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ツアーオブ九州 高校自転車ロード ステージレース

高校生による全国自転車ロードレース、ツアーオブ九州が、熊本、宮崎、大分で4日間に渡って行われました。ツールドフランスやアニメ「弱虫ペダル」のようなステージレースです。

今年はコロナの影響でジュニアの自転車ロード全日本選手権も中止になり、大会が少ない状況でありましたが、年も押し迫った11月末に、熊本地震、豪雨災害からの復興記念として、ツアーオブ九州という大会が行われました。このような素晴らしい大会を開催してくださった関係者の皆様に感謝です。

参加チームは、各地域ブロックの選抜、有力高校など、全国から17チームです。GENは所属高校のメンバーの一人として参加させていただきました。2年生5名1年生1名という構成です。夏のインターハイでも活躍した全国のトップ選手を相手に、2年生以下でどこまで戦えるかが楽しみです。

目標は、チーム総合優勝と、エースの個人総合優勝です。

ロードレースは個人競技に見えますが、実は団体競技に近いものがあります。サッカーでも、守る選手、司令塔、シュートを決める選手がいて、だいたい役割分担が決まっています。ロードレースも同じです。

今回のGENの担当は、エースが個人総合優勝を目指すためのアシストです。アシストの役割としては簡単に言うと、エースが走りやすいように風よけになったり、逃げておとりになったり、強力な選手をマークしたり、かなり体力を使います。この大会では主に、強力な選手複数名を徹底的にマークして逃がさないように、また追走に入らせないようにする仕事を担当します。


1日目 熊本県大津町 HSRサーキットコース 2.3km×40周 92km

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序盤から中盤にかけて、チームメイトが果敢なアタックを仕掛け、逃げる展開になりました。

そして終盤には、チームのエースを含む4名が飛び出し、あとは追走する選手がいればすぐにチェック、理想的な展開に持ち込みました。順調な滑り出しです。

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個人 6位

チーム 1位(チーム上位3名の合計タイム)

<熊本県自転車競技連盟youtube>


2日目

熊本県大津町 HSRサーキットコース チームタイムトライアル 2.3km×5周 11.5km 

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ロードのTTは初めてです。チーム総合優勝を狙うには大切なステージです。一列の隊列を組み、先頭交代しながら進んでいきます。序盤はおさえ気味で入り、後半一気にペースアップ。「あげろ、あげろ」という声が響き渡ります。そして人数を減らしながらフィニッシュ。チームの中で3番目にゴールラインを通過した選手のタイムが、チームのタイムになります。

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チーム 1位

(私のレース観戦はここまで)


3日目 宮崎県 西都市森林公園向陵の丘 1.6km 50周 80km

スタートから2、3周で集団が25名程度になるサバイバルレースになりました。1日目、2日目で力を出し尽くした選手は遅れていきます。その中でも、チームメイトは果敢にアタックを繰り返し、常に前方に位置取り、レースをコントロールしました。​

個人 3位

チーム 1位



4日目 大分県日田市 オートポリスレーシングコース 4.67km×18周 84km

レースは雨。序盤からアタックが繰り返され、昨日と同様に集団は一気に25名ほどに絞られました。

後半、チームエースを含む3名が飛び出しました。各代表3名のエースによる対決です。GENはそれを追いかける7名の追走グループに入りました。

判断が難しいところでもあります。エースはそのまま集団ゴールすれば個人総合を獲得できます。追走集団で協力すれば先頭に追いつき、10名の先頭集団にしてから自分もステージ優勝を狙うこともできます。それでも安全を優先して勝負をエースに託し、集団をおさえることを選択しました。

追走グループでは各チームのエースは焦りを感じています。一方で先頭グループにエースを送り込んでいるチームは積極的に前を追いかけようとはしません。そのため追走集団のペースは下り、先頭3名との差はあっという間に1分40秒まで開きました。

終盤、雨で低体温症のリスクを避けるため周回数が20周から18周に変更、残り4周となりました。チームの総合優勝、エースの個人総合優勝はほぼ見えてきました。あとは自分の個人総合順位を上げていかなければなりません。

最終日の最終盤、ついに自分のためのレース開始です。ローテーションに加わり、追走集団は猛烈なペースアップをはじめました。先頭との差は一気に縮まります。アナウンスにも力が入ってきました。できれば追走集団全員で先頭に追いつくことは避けたいところです。

ラスト1周。先頭との差は39秒。集団を振るい落としながらラストスパート。逃げる3名は一瞬牽制状態に入りますが、追走の勢いを感じ取り再びペースアップ。

ラスト500メートル。追走は2名。GENは後ろを振り向くことなく、最後の力を振り

フィニッシュ

15秒届かず。

それでもアシストとしていい仕事をしました。

個人 4位

チーム 1位



4日間総合

チーム総合 優勝

エース個人総合 優勝

GEN 個人総合 2位  ポイント賞 2位




各ステージ、リザルト1枚ではとても言い表せない様々な熱いドラマがありました。エースはプレッシャーをはねのけ絶対的に信頼のおける強い存在でした。それを支えるアシスト達も最高にいい仕事をしました。チームメイト6人全員、自分の役割を存分に果たし、チーム総合と個人総合を手に入れました。

選手の活躍の陰には、先生方の強力なサポートがあります。普通、スポーツの強豪校といえば、入部はしたものの厳しい練習についていけず退部者も多いと聞きます。しかしこのチームは創部6年目、今まで入部した選手の中から一人も脱落した選手がいません。これは先生方が生徒一人一人に親身に寄り添った指導の結果です。しかも監督は、自転車競技の経験がありません。にもかかわらず、ここまでのチームに育て上げるには相当な努力と情熱があるからこそできることだと思います。素晴らしい先生と仲間に恵まれ、この高校自転車競技部の一員になれたことは本当によかったです。


また各代表チームはそれぞれの特徴を生かし、ステージ優勝を果たしました。今回たまたまトラブルで活躍できなかった選手もいると思います。全国にはまだまだ素晴らしい選手たちが大勢います。高校生が一丸となって切磋琢磨し、国内だけではなく世界と互角に戦えるようになってもらいたいです。そして来年のジュニア世界大会では今回出場した選手の中から、上位に食い込んむ選手が出てきて欲しいものです。





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