見出し画像

家族のチーム力は”ふざけ心”で高まる!:チームわが家ワークショップ(開催報告)

******************
日本中に「チームわたし」「チームわが家」が溢れたらよいなあと思っています。このワークショップを職場や地域や学校で開催してみたいという方はこちらよりご相談ください。職場のファミリーデイ、SDGsをテーマにしたイベントだけでなく、職場研修(キーワード:SDGs、DE&I、レジリエンス)にもアレンジ可能です。
******************

2023年3月12日に鹿児島県薩摩川内市にて「チームわが家ワークショップ」を開催しました。小学校低学年からご年配の方まで総勢50名が参加し、一緒に「わが家時間砂時計」を作ったり、それぞれの家庭で日々やっている「おふざけ=#うちちょけ」を共有したりしました。

世代や性別を超えてみんなで「チームわが家」についてワイワイと考えた時間は、とても温かく楽しくそして、とても豊かなものとなりました。

以下、ワークショップの背景&内容についてご紹介します。

ワークショップができるまで

家族を取り巻く「ひと」「もの」「こと」を含め、「チーム」として仕事と家事の両立を提案する「チームわが家」。これまで全国の企業の研修や自治体の講座でたくさんのみなさんにお伝えしてきました。

家事も育児もチームで!というのはとてもいい!でも「チームわが家を創ろう!」「家族のチーム力をアップしよう!」「家族と対話しよう!」と言われても、なんだか恥ずかしいし、何から話したらいいかわからないし、どうしたらいいかわからなーい!

そんなみなさんからの声を受け、一年かけて「チームわが家」を問い直しました。その結果、「対話は大事!」と風紀委員的に説くのではなく、もっとシンプルに「家族であそぼう!」を促していけば良いのでは?という着地点に到達。

そこで、普段から遊ぶように何かを創り出しているクリエーターの皆さんにお声かけをして非公開ワークショップを開催。クリエーターの視点を借りながら、チームわが家を「あそび」の文脈で考えてみました。

このワークショップの後もディスカッションを繰り返し、生まれたのが今回薩摩川内市で開催した「チームわが家ワークショップ」です。チームわが家に賛同し、共にこのワークショップを創り上げてくださった、薩摩川内市の皆様&薩摩川内市役所コミュニティ課の皆様、に心より感謝いたします!

クリエーター一緒に家族の"ふざけ心”を育む
チームわが家ワークショプ

ワークショップ概要

薩摩川内市SDGs チャレンジシンポジウムのコンテンツの一つとして開催
開催日時:3月12日(日)13:30-15:30(2時間)
開催場所:鹿児島県薩摩市国際交流センター会議室A&B
参  加  費:無料
参加人数:50名
(子ども17名・大人33名 事前申込35名、当日参加13名、見学2名)
講師:林田香織(ファシリテーター)・佐藤蕗(手作りおもちゃ作家)
主催:薩摩川内市

「家族って面白いね!」を感じることは大切にしつつ、やはり家庭内のモヤモヤ&ヒリヒリする部分も触れたい。ということで、このワークショップを、SDGs「目標5ジェンダー平等を実現する」の取り組みの一つとして行えたこともとても意義があることだと思いました。

薩摩川内市の職員の方が手作りしてくださった当日配布用のチラシ
シンポジウム全体のチラシ。普段から市内各所でさまざまな取り組みや勉強会が行われているため、SDGsについての関心がとても高いそうで、びっくりするぐらい大盛況でした

ワークショップのねらい

このワークショップで伝えたいことは以下。ただし、あくまでもこちら側の意図であって、参加者には単純に楽しんだり面白がったりしてほしいと思っています。なので、あえて伝えず、大人用のお土産シートにちらっと記載しました。

参加者には単純に楽しんでほしいので、あえて伝えません

今回は「家族」をテーマにしていますが、家族だけでなく、職場、仲間、自分ひとりだって、面白さに光をあてると肩の力が抜けてチームになれるし、元気になれる。それをクリエイティビティと対話の力を使って体感するのがこのワークショップのねらいです。

