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採用難時代を勝ち抜く!2024年最新の採用術セミナーレポート

こんにちは、TEAM FORWORDの竹田です。

1月23日に、静岡市で「採用難時代を勝ち抜く!3ヶ月で体得する最新採用術」というテーマでセミナー登壇をさせていただきました。

大企業でも優秀な人材を獲得するのが難しいと言われるなか、中小企業は一体どんな取り組みをしたらいいのでしょうか?

そもそも、最近の転職希望者が何を考えているか、知っていますか?
2024年の採用市場は、どんな状況なのでしょうか?

このnoteでは、中小企業こそ知ってほしい「採用市場のリアルな最前線」についてお話した講座の内容を、もっと多くの方に知ってほしいと思い、コンテンツクリエイターのてるさんに取材レポートをしていただきます。

今まさに採用に困っている方や、今後採用するかもしれない方が、いざという時に困らないように。

採用活動に取り組む際の、道しるべとなってくれたら嬉しいです。

では、てるさん、よろしくお願いします!


取材・編集担当てる
はい!はじめまして。
コンテンツクリエイター、てると申します。
ここから先は、セミナーの取材レポートとなります。

当時のライブ感をそのままお伝えできるよう、竹田さんとファシリテーターの山﨑さんによる、おふたりの対談形式になっております。
講座の参加者になった気持ちで読んでいただけたらと思います。

では、採用セミナースタートです!

清水商工会議所のセミナー会場で開催されました


はじめに〜自己紹介〜

竹田
チームフォワードの代表をしております、竹田敬介と申します。
採用のプランニング、ディレクションから、受け入れ後の組織改善までをサポートしています。
2022年に株式会社チームフォワードを立ち上げました。
それ以前は、大手人材会社で静岡県の企業の採用のお悩みを聞いたり、UIターン特化型の人材紹介会社で、転職希望者の相談にのってきました。

静岡で採用したい企業さんと、転職したい人の、それぞれの話をいっぱい聞いてきた人だと思ってください。
今日はよろしくお願いします。

登壇中の竹田さん

では、本日ファシリテーターをしてくれる山﨑(ザキ)さん、自己紹介をお願いします。

ザキさん
はい。静岡マーケティングサロンというオンラインコミュニティを運営しております、山﨑啓輔と申します。
SBSグループのトムスというマーケティング会社で6年間勤めたあと、2022年に独立いたしました。

わたしはマーケティングを専門用語を使わずに、やさしい言葉で伝えることを得意としていますので、今日は、竹田さんのお話を、よりみなさんにわかるようにお手伝いしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします!


本日のゴール

竹田
本日のゴールは、こちらです。

「中小企業の採用に必要な視点をお持ち帰りいただく」

セミナーの1時間で採用課題をすべて解決できたらいいのですが、採用は奥が深く、そう簡単には解決できません。
なので「どういう観点で見ていくと、採用がよくなるのか」をお持ち帰りいただくことを目指していきます。


採用マーケティングとは


【採用活動の全体像】

採用活動の戦略の領域についてお話します

竹田
採用力を分解すると、
戦略の領域とコミュニケーションの領域の2つにスキルが分かれます。
今回は、
「自社の強みや課題を知り、採用基準をどこに設定するのか」
「応募を獲得していくために、誰に何をどう伝えていくのか」

という戦略のお話です。
今回『採用マーケティング』とタイトルに入れたのは「誰に何をどう伝えていくか」の部分が、非常にマーケティングと相性がいいからです。

採用プロセスを応募前と応募後でわけた場合に

①応募前:採用戦略を立て、求人情報を出して応募を獲得する
②応募後:応募者への選考/動機づけを行い、採用に導く

①がマーケティングと相性がよく、戦略的にやっていくことが大切になります。
一方、②の選考プロセス以降は、コミュニケーションの領域。ビジネススキルでいえば、営業に近いものがあります。

優秀な営業さんは自分を信頼してもらい、相手の課題やニーズを把握したうえで、他社ではなく自社を選んで買ってもらうということをするわけなんですが、②でやっていることは、採用に置き換えても実は一緒なんですね。

ザキさん
トップセールスが人事をやるという話はよく聞きますからね!

