージメントを高める」とは、従業員が会社に愛着を持ち、仕事に貢献する動機付けを高めることを意味する。

会社が右肩上がりに成長していた高度成長期では、会社に貢献することで自身の昇進や昇給が約束され、自然とエンゲージメントを維持することが可能であった。

しかし、市場環境の変化が激しく、将来の見通しが立てづらくなり、かつ優秀な人材の転職機会が増えた昨今、エンゲージメントを高めることが人事部の重要課題となっている。

例えば、リンクアンドモチベーションが提供するウィボックス(Wevox)では、回答時間約3分の従業員アンケートで組織状態を把握し、職務にやりがいを感じているか?人間関係は良好か?企業のビジョンや指針に共感できているか?、等のエンゲージメントを構成する9要素を分析して課題の可視化を行い、課題別に他社の改善事例を紹介すると共に、解決策をリコメンドするといったサービスを提供している。

以上。HRテックはまだまだ触れるべき論点が存在する為、今後考察していきたい。

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