ワークショップのながれ

おおまかなながれは以下の通りです。時間の調整はご要望に応じて可能ですが、120分あるとゆっくり楽しみながらご参加いただけます。

ワークショップ自体は120分(前後にゆるゆるおしゃべりタイムあり)

1. 気がついたらはじまっているオープニング

始まる前からゆるゆるとスタート
会場レイアウトは島形式。一つの島に数家族ずつ座りました。事前申し込みのほか、当日急遽申し込みたい!という方もいて、会場はあっという間に満席!

みなさん、早めに集まったので、来た順にゆるゆるとおしゃべりを始めたり、工作の材料を選んだり。「どこからですか?」「なんか、面白そうですよね」と気がついたらあちこちで会話がはじまっていました。

ファシリテーター紹介&今日やることの説明
今回はこの三人でファシリテート。
「モリシー」「かおりん」「ふきさん」という感じで軽く自己紹介。

左からFJ九州代表理事の森島パパ(サブファシリテーター)、林田(ファシリテーター)、手作りおもちゃ作家の佐藤蕗さん(クリエーター)

その後、ワークショップの目的とながれを簡単に説明しました。

イラストはUSANETのさのはるかさん。子ども達も大人と一緒にスライドを見ながらパパ&ママと話していました

「うちにもロボット掃除機ある!」「生協さん来るよ!」「僕も料理できる!」
ちょっと小難しい話もありましたが、わかりやすいイラストを入れたおかげで、子ども達も説明している途中から、色々とコメントしてくれました。

家族のチームワークを高める3つのポイントの一つ「We are あり方」の楽観性&創造性&柔軟性を育むのがワークショップの目的(というのをもう少し緩めに紹介)

2. 創作タイム!:わが家時間砂時計を創ろう!

前半は蕗さんファシリテーションのもと、「わが家時間砂時計」を作りました。

形も色合いも見ているだけで癒されます


各テーブルと部屋の片隅に材料を設置。材料はすべて蕗さんが手配&主催者へ郵送。セッティングは当日30分程度で終了
蕗さんの飾らない優しさが会場の空気を和やかにしてくれます

好きなボトルを選び、砂やラメを入れるのですが、子どもだけでなく、大人も真剣!大人になってから砂遊びなんてしないですものね〜。でも砂を触るだけで、落ちる砂を見ているだけで癒されます。砂の量やラメの量によって、それぞれの時間の長さや砂の色、落ちる様子が全然違うね〜、なんて言いながら笑顔がいっぱいでした。

わが家だけのオリジナル砂時計。「もうちょっと入れる?」「いいね!」と家族が自然にチームになります

できあがったら、みんなで一斉に砂時計をひっくり返して時間を計りました。短かったり、長かったり。「それぞれの時間」「私/わが家の時計」ができあがりました。

めちゃくちゃ良い!!!

3. #うちちょけワーク =わが家のおふざけ を探そう!

休憩の後は「#うちちょけ=わが家のおふざけ」を探すワークショプ。
まずは#うちちょけとは何かを説明。説明しなくても写真で分かるので、もう子ども達は大喜び!&大興奮!
「うちもやってる!」と声があがりました。

大人たちも「あるある」「やってた、やってた」とニコニコ。そうそう。「日常のおふざけ」って、子どもがいてもいなくても、みんな普段からすでにやっているんですよね。人にはあまり言わないかもしれないけれど。

日々のおふざけに名前をつけるだけで#うちちょけになる

蕗さんちの#うちちょけも動画で紹介してもらいました。お子さん&パパも動画に登場。さすがのクリエーター家族の#うちちょけに、みんな大笑い!

その後、蕗さんから、誰でもうちちょけを見つけ出すためのコツ「うちちょけフレームワーク」を伝授いただきました(ここは企業秘密です🤣)

教えてもらったコツを使いながらグループごとに付箋におもいついた#うちちょけを貼っていきました。

大人も子どももアイディアがどんどん出てきます。普段からやっていること以外にも面白いのがいっぱい!