竹田
おっしゃる通りです。
よく、営業職出身の経営者さん、採用担当者さんが「ここまで連れてきてくれれば採用出来る自信あるんだけどなぁ」なんてぼやいたりされるんですが、実はこれ、結構本質を突いていたりします。


3C分析とは

竹田
さて、今日は、この3つのテーマでお話していきます。
マーケティングに「3C分析」という言葉があり、聞いたことがある方もいらっしゃると思うんですが、3C分析について、山﨑さん、解説していただけますか。

ザキさん
マーケティングって、難しく考えてしまうと本当に複雑になるので、シンプルに考えてみましょう。
僕が中学校や高校でマーケティングの授業をする際にお伝えしているのは、
「自分たちが選んでもらうための工夫が、マーケティング」
ということです。

自分たちを選んで買ってもらうことや、応募してもらうことがマーケティングになるので、選ばれるためには、まず自分たちのことを理解しなくちゃいけません。

そして、お客さんを理解すること。
今回は採用がテーマなので、お客さんである求職者のことを理解する必要がありますよね。
ただ、この2つだけでも駄目で、競合他社が今どんなことに取り組んでいて、何が強みなのか。それらを整理するためのフレームが、この3C分析です。
この3つを覚えなくてもいいので、自分たちが選ばれるために、求職者と他社が何をしているのかを意識してみてください。

竹田
3C分析でいう顧客の部分が転職希望者に変わるだけで、考え方は一緒です。
今日は、この3つのどの部分を話してるのかを、頭に置きながら聞いていただければと思います。


地方×中小企業を取り巻く採用市場の構造変化

少子化は既に直接的な採用課題

竹田
では、本題に入っていきましょう!
まず『少子化は既に直接的な採用課題』というお話ですが、こちらのグラフをご覧ください。

1クラスがなくなるって・・・

24〜28歳という、中途採用でターゲットになりやすい年代を分子にして、分母を44〜48歳の、20年前に20代だった人たちで計算した場合、74.6%になります。
この20年間で、20代中盤の4人に1人が減っているということなんです。

40代の方が中学校のときに4クラスあったのが、今の20代では3クラスになっていると考えると、すごい変化ですよね。
それだけ採用活動にも大きな影響を及ぼしています。
もし奇跡的な何かが起こって、出生率がドーンと上がったとしても、労働市場に出るのは20年後ですので、向こう20年間は厳しくなり続けるだろうと予想されます。

ザキさん
むこう20年も!
一体どうしたらいいんでしょうか?

竹田
やはり戦略を立てていかないと、どんどん厳しくなる一方になっていきます。
清水の企業で今まで採用ができたところでも、年々応募数が減ってきている、あるいは、応募はあっても採りたい人がいなくなっちゃったとか、確実に影響は出てきています。
ですから、みなさんにお伝えしたいのは
「この事実を見て見ぬふりをしていると、どこかで限界がくる」
ということなんです。

何の限界かというと2つあって、1つは採用コストの限界。
例えば、以前は求人広告を1回出せば1人採れたのが、2回出して1人、3回出して1人と、どんどん採れなくなっていったときに、コストを掛けられる限界が来てしまいます。

もう1つは、何をしても採用できないという限界。
採用手法で一番費用がかかるものだと、転職エージェントが採用時に年収の30〜35%というのが一般的ですが、それだけコストをかけても採用できないという状態になってしまいます。

既に業界によっては「何をしても採用できないから事業を縮小している」という話も、実際に私の耳に入ってきています。
そうなる前に手を打っていきたいところ。戦略というと大きな話に聞こえてしまいますが、まず最初は現状を把握する、事実をしっかり押さえましょう。
最初はこんなシートを作っていただくだけでもいいんです。

【求人広告検証シート】

シートで現状を把握しましょう

「2024年の1月に、求人広告Aに35万円の費用で求人広告を出しました。こんなコンセプトで出稿し、応募数12のうち内定2名で1名採用できた」と、事実をきちんと押さえておくことです。

