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クール&ウェットな距離感

メーカーの営業課長、コースケです。

2023年ギリギリ最後の投稿は、仕事における「相手との距離感」の話です。


入社2年目のFくんとの1on 1で、こんな質問がありました。

「先輩のSさんはサクサクと仕事を進め、残業している姿をほとんど見たことがありません」

「一方でSさんと同年代のUさんは、コツコツ仕事を進めてたまに残業していることもあります」

「SさんもUさんも尊敬する先輩ですが、2人の仕事の進め方の違いは何ですか?」

2人の仕事の進め方の違い

SさんもUさんも頼れる中堅で、仕事でも充分な結果を出しています。残業時間に差は確かにありますが、Uさんも特別に残業が多い訳ではありません。

確かに2人の仕事の進め方は違うのですが、単純に効率が良い・悪いという話でもないのです

あらためて2人の仕事の進め方や普段の行動を振り返って、私が出した答えはこちらでした。

「仕事相手との距離感の取り方が違うと思うよ」

相手との距離感

仕事には必ず、「相手」がいます。

取引先を始めとした社外の関係者はもちろんですが、一緒に協力して仕事を進める社内の関係者も「相手」です。

たとえば不具合対応でも、ご迷惑をお掛けしているエンドユーザー、間に立って頂いている取引先、一緒に解決策を探る品質部門や製造部門など社内の関係者などがいます。

これらの関係する一人一人との距離感をどう取るか。この距離感の取り方次第で、仕事の「質」と「時間」が変わってきます。

距離感は仕事の「質」「時間」に関係する

例えば不具合対応では、ご迷惑をかけているエンドユーザーや取引先とどれくらいの距離感を取るかで、問題解決の「方法」も「スピード」も変わってきます。(エンドユーザーとの距離を積めるのはホントにしんどいですし、そうそう簡単なことでは無いですが…)

一般的には、相手との距離を詰めれば多くの情報を得ることができ、解決のスピードを早めることができます。


ただ、距離を詰めすぎると情報過多になったり、不要な依頼されてしまい時間がかかりすぎることもあります。

また、社内の関係者との距離感も、仲良くなりすぎるとお互い言いたいことが言えない関係になってしまい、正しい判断ができなくなることもあります。

一概に距離を詰めれば良いという訳では無いのですね。


「クール」な関係・「ウェット」な関係

ここで距離感の取り方の違いを整理します。

サクサク仕事をこなすSさんは、ある程度相手との距離を取りながら定量データやルールに基づいて仕事を進めます

ある意味「クール」に仕事を進めるタイプです。

一方で、Uさんは一人一人と距離を詰めて、相手の気持ちを推しはかりながら仕事を進めます

「ウェット」な関係を築きながら仕事を進めます。


さて、ここで気になるのは仕事をクールに進めるのが良いかウェットに進めるのが良いかですね。

皆さんはクールとウェットのどちらを優先しますか?

私の答えは、「両方必要」です。(両方正解はズルいですね。年末なので許してください。笑)


距離の詰め方

クールもウェットも両方必要と言いましたが、まずはクールに定量的な指標に基づいて判断していくべきだと思います。

守るべき数字やルールに基づき、相手との関係がどの段階にあるのかを冷静に判断します


でも、何でもかんでも定量的な数字やルールからドラスティックに判断していると、うまくいかないこともありますよね

数字には現れない相手の本音に気づくことができるかどうかで、結果が変わります。

私自身も営業という仕事柄、数字だけでは見えてこない相手の本音を引き出そうと日々企んでいます。(笑)


距離感を詰めるために必要なスキル

では、どうやって相手との距離感を詰めるか。

詰め方はやはり、「傾聴」ですね。


相手との距離感を詰めるために必要なことは、「相手を知る」「共通点を見つける」ことです。

よくある距離感を詰める手法として、出身や趣味の話をすると言われていますが別に出身や趣味の話をしなくても良いのです。


もっと大事なのは、「共通の悩みごと」を見つけることです。

特に、「ビジネスにおける共通の課題」を見つけることは非常に重要です。

時には無理矢理にでも共通の課題を見出し、「一緒に乗り越えていく空気感を作る」ことが最重要ポイントです。


例を挙げると、今年はコスト増による値上げ交渉が必要でしたが、コスト増自体を相手の事業にとっても重要な課題と認識してもらえるかで成否が分かれました

商品提案でも、たとえば身近な生活感から「最近は光熱費がどんどん上がってますよね」といった話題から入ることで、相手の聞くハードルが下がりました


ということで今年最後の投稿は、クール&ウェットな距離感についてでした。

まとめると、クールに数字を分析しながら、ウェットに相手の置かれてる環境や心理を丁寧に聞き出すことですね。

そのために、なんだかんだ言ってもやっぱり「傾聴」です。相手の話を聞けていない時は、距離感が詰まらないのですね。

2024年も相手との最適な距離感を探っていこうと思います。


ありがとうございました。

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