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【1話完結小説】学校

心細い春。私達は名字も出身中も同じだった。鞄につけてるキャラ物のマスコットも。前後の席同士「気が合うね」って仲良くなった。

違和感の夏。私達が同じなのは名字と出身中とマスコット“だけ”かもしれない。

惰性の秋。一緒にいるとしんどい。

終わりの冬。いつの間にかあの子が鞄のマスコットを変えていた。私も変えた。解き放たれるのだ。私も、あの子も、マスコットも。

そしてまた、心細い春を迎える。

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