ザキさん
これはいいですね!やったことを書くだけですから、簡単にできます。

竹田
はい。10分ぐらいでできる作業ですが、やってない会社さんが多いんです。私のお客様でも、過去の採用活動履歴を聞いていくと「あれ?あの人どうやって採用したんだっけな?」「2年くらい前に求人出したけど、あの時は応募があったんだっけ?」こんなことがよくあります。これだと、せっかく検証できるチャンスがあったのに、毎回ゼロからのスタートになってしまいます。何をやってどういう結果だったかと、しっかり残すだけでも全然違いますので、ぜひここから始めていただくといいと思います。

※参考noteでもっと詳しく


世の中全体の労働環境改善


働き方の現状をデータでアップデート

竹田
こちらは、令和4年の厚労省によるデータです。
労働者1人当たりの年間休日115日、月間の時間外労働が13.8時間とあるんですが、みなさん、いかがですか。山﨑さん、この数字を見て、どんな印象をもたれましたか。

ザキさん
時間外労働が少ないですね。

竹田
そうですよね。

ザキさん
休日も多いなと!

竹田
はい。一昔前は年間休日120日というと超優良企業のイメージだったんですが、今だと「まあまあ休みが多い会社」ぐらいの評価に変わってきているんです。
時間外労働も、40〜50時間だとかなり多いと言われますね。

私が転職希望者の話を聞いてる限りだと、目安が20時間以内です。1日1時間ぐらいなら、まあいいかなという人が多い印象です。 

ザキさん
なるほど。
そこに企業とのギャップがあるかもしれないと。

竹田
まさにそのギャップこそが、この数字を見ていただいた理由です。
中小企業の場合、つねに採用活動をしているわけではないので、久しぶりに採用をしてみたら「全然人が来ない。何でだろう?」となることがよくあるんですね。

転職したい人が最初に見るのは、お給料とお休みと残業時間、主にはこの3つです。
今は求人情報が多すぎて、転職希望者もとても全部は見切れません。
そこで、これらの数字を見て応募企業のスクリーニングをしていくので、希望に満たない場合、求人票の内容をいくら工夫しても、そもそも読んでもらえない確率が高くなります。

自社が打ち出す数値が、今の転職希望者にとってどう見えるのか。3つのどこが強みとなるのか、課題となるのか。
まずは現実を把握してもらいたくて、ご覧いただきました。
厳密には、エリアや業種による差も大きいものですので、自社に戻ったら、同業他社の募集年収・休日・残業時間をExcelで並べてみると、意外といろんなことが見えますよ。


SNS・クチコミサイトの転職活動への影響

竹田
大手人材会社が出している、「転職活動の際に利用したサービス」という調査では、多いのは、ハローワークが25.2%、人材紹介会社が23.7%と続きます。求人広告も多いですね。この辺がメインストリームになっている中で、SNSが9.9%もあるんです。20~40代では10%を超えていますよね。

ザキさん
転職活動でも、SNSの影響が大きくなっているんですね。

竹田
はい。でも、求人広告や人材紹介会社をやめてSNSに移行するのがいいかというと、そういうことでもありません。
人材紹介会社や求人広告は、直接応募を獲得してくる力が強いんですが、SNSをそのレベルで機能させるにはかなりの時間と工夫が必要になります。
私がオススメするSNS活用法は、「迷ったときに背中を押す」機能として活用することです。

転職希望者がSNSを見るタイミングは、主に2回あります。
1回目は、応募企業を選ぶ時。求人票では見えづらい、社風や先輩社員の人柄などを見て判断したい。
2回目は、内定をもらったあとに承諾するかどうかのタイミングです。
やはり人生が懸かってることですので、その企業のリアルを知りたいと、最後はSNSで入念にチェックをする人、多いです。

最近私が聞いたケースだと、社長がX(旧ツイッター)をやってる会社では、結構見られてるって聞きますね。つぶやきをずっと追っていくと、人柄や価値観が見えてくるので「社長のXを見てこの会社に入ろうと決めました」という話もあります。

ザキさん
人事の方がSNSをやっている会社もありますしね。

竹田
そうですね。
SNSは継続が大変ではありますけれど、求職者にとっての貴重な情報源にもなっているわけです。
そして生の声というところで、次にご覧頂きたいのが主要求人サイトの訪問者数ランキングです。

1位は皆さんご存知のインディード。4位のオープンワークはクチコミサイトで一番大きなサイトですが、マイナビやリクナビ、ハローワークよりも月間来訪者数が多いというデータが出ているんです。

ザキさん
驚きですね!

