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2021年5月の記事一覧

 【140字小説】よく夢に出る…side君

【140字小説】よく夢に出る…side君

「こんなこと信じられないかもしれないけど…君、僕の夢に昔からよく出てくる子にそっくりなんだ」

初対面の男が話しかけてきた。

私はその顔を見て咄嗟に逃げ出した。

だって私の夢にもあの男が昔からよく出てきて、最後に必ず私を殺すのだから。
#140字小説 #短編 #創作 #小説 #スキしてみて

 【140字小説】よく夢に出る…side僕

【140字小説】よく夢に出る…side僕

「こんなこと信じられないかもしれないけど…君、僕の夢に昔からよく出てくる子にそっくりなんだ」

そう声をかけると、イカれたナンパ野郎と思ったのか彼女は一目散に逃げて行った。

本当の事なんだけど、こういう時ってどう話せばよかったんだろう。
#140字小説 #短編 #創作 #小説 #スキしてみて

 【140字小説】下校時刻

【140字小説】下校時刻

買い物帰り、ふと振り返ると後方にランドセルの女の子2人。下校時刻か。

暫くして振り返ると3人に増えている。顔はよく見えないがどの子も似たような背格好だ。

信号待ち、手持ち無沙汰で再度返り見れば4人に増えている。

家に着く頃には女の子は道幅一杯溢れていた。
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 【140字小説】母グモ

【140字小説】母グモ

___南アに生息するクモの一種は、母が自らを溶かし子に与える。最終的に全てその身を捧げ次世代に命を繋ぐ。

「そんなんやだぁ、私人間で良かったアハハ」
市民講座で隣の席に座った明るいお母さん。空元気にも見えるクマの酷い笑顔。一瞬、彼女の背負う子グモが見えた気がした。
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 【140字小説】厨二

【140字小説】厨二

忌み子として殺されかけた私に宿る力を見抜き、貴方は密かにこの町の夫婦に私を託した。
最近満月が巡る度、右腕の痣が疼きます。
強大な力が解き放たれ全てを焼き尽くす日が近い。
この修羅の道を一人行くのは辛すぎる。
早く迎えにきて下さい。
____私は、中二になりました。
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【140字小説】監視

【140字小説】監視

夕方、玄関で花に水やりをしていると青い車に乗ったお婆さんがゆっくりと通り過ぎた。

…え?朝もこの道通ってたし、確か昼にも見た。…まさか町内を監視してる?暇を持て余した老人って怖い。

そう夫に話したら、「向こうもお前の事そう思ってるんじゃない?」って。
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