4. #うちちょけ紹介&#うちちょけ集め

その後、グループごとに#うちちょけ紹介。

一日中パジャマですごす#オールパジャマ
数秒でかたづける#片付け忍者数秒の術
術だから寝かせてほしい#10時にんじゃ

子ども達のうちちょけのネーミングがとにかくおもしろい。

グループ共有の後は、ほかのグループをぐるぐる回って持って帰りたい#うちちょけを集める「#うちちょけ集め」

おもしろいのを見つけようと大人も子どもも真剣

集めた#うちちょけの中には「#お着替え選手権」のように見たらすぐにわかるものと、見ただけではわからないものがあり、全体で質問しあいました。

例えば
#洗濯機にお届け屋さん
「子どもに外から帰ってきたらまず靴下を脱いで宅急便やさんになって洗濯機に靴下をお届けしてーっていつも言ってるんです」とあるお母さんが説明してくれました。

#クリーンキングせんしゅけん
「うちにいるキング=男性はお父さんだけ。クリーンキングになれるのはお父さんだけ!だからお父さんがお掃除してくれると思って」という小学校4年生の娘さんが笑いながら教えてくれました。

大人も子どももアイディアがいっぱい!

他にも、
#おにぎりやさん:お互いに美味しいおにぎりを作って食べ合う
#コーヒーまめむらすよ時間:わが家砂時計を使って
など、ほっこりするアイディアもあり。

「洗濯機に入れて!って言うんじゃなくて、お届け屋さーんって呼ばれると言う方も肩の力が抜けますよね」(ママ)
「マッサージ屋さんにやってあげると妻と子どもに喜ばれるんです」(パパ)
「上の子が下の子のおむつをとってきてくれるだけじゃなくて、汚れたおむつも運んでくれる"おむつ運び屋さん"なんです!」(上の子照れる)
「寝たい時は忍者になって術を使うことにする」(小六)
「みんなができることで楽しく助け合えたらいいよね〜」
こんなふうに#うちちょけを共有しながら、それぞれが家族について考えました。

5. 最後にみんなへのメッセージ & ゆるゆる解散

最後にファシリテーターからみんなへのメッセージ。
林田からは子ども達へメッセージ。
みんなで家族のことを話すと楽しいね。でも時々みんなも、みんなの家族も大変なこともあるよね。みんなが大変になった時は「頑張んなさい!」と言われることもあるけれど、「大変だよ〜だれか助けて!」って言ってもいいんだよ。
みんなの周りにはみんなを助けてくれる「チームわたし」がいることを砂時計を見るときに思い出してね。

蕗さんからは、家族はアベンジャーズ。それぞれが違うからチームだし、だからいいと思う。砂時計、まだ材料もいっぱいあるから持ってかえってデコレーションしてね。おうちでも「わが家の時間」を楽しんで!

モリシーからはパパ目線のメッセージ。
家事や育児をあまりやらないと言われるパパたちだけど、やりたい気持ちもあるし、できないこともあったり、パパたちの大変さもすごくよく分かるし、分かってほしい。だからこそ家族がチームで色々話しながら助け合っていけたらいいなと思います。

ワークショップはこれでおしまいでしたが、そのあとはゆるゆる解散。
残りたい人は残って、もう少し家族について話したり、ちょっと相談したり、そっと悩み事を打ち明けたり、嬉しい近況報告をしたりしながら砂時計を手に帰っていきました。

参加者の感想:#うちちょけで家族の時間が豊かになる!