竹田
今は旅行や外食も、何かにつけてクチコミを見ると思いますが、転職も近い行動パターンを取るようになっています。

ザキさん
飲食店を選ぶのと同じ感覚なんですね。

竹田
はい。若い世代は、検索してから購入するのが当たり前の世界で育っていますからね。


ガラス張りの職場とは?

竹田
ここまで、企業の年間休日が増えたり、残業時間が減って労働環境が良くなったというお話をしました。そしてSNSやクチコミサイトを通して、働くひとの生の声が聞けるようになってきました。
これって、職場がガラス張りになったってことなんですよね。

ザキさん
こわいですね・・・

竹田
少し前にブラック企業という言葉が流行りましたが、ブラック企業って大きく①労働条件②ハラスメントのどちらかのことを言っているケースが多かったと思います。
労働条件は、先ほど申し上げたように、採用競争の中で世の中全体が改善されてきましたし、「パワハラ」というキーワードで私が相談を受けるのは、パワハラする上司がいる、より、上司がパワハラを恐れて正しい指導が出来ない、のほうが多いです。

なので、いわゆるブラック企業というのは減ってきているんじゃないかと。転職希望者のほうも「もう、こんな会社いられません!」という人はかなり少なくなった印象です。
最近は、なぜ転職したいかを聞くと「会社が嫌いなわけではないんですけど…」「あと1~2年なら頑張れるけど、定年まで働くのはちょっと…」こんなトーンだったりします。

ザキさん
リアルですねえー!

竹田
私は『求職者から転職希望者の時代へ』とよく言うんですが、職を求めている人達ではないということなんです。転職によって叶えたいことがあり、それが出来る会社を探している。無いなら今の会社に残る。
覚悟を決めて転職活動する、というより、転職の選択肢は常に頭にあって、活動しながら行きたい会社を見つけた時に覚悟を決める、そんな感じなんじゃないかと思います。

要は、転職する目的が明確なんです。
お給料を上げたい。お休みが欲しい。スキルを付けたい…
そうすると、自分が希望する転職先を見つけるのも簡単ではないので、活動も長期化しています。見つかるまでは、半年でも1年でも続けるというふうに変わってきました。

【採用プチテクニック❶】
内定を出したけれども、いまいち本人が踏ん切りがつかないケースや、優秀なんだけど、違うポジションだったら考えたいのにな〜という場合にその場でバッサリ合否を出すのではなく、『人材をプールする』という考え方で「少し先でも良いので、また状況が変わったらお話しましょう」とか「今このポジションは採用してないけど、今後出てきたら連絡しますね」など、ゆるく繋がっておく。ゼロからまた採用したい人を見つける苦労を考えれば、こういうこともやっておくと良いです。


キャリア自律の浸透


竹田
パーソル総研による統計では、20〜30代の若い世代ほどキャリア自律心理が高い結果となっています。今の20代30代ぐらいの人は、会社が一生自分を守ってくれるとは思っていないんです。

「キャリアは自分で作るもの」というマインドを持っていて、副業をしたり資格を取ったり、具体的に行動してる人も増えている。
これって一見ポジティブっぽいですが、実際の転職者の声を聞いてると、ポジティブというより、むしろ危機感や焦りという感覚のほうが近いように感じます。

「このままでは世の中から自分が置いていかれるんじゃないか」
「転職して、スキルを身につけないとダメなんじゃないか」

ハッキリと言葉にしなくても、こんな思いを抱えている人が多いのではないでしょうか。
資料では、キャリア自律を「ずっと学び続けなければならない」「仕事を通じて成長し続ける」と捉えている若者が多いと出ています。
これらを踏まえて発信していくと、今の若者は興味を持ってくれやすいですね。


5年後、わたしは何者になれますか?

竹田
さて。
この問いに答えられると採用が強くなる、という言葉があります。
みなさんにお考えいただきたいんですけども、こちらです。

ザキさん
これは響きますねえー!

