見出し画像

「生きるための選択」パク・ヨンミさんに感謝したい。学び続けるために大切なこと。

ジョーダン・ピーターソン教授のYouTubeチャンネルでのインタビューシリーズより。
”In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom" (「生きるための選択」ー少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った)という本の著者Yeonmi Park(パク・ヨンミ)さんの回です。

彼女の人生そのものが教科書よりも価値があるものかもしれません。

パク・ヨンミさんは北朝鮮出身、中国、モンゴル、韓国へと亡命、米国で大学を卒業後発信活動を続けられている脱北者。
これだけでも、想像を絶する体験をされたのだと分かるかと思います。
今この瞬間にも祖国から命を狙われていてもおかしくない方です。

2時間のインタビューでは到底語りきれない程の彼女の人生の経験談から、絶望感と勇気を同時に貰ったようなそんな不思議な気持ちになりました。

彼女のお父様が遺した言葉にもありましたが、”Life is a gift."この言葉を彼女ほど理解し、人生に活かしている人間はそういないのではないかなと思います。

とても驚いたのが、彼女の中で大きなターニングポイントとなったのもGeorge Orwellの"Animal Farm"(「動物農場」)を読んだ時だったという話。

2週間ほど前に
自由を取り返すための今のカナダでのフリーダムコンボイの動きについて、本を読んだ感想を交えて文章にしました。
(現在コンボイが目的地として向かったオタワは完全に政府の管理下となってしまったため、コンボイは場所を変え、また各地に散らばり活動を続けています。)

そして改めて
今行っている抗議は単に現在課されている
規制や義務の撤廃のためではなく、
これからの未来を潰さないための(血を流す事以外の)最終手段である。

そう奮い立たされた気持ちです。

現在権力者がどんな汚い手を使ってでも排除しようとしている発言の自由、行動の自由、選択の自由、考えることの自由を守ることを諦めないこと。
どのような状況になったとしても、考えること、正しいことを正しいのだと発言し続けることの大切さ
を彼女に教えてもらいました。

彼女はインタビューの中で
"If you know you are oppressed, you are not oppressed."
(もしあなたが(暴政に/周囲から)抑圧されていると知っているのなら、あなたは(真の意味では)抑圧されていない。
と言っていました。

完全なる支配を守ることに全力を尽くす一党独裁政権。
平等という言葉を支配下の人間に掲げ、騙し、搾取し続ける朝鮮民主主義人民共和国。
自由」という言葉すら知らなかった世界を生きていた彼女の言葉だからこそ、とてもとてもパワーがあります。

そして
そんな世界を逃れた彼女がAnimal Farmを読んでどう思ったか。

彼女は
"Everyone is responsible."
(全員に責任がある。)
と言いました。

本当に衝撃を受けました。

先程の
「抑圧されていると分かっているなら、あなたは抑圧されていない。」という言葉からもわかる通り、北朝鮮に生まれ育った人は自分たちが支配されている、抑圧されている、ということを知りません。

知識としてそのような概念すら頭の中に存在しません。

自分の頭で考えることが罪、
そしてその罪で捕まれば本人だけでなくその家族も、その家族の次の世代も罪人として扱われる。
上の階級に昇っていくことは無く、お互い監視し合いながら一つでも言葉を間違えれば終わり。少しでも自分の意思を主張したいと思っていると捉えられたら終わり。

そんな独裁政権下では
独裁者こそが悪者であると、表に出ている独裁者ばかりが取り上げられがちです。

それなのに彼女は
「みんなが黙って従っていることこそが独裁政権を完璧なものにしている。」
と警鐘を鳴らしています。

まさに
今世界中で起きている本当の恐怖を示してくれていると思います。

今恐るべきものはウイルスですか?

私は違うと思っています。

権力を持ったものが思考を支配しようとしていることさえ気づかない。
真実を知ろうともしない。
それどころか時間をかけて植え付けられた思想に意識的でも無意識的でも賛同し、それ以外の意見は聞く耳さえ持たず徹底的に攻撃する。

そのような人間達は自分たちこそが世界を平和に向かわせていると勘違いし、逆に破滅に向かわせています。

….本当の苦労など知らない私がそのような想いを綴った所で何の説得力もないと分かっています。
ですからぜひ
パク・ヨンミさんの本、発言を読んでから自分の胸に手を当てて考えていただきたいです。


インタビューを聞いていて一番心が苦しくなったこと。
それは
想像を絶する体験を乗り越えた彼女がアメリカに亡命し、人類学、政治学、文学、法律の知識、正義について他にも様々な学問を学びに行ったのに
「全て労力とお金の無駄だった。」
と言っていたことです。

それが何を意味しているか。

アメリカで学校というのは真の知識としての学びを得る機関ではなくなっており、"アメリカ人としての『正しい』考え方、振る舞い方"を洗脳する機関としての仕組みができてしまっているということです。

人々の目や耳に入る全ての情報を操作することで、考えることをやめる人間を作る機関にいつの間にかすり替わったのです。

日本も例外ではありません。
私が今住んでいるカナダはアメリカと大差ありませんので、間違いなくもう手遅れです。
困難な時期に突入したことは間違いありません。


パク・ヨンミさんの勇気と強さに少しでも近づいていけるように、学び続けていきたいです。

カナダ生活での学び、フリーダムコンボイ関連一覧はこちら

何もかも信じられなくなっても、自分を見失わないで。
自分に優しく、自分の目の前にいる人に優しく。
今日生きていることが奇跡。


この記事が参加している募集

#わたしの本棚

17,845件

これからも、日本のメディアでは報じられない情報を翻訳してシェアしていきます。よろしければサポートお願いします!