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1.3. 方法論

研究対象者

茶道人口の減少に反して「茶道団体」が乱立する昨今,創設直後の団体や創設前のアイデア段階の人々,団体という形式を取らず個人で茶会を催す人々も多く観察された。
そうした「茶道団体」の中でも,2010年前後に創設され,5年以上活動を継続している人々に調査対象を限定している。

また,次項(1.3.1.)で示す理由により,20代から30代の,現役の会社員,もしくは会社員経験のある茶道修練者を「主要な」インフォーマントと定める。

参与観察とインタビュー

研究手法として採用したのは,参与観察とインタビューである。

参与観察
としては,公の茶会だけでなくプライベートな集まりも含め,「茶道団体」としての活動を中心に行った。
「茶道団体」の代表の催す茶会はもちろん,インフォーマントが催す茶事,茶道教室(稽古),ワークショップにおいても,主に客として参加し,観察を行なっている。

インタビューは「茶道団体」の代表やメンバーを中心に,一人90分を目安に行った。
本稿での引用は,インタビュー時間外の発言内容も大いに含む。


また,個別に時間を割いていただいたインタビューに加え,あらゆる形態で「茶道団体」を取り巻く方々にも,出逢い次第,随時聞き取り調査を行った。

具体的には「茶道団体」予備軍の方々,「茶道団体」とコラボレーションする他の団体,団体に助言をするメンター的存在の人々,「茶道団体」の活動の常連やファンといった人々である。


この聞き取り調査は,「茶道団体」と直接関係のない,一般の茶道修練者にも行っている。
茶道教室に通う生徒としての茶道修練者へのインタビューは,主に島根県で,松江城大茶会の参加者に対して行った。


主要なインフォーマントの方々

出版されている書籍からの引用でない限り,人物名は全て仮名である。

ただし,一部の「茶道団体」の団体名や活動名は,その活動内容と密接に結びついている場合に限り,インタビューでの発言内容と切り離した上で,そのまま引用したい。

特に,本稿のインフォーマントのうち「茶道団体」の代表者は,以下の人々である(登場順)。

以下に示したものは全て,プライバシー上の観点から仮名であり,必要のない際は彼らの活動場所や職業の詳細,正確な年齢なども明記しない。
ただし,個々のケーススタディでは,実際の団体名とともに,(書籍からの引用として)実名で表記することがある。

・ レナさん(20代後半,女性)
・ 大輔さん(30代後半,男性)
・ 智子さん(30代後半,女性)
・ 洋平さん(30代前半,男性)
・ 翔太さん(20代後半,男性)
・ 達也さん(30代前半,男性)

また,現在「茶道団体」を主宰していなくとも,本文中に複数回登場する茶道修練者の場合は,適宜仮名で表記する。

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