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車のトラブルが多い人生を送ってきました-車屋失格-②

それから、数ヶ月後

福岡でも雪が降るんじゃないかというぐらい寒い中
自分は志望していた大学の受験日を迎えていた。
自転車で通っている間はそんなに寒さも感じることなく
余裕を持って自転車で大学に到着していた。

受験会場の中では試験が始まる前に
雑談をしている会話が自分の耳に入ってくる

「どういけそう?」

「まぁー大丈夫じゃないかなー」

そんな話が聞こえている中
自分は知り合いもいないので
教室で復習をしていた。

「今日までやれることはやったんだ!
 あとはやるだけだ!!」

そして、高校3年間最後の試験が始まる

「今からテストを始める」

試験管がそう言うと
試験会場がシーンとなり一瞬で緊張が走った!

「始め!!!」

その声を聞いた瞬間一斉に試験用紙をめくった。

そして次の瞬間、自分の頭の中は真っ白になっていた・・・


キーンコーンカーンコーン
テストの終了を告げるチャイムが鳴り響く

周りからは緊張が解けたのか少しずつ声が聞こえてきた。

「いけた?」
「余裕かなーーw」

そんな声を聞きながら自分は家に帰る。
振り返って見える大学には今後くることがないことを感じていた。
自転車に乗り家に帰るが
行きとは考えられないぐらいの寒さに凍えていた。

自分の高校最後の試験を終えた。

2007年4月

着慣れないスーツを着た大学生が電車に揺られている中
自分も同じ格好をして乗っていた。
電車の外には3月まで自分がいた高校を横目に
一駅先の大学に向かっていた。

大学受験は失敗し唯一合格していた
大学の入学式に向かっていた。

希望していた大学は解答用紙を見た瞬間に解き方が分からず
手応えを得ることが出来なかった。
自宅に届いた用紙に”不合格”の3文字が並んでいた。

「おーい白田!!」

駅を降りて大学に向かう自分を呼び止める声が聞こえた。
名前を呼んだのは高校時代の同じクラスメイトだった。

「結局白田も同じ大学になったな!」

本人に悪気があるわけではないが
今の自分にとっては傷を抉られているような気分になりながらも
何とか返事をした。

「そうやなーこれなら推薦の方が楽だったわw」

周りにはバレないように
心にもないことを口に出していた。

受験に失敗して留年もせず
とりあえず大学生になった自分がそこにはいた・・・



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