竹田
まあ直接は言わないとしても、心のどこかでこう考えながら転職活動している方が多いです。
キャリアビジョンを持って、中長期的に考えている方ほどそうですね。
例えば、こんな声があります。

「転職したとき、一時的に年収が下がるのはいいです。未経験の世界に行くんで、しょうがないと思いますけど、5年間成果を出したら、どれぐらい上がるんですか?」

「今の会社で営業やってきて、また次も同じ営業で、確かに経験は活かせるけど、その先にはどういうスキルが身につくんですか?」

ザキさん
……5年後も会社が守ってくれるとは限らないから、転職したいというより「何かあったときに生きていける力を身につけたい」ということですか。

竹田
そうです。なので、この問いへの答えを持つ企業であれば、今後の採用は強くなります。なかなか難しいことですが、この意識変化もここ数年での大きなトピックなので、ご紹介させて頂きました。企業として、何かしらメッセージが出せると良いですよね。


オーディション型からスカウト型へ

竹田
今、採用が従来のオーディション型からスカウト型に変わってきています。
母集団を集めて、そこから書類選考、一次面接、二次面接と応募者を絞り込んでいくのがオーディション型、それに対して、ターゲットを決めて企業からアプローチしていくのがスカウト型採用です。

かつては企業側が優位だったので、オーディション型が成立していました。ただ、ちょっと見てください。
2023年11月に転職情報サイトdodaが出した求人倍率は、2.76倍。
よく「中途採用は売り手市場だ」と言いますが、この場合の売り手は転職希望者、売るのは労働力です。でも、今や転職希望者に労働力の売り先を探している意識はなく、自分の希望を叶える為に転職活動をしている。

言葉遊びのようですが、これからは企業が売り手だというマインドチェンジが必要だと感じています。何を売るかというと「個々人の転職理由を叶える、自社の魅力」これだと思います。ダイレクトリクルーティングなど、企業からスカウトをかけるプッシュ型のアプローチによる採用も増えていますね。ただ、意識としてはいまだにオーディション型思考のままで採用活動されてる方もいらっしゃいます。

例えば応募者からのメールが、3〜4日も放置されているケース、時々あります。
山崎さん、普段仕事してて、お客さんからのメールを3日間放置しますか?

ザキさん
こわくて出来ないですね・・・

竹田
でも、それが応募者に対してだと、できてしまうんです。
オーディション型の思考を持っていると。

ザキさん
そういうところも、応募者に見られているわけですね!

竹田
はい。“選ぶ側”という意識が細かなところに出てしまいがちなので、マインドからシフトチェンジしていきましょう。スカウト型採用における採用スキルは“口説く”です。もちろん、最終的な合否は採用基準に則って出す訳ですが、ラブレターを出したときに受け取ってもらえるコミュニケーションを取りたいですね。

前半のまとめ


1. ツールありきの採用活動だけでは、成果はだんだん右肩下がりに
 →戦略ありきで仮説検証をぐるぐる回そう

2. 職を求めてる人じゃなく、転職希望者だと心得る
 →自社がどんな転職希望を叶えられるか、求人票をチェック

3. 会社に入って5年後に、何を得られるか?
 →この問いに明確な回答を持つことが、若年層を引きつける成功のカギ

4. 採用はオーディション型からスカウト型に変化
 →「選ぶ」から「口説く」への、マインドチェンジを


オンリーワン採用に必要なのはマーケティング思考


中小企業の人材採用に必要な思考

竹田
スカウト型の採用では、特定の誰かに向けてのアプローチが必要になってきます。
誰から見ても、何となく良い企業に見える求人を出していませんか?

✅未経験者歓迎です。
✅優しい先輩が育ててくれます。
✅風通しの良い職場です。

ザキさん
ありがちですよね〜!