以下、参加してくださったみなさんからの感想です。

子どもたち(多分):
・図やイラストをつかって、とても分かりやすく説明してくれたので、楽しかったです。
・みんなが楽しく活動できるように工夫している人がいるんだなと思った。
・生活に、何か名前をつけることで楽しくなることが分かった。

大人たち:
家庭での楽しい過ごし方などは、学校でも教えてくれるワケでもなく・・・このように面白い方法やツールでいつもより日常が輝くんだなと目からウロコでした。テンポも良く、時間を忘れて楽しみました。
・子どもと楽しく砂時計作れました。♯うちちょけを、もっとたくさんみつけてみようと思えました。
・大変な家事育児を「おふざけ」「おちょけ」ながら老若男女かかわらず取り組めるのでいいワークショップだなと思いました。
・子供と一緒にたのしめてよかったです。
・砂時計づくり。いつも何気なくしていることを視点を変えるだけで楽しくなると感じました。
・楽しかった(うちちょけ)色々思い出した。
子供さんの発想のユーモアさにおどろきました。皆さんと一緒に1つのテーマで話し合いでき、とても楽しかったです。先生方の楽しいお話や感動したお話、また勉強になりました。
それぞれの家庭で、日々の生活を楽しくする工夫があって大変参考になりました。
・日々慌ただしい中にも、家庭内においての遊び心(余裕)みたいなものが改めて必要と感じました。
困ったときには人に頼っていいという言葉で、なかなかこんなことを言っていいのかな?や、こんなこともできないのか、と思われたくないと思いがちですが、これからは、できない時には助けてもらうようにしようと思います。
・昔のことを思い出しながら(成人した子どものこと)皆さんと一緒に話せたことが楽しかったです。
・色々なことを、みなさん楽しいことに変えて生活しているんだなと感心しました。いろんなアイディアが出て楽しかったです。
・とても楽しかったです。お子様にも分かるように話しされたり、知らない方とでも共有できる時間は癒されます。
・#うちちょけあつめ  もう子育てはひと段落しているので、子どもが小さい時に、こういうワークショップに出あえたら、もっと子育てに活かせたかもしれない。
・最初は、頭でっかちでしたが、子どもたちのこと(小さい時)を思い出すと、いっぱい次々に出てきて、楽しい&うれしいTimeでした。
自分の時間のための砂時計ってとてもすてきです。おうち時間がずっと楽しくなるワークショップでした。
・子育ては卒業したのですが、振り返ってみて「うちちょけ」の精神を知っていたら、もっと楽しくできたかも?と思いました。子どもたちが子育てする機会が〝 あれば" 伝えていこうと思います。ステキな砂時計ができて嬉しいです。
・砂時計づくりも楽しかったです。うちちょけ探しも楽しくおもしろかったです。
日常を楽しみながら過ごすことの大切さ、様々な人、こと、もの の力を借りることをチームで表現されていること。
日常生活の中で“うちちょけ”おふざけを取り入れる事で会話やコミュニケーションが、豊かになるように感じた。子育てが終わった今からでも生かせら、楽しい家庭生活になるのかな~。楽しいワークショップでした。
・孫を相手にするようになって、子育ての楽しさを感じています。大切な時間を楽しく愛おしく過ごさせる工夫をしたいと思いました。わが家も、おふざけ大好きです。
・大人も子どもも周りの人に助けてもらう。できなくてもよいから助けてと言う勇気。

参加者のアンケートより

帰りがけにある方が「チラシにジェンダー平等とあったので、男性がとか女性がとかという話かと思ったら、性別も年齢も関係なく助け合おうという話だったので、本当によかった。とても楽しかった。」と言ってくださいました。

「#うちちょけ を #うっちょけ に 変換した人も いた! ( 鹿児島弁で うっちょけ = ほっとけ・そのままにしておいていい と言う意味)」と教えてくださった方もいました。

みなさんの感想を読んで、このワークショップをたくさんの人と経験したいと感じました。ご興味がある方はぜひこちらからご連絡ください。

以下、ご参考まで今回のワークショップができるまでのストーリーです。

以下、家族とは?チームとは?家族の問い直しとこれからについて考えるnoteを集めています。
マガジン:チームわが家の問い直し&家族のあそび