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2021年8月の記事一覧

 【140字小説】バズる

【140字小説】バズる

「バズる、の語源知ってる?」
キャバクラで嬢に聞かれた。

「え…バズーカぶっ放したみたいにあっという間に拡散する的な?」
分からないので親父ギャグで誤魔化す俺。

翌日それがSNSでディスられ気味に拡散されていた。

痛い…マジでバズーカ食らったみたいだ。

※ホントの語源は英語のbuzzとかいうマーケティング用語からきてるらしい。
#140字小説 #短編 #創作 #小説 #スキしてみて

 【140字小説】丁寧な暮らし

【140字小説】丁寧な暮らし

 リネンのワンピを纏った彼女は「丁寧な暮らしがモットーです」と自己紹介した。その顔があまりに誇らしげで素敵で…私は帰りにリネンのワンピを買った。

_似合わないなぁ。
 でもワンピを返品に行くのすら億劫…。この時点でもう丁寧な暮らしとか無理だと悟った。
#140字小説 #短編 #創作 #小説 #スキしてみて

 【140字小説】結局勝てない

【140字小説】結局勝てない

 背負う“不幸”が攻撃力に反映される世界に迷い込んだ。
 頭脳、容姿、生い立ち…不幸に関しては自信がある。こっからは俺のターン!

_ぐはっ!なぜ金持ちイケメンのお前が強いんだ⁉︎

 「持ちすぎる故の不幸!凡庸な貴様に分かるまい。」イケメンは悲しげに微笑んだ。
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【140字小説】女友達

 「茜、痩せたら絶対モテるのにね」と言いながら翠はチョコ菓子を差し出す。

 受け取らないと不機嫌になる事が分かっているので「ありがと、やっぱチョコは我慢できないよ♡」とおどけて頬張る。

 翠は私を太らせてどうしたいんだろう。私は、どうしたいんだろう。
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 【140字小説】苦情

【140字小説】苦情

 最近越してきたこの部屋。毎晩妙な音がする。黒板を爪で引っ掻くような嫌な音。

 ある晩、我慢できず音の出所を探すと…冷蔵庫下の隙間だった。

 半信半疑で覗き込むと、小さい教室で小さい生徒達が小さい黒板を引っ掻いていた。

 俺は文句を言う為、小さい先生を探した。
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