竹田
はい。でも転職希望者の人たちがこういう求人を見ると「どの企業も一緒に見える」と感じてしまいます。
あとは「自分に向いているのかよくわからない」とか「どうせいいことしか書いてないんでしょう」といった辛辣な意見もあります。

私の感覚では、求人票には魅力と厳しいことはセットで書いたほうが応募者のマッチ度は上がります。
社会人経験がある人なら、働いていれば何かしら大変なことがあることくらい分かっていて、それを隠すほうが不自然なんですよね。

「ここだけは覚悟してください」を書いてあげたほうが、見る側も判断がしやすい。書き方の工夫はありますが、そこを乗り越えらえそうだと思えば、一気に気持ちは前を向く訳です。
「誰から見てもなんとなくいい会社っぽい」ではなく「特定の採用ターゲットから見た時に“まさにこの会社”と分かる」が理想の求人票ですね。

採用ターゲットの考え方

竹田
マーケティング思考についてWEBで調べてみたら、
「マーケティング思考とは顧客視点に立ち、顧客に価値を届けられる施策を考えること」
と書いてありました。
採用も全く同じなんですね。顧客が採用ターゲットに変わるだけで、叶えたい未来がイメージできる情報を伝えるということです。

ただ、言葉にすると簡単な、この採用ターゲットの目線に立つということが、すごく難しいんですよ。

ザキさん
一般的なマーケティングでも、顧客目線に立つのは難しいです。。

竹田
そこで、こちらの図です。
「応募可能性がある人」と「採用したい人」が重なる部分が、採用ターゲットです。
これ、拍子抜けするほどシンプルな図に思えるのですが、うまく設定できていないケース、結構多いです。

採用ターゲットが上手く設定できないのには、3つのパターンがあります。

1. 応募可能性がある人(黄)に偏ってしまう

採用が厳しくて、なかなか応募が来ないからとむやみに対象者を広げてしまうパターンです。未経験もOK、若手も中堅もOK、あんな人もこんな人もOKにしようってすると、結局誰でも良い求人に見えてしまうんですね。
何度もお伝えしているように、目的をもって転職活動しているので、誰でもいいような求人に応募するかというと、しないですよね。ここはぐっとこらえて、応募が来ない理由から考えましょう!

2. 採用したい人(青)に偏ってしまう

採用部門と受け入れ部署が異なる場合によくあります。
受け入れ部署がいう欲しい人材が、採用部門からすると「そんな人、採れるわけない!」と。
ただ、社内的にできませんとは言えないから、ずるずると採れない採用活動を続けざるを得ない…
こういう時に、私が呼ばれることが多いんですが(笑)
外部の人を呼ぶというのも、1つの手かもしれないですね。

3. 採用ターゲットがそもそも言語化されてない

実は結構多いのが、採用ターゲットが言語化されていないことです。
採用ターゲットを決めるときに、どういう人だったら採用しますかと聞くと「20代で素直な人なら全然採るよ〜」といいながら、いざ応募がくると書類選考で不採用ばかりのケース。「この経歴だと難しい」とか「家が遠いから通えないんじゃないか」とか、最初になかった不採用理由がいっぱい出てくる。
採用ターゲットを考えた経験が少ないと、具体的に思い浮かばないんですね。
採用部門としては、採用条件を全部箇条書きにして、面接官と共有することをおすすめします。
「転職回数が2回のひとはOK?」「通勤は何十分以内?」など、質問を具体的にしてみるといいですね。
もちろん、人は百人いれば百通り、完璧はありませんので、採用条件シートも選考をしながらブラッシュアップしていけば大丈夫です。大事なのは、書き残して共有することですね。


支援事例からわかる、強みの活かし方


竹田
私が支援した事例を紹介します。
静岡県西部エリアの部品メーカーさんで「自社に強みなんてない」という中小企業の営業職の募集でした。
そこで、あえて「営業ではなく技術営業っていう職種名にすることで差別化して、5年後に何者になれるかを書きましょう」とお伝えし「うちの会社で5年間、営業しながら技術の世界を学んだら、製造業の世界で生きていける人材になれますよ」というメッセージを出しました。ご存じのとおり、県西部は製造業が多いエリア。地元でずっと暮らしていきたい人にとっては価値ある転職になるんじゃないかと考えたんです。

ザキさん
5年後の姿が浮かびますね。

竹田
そうなんです。
「25歳で営業3年やってきたけど、これからどうしようかな」という人に、30歳になったときに、製造業の世界で戦える人間になれる未来を見せてあげたら、実際そういう方が採用できたんですね。

このように、強みを未来の姿に変えてメッセージにする。
それでも強みがわからない場合に、見つける方法としておすすめなのが、中途採用された社員さんに聞くインタビューです。

