Xテック「移動×IT」①~CASEがもたらす人々の移動の変化~


今日は「移動×IT」について、いわゆる“モビリティテック”について書いていこうと思う。

モビリティテックとは、人々の移動を指す言葉である。
このモビリティが今、「CASE」「MaaS」などのキーワードで表現されるテクノロジーを用いて大きく変わろうとしている。

移動手段の多様化

上述の通り、人々の生活を支える移動は「CASE」によって変わろうとしている。

CASEとは、以下の4つの頭文字から作られた造語であり、2016年に、ベンツで有名なドイツのダイムラー社のCEOが同社の中長期戦略の中で提唱されたのがきっかけである。
C:connected=コネクテッド/繋がる
A:autonomous=自動運転化
S:shared=シェア/サービス化
E:electric=電動化

特に、モビリティを大きく変えると言われているのがS=シェアリングの領域である。

シェアリングを提供するイノベーションの基盤として、「コネクテッド化」「自動運転化」「電動化」という潮流がある。

①ドアツードア移動の大衆化

現状タクシーの営業費用は人件費が約70%を占めている。

自動運転タクシーが実現すると、営業費の大半を占める人件費≒ドライバー人件費が不要となり、タクシー運賃が大幅に下がる。

実際に、googleで有名な米アルファベットの配下の企業ウェイモは、2018年12月よりアリゾナ州で、自動運転による配車サービスを実現しているが、運賃は1km=100円前後という低価格を実現している。

この価格であれば公共交通機関を利用するようなシーンであっても、タクシーを利用する人が増えるだろう。

➁キックボードシェアリング

シェアリングと言えば、一般的にはウーバー等のライドシェアや、タイムズやオリックスなどのカーシェアが想起されるだろう。

しかし今、北米ではカーシェア、ライドシェアに続く、第三のシェアリングとして、電動キックボードシェアリングによる「徒歩移動革命」が起きている。

電動キックボードシェアリングとは、道端の至るところに設置された電動キックボードについているQRコードを専用アプリで読み込むだけで、直ぐに自分の行きたいところに行くことが出来るモビリティ(移動手段)である。

待ち時間や渋滞が一切なく、その手軽さから35歳以下の若い層に注目を浴びていて、徒歩の代替手段として市場を拡大している。

近年ロサンゼルスなどを歩いていると、街中の至る所でキックボードを見つけることが出来るらしい。

まとめ

本記事では、モビリティテックの概要とそれを加速させるCASEというテクノロジー活用手段について考察し、モビリティテックの具体的な潮流として、「ドアツードア移動の大衆化」「キックボードシェアリング」について考察してきた。

次の記事では、人々の移動が「所有」から「利用」へと変化していることを形容する「MaaS」と、今後モビリティテックを推進していくにあたって求められることについて書きたいと思う。


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