「実行力」ある組織
昨今、経営の競争力の根幹は「戦略」から「実行力」へ変化していると言われています。
デジタル化、グローバル化が進展し、実行のスピードが速くダイナミックな組織が市場を席巻してしまう、ということです。(「令和の現場力」遠藤功、山本孝昭 著より引用)
この「実行力」の主役となるのは、多くの皆さんが所属している課やグループ単位の「現場の組織」なのです。
いくら経営層が立派な「戦略」をトップダウンで落としても、現場の個々の組織が「腹落ち」し実行しないことには、何の「成果」も生まれません。
また、そもそも100%完璧な戦略など無く、顧客の置かれる環境や市場の変化に「柔軟に対応」し、求める成果に近づけて行くことが大事なのです。
この【腹落ち】と【柔軟性】こそが、「実行力」の根源なのです。
リーダーがやるべきこと
私は、メーカーのマーケティング課長です。
コロナ禍以降、サプライチェーンの乱れや調達コストの高騰など、難しい事業環境に置かれているメーカーも多いと思います。
私の担当する商品も例に漏れず、サプライチェーンの回復や価格交渉などのに取り組み、利益を出すことが求められています。
社内の会議では、「戦略の確からしさ」と成果として「どれだけ利益を出せるか」が議論されます。
もちろん、そのプロセスも必要ですが、そればかりに時間や労力をかける必要はありません。
リーダーがやるべきことは、実行部隊のやる気を引き出すことです。つまり、「目標の腹落ち」と「環境変化への柔軟性」をつくることに力を割かなくてはいけません。
「腹落ち」「柔軟性」のために
では、どのようにして「腹落ち」と「柔軟性」をつくればよいでしょうか。
答えはシンプルです。
一般的なマネジメント手法である【PDCA】をちゃんと回すことに尽きます。
「なんだ、結局PDCAか!」と思われるかもしれませんが、はいその通りです。PDCAなのです。
ただし、その中でもPlan(計画)とAction(改善・対策)が非常に重要なのです。
Planにおいて重要なこと
まずPlanにおいて重要なことは、「目標は双方向に同意すること」です。
仕事でもプライベートでも、人に決められた目標はなんだか自分ゴト化されませんよね。特に仕事は、そもそも自分ゴト化することが難しいものです。
まずは、取り組むプロジェクトやタスクが「達成できた先の未来(=目的)」をお互いに共有する必要があります。
そして、Planにおける最重要ポイントは「目標(いつ・何を・どうしたい)は実行する本人が決める」ということです。
課長やリーダーは数値目標や期限を部下に指示しがちですが、これをやってしまうと詰めが甘くなります。
しっかりお互いの考えや思いを出し合った上で、最終的には本人に「いつ・何を・どうしたい(数値目標と期限)」を決めてもらうことで、やる気や実行スピードが断然変わってきます。
Actionにおいて重要なこと
Actionにおいて重要なことは、「マーケティング視点を組織の文化に定着させる」ことです。
マーケティング視点というと少し大袈裟かもしれませんが、3C(顧客・競合・自社)や4P(商品・チャネル・価格・販促)のことです。
実行段階ではうまく行かないことや、行き詰まりが必ずあります。
3C視点でチャンス・リスクを整理し、4P視点から二の矢・三の矢を矢継ぎ早に準備していくことで柔軟な対応ができるようになります。
「組織の文化に」と書きましたが、「それくらいの思いでやらないと真の実行力はつかないな」というのが、8年ほど課長をやってきた中での感想です。
そういう意味では、実行力には「腹落ち」と「柔軟性」と書きましたが、最後にもう1点。リーダーの「熱い思い」も必要かなのも知れませんね。(笑)
ありがとうございました。
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