入社して2〜3年の方に聞くのがいいですね。会社の強みに魅力を感じ、弱みを許容して入ってくれた人に質問をしていくと、人事や経営の視点からでは見えなかったようなことも結構出てきたりします。


採用バリュープロポジション

採用バリュープロポジションのフレーム

竹田
次に、採用バリュープロポジションについて。これが採用の勝ち筋を作る、ある意味1つの完成形になります。マーケティングで使われる「バリュープロポジション」を、採用版にカスタマイズしたものです。求職者と書いてありますが、採用ターゲットと理解していただくのがいいと思います。

採用ターゲットが望んでる価値ってどういうことか?
競合他社が提供できる価値と、自社が提供できる価値はなにか?
自社が提供できて、他社が提供できない、採用ターゲットが望んでいるものは?
これらの言語化から、採用のキーメッセージができます。
でもこれ、 作るのかなり難しいんです。

ザキさん
いやいや大変ですよ、これは・・・。

竹田
コツは、最初から完璧を目指さないことですね。まずは1回全部埋めてみようという気持ちで、取り組んでもらえたらと思います。
あと、これだけではイメージがしにくいと思うので、今日は実際に作った方に来ていただきました。
茜さん、お願いします。


採用3C分析事例 〜株式会社LEAPHの場合〜


株式会社LEAPH 茜さん

株式会社LEAPHの広報とHRを担当している、茜と申します。よろしくお願いします。

LEAPHさんの実例を参考に作ってみましょう

こちらが、リーフの採用バリュープロポジションです。
弊社は、主にウェブ制作とかマーケティング支援や、動画制作などで、お客様の課題解決のための提案をしたり、一緒に解決までをお手伝いしていく会社です。昨年までは社長プラス社員3名だったんですが、今年度はさらに3名が入社して、昨年より倍の社員数になっています。
その際の採用にも繋がったのが、この採用バリュープロポジションになります。
これを作る過程はとても難しかったんですが、気づきが2つありました。


【気づき1】求職者が望んでいる価値
竹田さんもおっしゃってた通り、本当に作るのが大変でした。
どうしても自社が提供できる価値や、自分たちのやってることを先に考えてしまうからです。

でもまずは、求職者が望んでいる価値を重点的に出すようにと意識して、取り組みました。
例えば「20代の転職希望者」だけだと抽象度が高いので、具体的にどんな方かなっていうペルソナを想定して、こんなふうに項目を挙げてみました。

・都心のメーカーで勤務しているが人間関係に疲れ気味。
・地元の静岡でゆっくり自分の時間も確保しながら働きたいと思っている。
・プライベートの時間調整ができる働き方がいい。
・ほどよい距離感で仕事できる環境がいい(リモート可)
・社員ともちゃんと交流がある。

それらに該当する、自社が提供できる価値がこれらになります。
実戦でスキルを身につけることができるとか、弊社は既にリモートワークもやっていたので、そこに紐づけて水色にあたる部分の価値を見つけることができました。

【気づき2】価値観のすり合わせが採用の基準に
わたしは採用バリュープロポジションの中にある、価値観のすり合わせがとても大事だと思っています。
その理由として、弊社の「自分のスキルを活かせる」価値がすごくマッチした事例をご紹介します。

昨年入社した中途採用の方で、元々は事務職ですが、趣味で制作物のデザインをやっていたので、その技術を業務で活かすことができるんじゃないかという提案をしました。そして本人も自分の作ったものでお客様を喜ばせたいという思いがあり、採用となったんです。
これって採用バリュープロポジション作りのなかで、価値観の言語化ができたからだと思うんですね。価値観のすり合わせが、採用する側の選ぶ基準にもなったんです。
このように、自社が提供できる価値を言語化したことで、実際の採用に繋がりました。
今後も会社の規模や状況に合わせて、定期的にブラッシュアップしていきたいと思います。

竹田
ありがとうございます。
私もこれを見せていただいて、すごくいいなと思いました。
何がいいかというと、一番下の『学びをすぐに静岡の様々なクライアントで実践に移せ、お客さんと伴走しながらスキルを高めていける』というところです。

