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「コミュニティにフィットする、誰も排除しない経済圏」ビタミンの考える『いっしょに、にぎやかに』あるための、新しい消費とは?

スタートアップを中心に、マーケティングやエンジェル投資でサポートを行うチーム「ビタミン」が、デザイナーの石橋氏を迎えてミッションとビジュアルのリニューアルを行った。

「やさしい世界線へ、いっしょに、にぎやかに。」という新しいブランドメッセージはに至った経緯と、それを石橋氏はどう解釈したのか。また、ビタミンの目指す世界線はどのようなものなのかをA/B面の2本立てでお送りする。

B面にあたるこの記事では、ブランドメッセージの後半である「いっしょに、にぎやかに。」というキーワードに焦点を当てていく。

A面はこちら

(INTERVIEW & TEXT BY TELLING)

「何してるかわかんない人も結構おおいですね。強いていうなら、マインドのトンマナがあっている(笑)」

—『いっしょに、にぎやかに。』と言えば、ウェブサイトに掲載されている支援先を拝見しました。思ったよりも支援先企業って属性がバラバラですよね。

高松 そうですね、ゴリゴリのスタートアップ経営者もいますし、スタートアップモデルではない企業もいます。。

高梨 あと近い関係者でいうとミュージシャンとかもいる

石橋 でもそれって強くコミュニティを意識してデザインし直すきっかけになったと思います。世界観に共感して人が集まってくることを考えると、ただキャラクターとしてデフォルメするだけじゃだめだなと。いろんな人が共にある、という点に立ち返れました。

—あらためて見ると、新しいビジュアルにはいろんなキャラクターがいますよね

石橋 フルーツを中心に、野菜、動物、人間、色々なコミュニティが同時多発的に存在しているイメージです。キラキラしている果物だけを取り上げるのも、元気の象徴にはなりますが、ある意味排他的だなと。せっかく多様性のあるコミュニティなので、そこを伝えるのはマストでした。

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—リファラルで広がってきているコミュニティの割に、意外と統一感はないんですね

高松 一見、何してるかわかんない人も結構おおいですね。強いていうなら、マインドのトンマナがあっている(笑)

石橋 マインドのトンマナ(笑)どんな格好で何をしているかよりも、それぞれが自分らしくあることが軸にあれば問題ないし、やさしい世界は作れるんだという感覚は一致していました。

—ちょっとメインストリームから外れた人が多いのかなという印象を勝手に持っていました

高梨 でも、我々コミュニケーション強者ではなかったというか、メインストリームに適合して動くのが得意ではなかったので(笑)サブカルチャー的というか。その原体験はあったので、光があたってない人に注目する意識はあります。

高松 これまでは、わざわざ思想をオープンにするようなことはなかったんですよね。でも、石橋さんに話して深く汲み取ってくれて、理解者ができた気持ちになりました。思想を理解してくれる人と話すことで、より深く考えるきっかけもでき、また一つ新しい世界線が生まれたなと感じています。

—世界観という点で、話を聞いてこの形にするというのはどういう風にやっているんですか?

石橋 そもそも私の思いと一致する部分が多かったので話は早かったですね。アウトプットに関しては・・・今までずっと音楽のミュージックビデオなんかを見るのが好きで。どんな表現をすると、どんな気持ちになるのか、ということに敏感に生きていたというのはあります。

高梨 音楽の話したよね。ビリーアイリッシュの話とか。

—創作のルーツは音楽なんですね

高松 音楽って、聞いてきたアーティストの影響を色濃く受けそうだけど、自分の色を出したい!とか思わないの?

石橋 ないわけではないですが、自分本位になる意味はないのでそこはぶらさないですね。しっかり世界観が伝わることが重要だというとこは軸にあります。今回は思想がほぼ一致したので、それでも自分らしくやれましたけどね(笑)

「コミュニティの規模にフィットする、誰も排除しない経済圏」

—ちなみに、今後はどんな人たちに波が広がっていって欲しいと思っていますか?

高梨 思いに共感する人っていうのは、必ずしも事業を行う人ではないんですよね。ユーザーという形だったり、支援者という形であったり。我々も支援者ですし。このように、自ら事業を起こす以外の関わり方も選択肢として存在することが、ありたい世界線の一つだとと考えています。

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—応援したい人が参加しやすい形を目指しているんですね。具体的にはどのように?

高梨 共感した会社のプロダクトをモノとして消費したり、コトとして消費したりというのはもちろん、もっと深く関わる選択肢として「推し消費」というあり方を模索しています。

—推し消費、とは?

高梨 例えば、事業相談という形で関わったからたまたま出資という投資の選択肢がありますが、そのフェーズでかかわれる人ってごく一部で。消費の一貫で、その企業を「好きです、推してます!」という気持ちを伝えられる手段がないかと考えているところです。

高松 資本主義的な形だけでなく、コミュニティのサイズに適した形のあらたな経済圏というイメージです。

—消費と投資の中間で、より推しの意志をこめた消費ということですね。まさに『一緒に、にぎやかに』に繋りますね。

高松 悪意を持った人でない限り、誰も排除したくないんです。事業家の思いを形にしたいというのもあるし、支援したい人の思いも実現できるようにしたい。

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—推しという形を取るのは、ある意味でスタートアップらしくないのでは?と思う部分もありますが、その思いはなんでしょうか?

高松 きっとコミュニティのサイズにフィットするやり方はもっと多様性があるはず、という仮説の一つの解としての「推し」ですね。前提として、資本主義的な考え方にアンチなわけではないです。それを否定してしまうと、自分も含めそこに生きる人たちを否定することにもなりますしね。ただ、資本主義的な思考に囚われると、今度はGIVEしたい人を排除してしまう可能性もあるので、中間が必要かなと考えています。コミュニティの規模にフィットする、誰も排除しない経済圏、そこが私たちの今後のテーマです。

高梨 GIVEしたい人にGIVEするきっかけを作ることが、優しい世界を広げるという思想で、今後はやっていこうと考えています。

—排他的でないというのは、自分らしくある、ビタミンを語る上で象徴的な考え方ですね。では最後に、今後どのような「やさしい世界線」に乗っていきたいですか?

高梨 究極、我々のやっていることは「ライフワークとして、『推し』を推している」なんですよね。推す手段は金銭に限らずマーケティング支援だったりしていますが。そうやって動けている私たちは、利益以上に生活の潤いを感じられています。

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高松 「推しは光、推しに費やすお金や時間は光熱費」ですね、関さんの名言が響いてます(笑)

高梨 その関わり方が多くの人にひらかれた時、今私たちが推しから受け取っている日々の活力を受け取れる人が増えるわけです。なので、それを実現する仕組みを考え、まだ見ぬ推しとの出会いを控えた皆様に「推しのいるライフスタイルのご提案」をしていきたいですね。これからは、そんな世界線に乗るためのフェーズとして捉えています。

—ありがとうございました!

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この連載は2記事構成です。

前編「A Side」


ビタミン株式会社 公式ウェブサイト


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