これは採用だからこそ出てくる価値ですよね。よく、顧客向けのメッセージをそのまま採用に使っている求人を見ますが、本来伝える対象が違うので、伝える内容も違うはず。茜さんのは、顧客向けメッセージとは明らかに違いますよね。

大企業だと縦割りや分業があるため自分が提供している価値を実感しにくいですが、中小企業、ベンチャー企業ならではの、ダイレクトな喜びがある。
ここに気付いたのは、すごく大きいと思います。
よく自社の強みについて「そんなすごいもの、ないよ」とおっしゃる方がいるんですが、角度を変えることで気づける価値があるので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

後半のまとめ

  1. オンリーワン採用に必要なのは、マーケティング思考

  2. 自社の強みを魅力に感じ、弱みを許容してくれる人を探そう

  3. 採用ターゲットのヒントは、転職希望者だった従業員がもっている

  4. 採用ターゲットは、事前に採用関係者で一致させておく

  5. 採用バリュープロポジションは、まず作り何周もまわそう

3C分析の仮説検証を繰り返すことで、いずれか勝ち筋が見つかります。


質疑応答

竹田
では1時間ちょうどとなりましたので、以上で終了いたします。

ザキさん
竹田さん、ありがとうございました!
では、質疑応答にうつります。
会場のみなさん、ご質問ありますでしょうか?

【質問】採用バリュープロポジションは、どこから手をつけたらいいですか?

質問者
リーフさんの採用バリュープロポジションを見ると、なるほどと思えるのですが、自分が0から作るとなると、とても大変そうです。どこから手をつけるとやりやすいとか、おすすめの順番があったら教えてください。

竹田
まず、この前段階で採用ターゲットを決めておきますね。採用ターゲットを決めたら、①の転職希望者が望んでいる価値を入れていきます。そのあと、自社が提供できるのはなんだろうと考えて、②を入れていく。で、競合他社が提供できることをチェックする。
フレームにある数字どおりの順番がいいんじゃないかと思います。

【質問】スカウト型にすることで、どんなメリットがありますか?

質問者
スカウト型にすることのメリットは、どんな所なのでしょうか。

竹田
スカウト型にするメリットというよりは、もうオーディション型では情報が届かなくなって、そこまで見に来てくれなくなってるという感覚の方が近いです。かなり現場的な話ですが。
実際、転職サイトに登録をすると、あっという間にいろんな企業や転職エージェントから、スカウトがバンバン来るんですね。すると、お腹いっぱいになってしまって、それ以上は見ないというケースが多いです。他社がスカウト型でやっているので、待っているだけの企業にはもはや来てくれなくなっています。
スカウト型って聞くと、ヘッドハンティングみたいなイメージがあると思うんですけど、実際にはそんなこともなく、若手の採用ではダイレクトリクルーティングやスカウトがよく使われるようになってきている実態があります。


ザキさん
ありがとうございました!
ここまで、2024年現在の採用市場のリアルと、人材を獲得するために自社が取り組むべきことについて、竹田さんにお話いただきました。

今日の講座は「今すぐではないけれど、将来のために聞いておきたい」といった理由でご参加いただいている方もいらっしゃいました。
ぜひ、社内でも共有して、今後の採用活動に役立てていただきたいと思います。
竹田さん、ありがとうございました!

竹田
こちらこそ、ありがとうございました!
ご紹介したシートやフレームワークにぜひ取り組んでいただき、採用の勝ち筋を見つけていってください。

編集後記

〜取材・編集担当てるより〜

人手不足できびしいという話は、色んなところで聞こえてきます。

望む人材と出会えない……。
採用できても定着しない……。

でも、LEAPHさんの事例が、働く人の思いと会社の姿勢がマッチする幸せな採用も実現可能であると示してくれました。

今回の講座に参加して、今の採用市場が以前と大きく変わっていることに驚きました。特に地方では、知らない人が多いのではないでしょうか。「もっと沢山の人に届けたい!」と感じたので、今回のレポート作成を担当させていただき嬉しかったです。

『令和の採用は、マーケティング思考で!』

そして、竹田さんのほかのnoteも、採用に役立つ考え方や情報をたくさん紹介してくださっているので、まだの方はぜひチェックしてくださいね(^^)

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。


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