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英文法解説 テーマ13 疑問 第2回 間接疑問文って「どう間接なの?」という人へ

 はい、こんにちは。テーマ13「疑問」の第2回目になります。今回扱う内容は「間接疑問文」です。しばらく英語から離れている人にとっては「なんかそんなのあったなあ」くらいの感覚かもしれませんし、学生さんにとっても「なんとなく分かるけど、これだけを体系立てて勉強したことはないなあ」と思うような範囲でしょう。確かに、そんなに派手な箇所ではないのですが、意外と知らないことも多いと思うので、しっかり解説していきたいと思います。

間接疑問文の語順

 まず、疑問文というのは語順に特徴があります。例えば、yes-no疑問文であれば、“VS~?”となり、wh-疑問文であれば、“Wh- VS~?”となります。これは中1英語で学ぶ内容なので全く問題ないと思います。間接疑問文というのは、この疑問文の語順を「疑問詞+SV」という語順に少し工夫して、名詞節として用いることです。

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名詞節としてはたらくということは「S・O・Cのいずれかになる」ということなので、次の例文で確認しましょう。同格節としてはたらく、というパターンもありますが、ここでは割愛します。

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 例文1.は、Itが形式主語で、why he failedが真主語になります。このように、形式主語構文には間接疑問文を真主語とするパターンもあります(形式主語構文はIt is … that SVだけではありません)。また、例文2.はwhere he livesが他動詞knowの目的語になっています。例文3.はwho is in charge of itがbe動詞の補語になっています。ところで、この例文3.だけ「疑問詞+SV」ではなく「疑問詞+V」という構造になっていますが、これは疑問詞whoがSとしての役割を持っているからで、「疑問詞[S]+V」ということです。

 以上のように、「疑問詞+VS~?」というwh疑問文は、「疑問詞+SV」という語順にすれば、間接疑問文(名詞節)は出来上がります。一方で、yes-no疑問文から間接疑問文を作る場合は、whether(またはif)を使って「~かどうか」の意味を出す必要があります。

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 このように、間接疑問文というのは、「疑問詞+SV~」という語順で名詞節としてはたらく、ということが分かれば大丈夫です。「間接」という名称がついているとどうしても「直接」という言葉を連想してしまい、イメージがわきづらいかもしれませんが、普通の疑問文を名詞節に置き換えたものを「間接疑問文」と呼んでいる、ということです。

間接疑問文での時制の一致

 さて、次に間接疑問文の中の時制について考えてみましょう。間接疑問文というのは名詞節である以上、主節の時制を軸にして、その節内の時制を考える必要があります。

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 例文5.は主節が現在時制で、when節が未来時制という例です。一方、例文6.は、主節が過去時制なので、when節内の時制を、時制の一致によってwillからwouldにしたものです。この場合のwouldは「過去から見た未来」となります(テーマ7 助動詞 第4回「助動詞の時制ってどう決まるの?」参照)。また、例文7.は主節が過去時制で、why節が大過去になっています。「尋ねた」時点と「そんなことをした」時点にズレがあるのを認識できれば良いと思います。

wh-の繰り上げについて

 最後は、wh-の繰り上げという話になります。これはあまり馴染みのない話題かもしれませんが、重要なところなので詳しく解説しましょう。これは、間接疑問文(名詞節)を別の疑問文の一部に組み込む場合に起こる現象になります。まず、次の例文を見てください。

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 Do you think ~?という疑問文の「~」の部分(=目的語)に、why SV~という間接疑問文を置いたものです。さて、この疑問文、一見したところ問題がなさそうなのですが、何かおかしくありませんか?

 普通、「なぜ~だと思いますか?」と理由を訊かれたら、「~だからだと思います」と理由について返答するはずです。でも、この疑問文はDo youから始まっているので、yes-no疑問文になっているのです。つまり、yesかnoでしか答えられないので、“Yes, I do.”だと「はい、思います」になり、“No, I don’t”だと「いいえ、思いません」となってしまうのです。

 というわけで、whyに対する返答を求めるためには、whyだけを文頭に移動する必要があります。

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 言い方を変えると、間接疑問文のwh-は、do you thinkを飛び越えて文頭に置かれる、となります。このwh-の移動を応用すると、次のような英文も生まれてきます。

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 これは、Whoが間接疑問文中のwill win the raceの主語から繰り上げられた例になります。結果的に、動詞thinkと動詞will winが2つ並びます。見慣れないうちは不自然に感じるかもしれませんが、構造上の仕組みが理解できれば徐々に慣れてくると思います。

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 ただし、間接疑問文のwh-がどんな場合でも繰り上がるわけではないので注意してください。例えば、do you knowで始まるyes-no疑問文の場合は、「はい、知っています」or「いいえ、知りません」と答えられるので、wh-は繰り上がりません

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 wh-が繰り上がるかどうかは、yesやnoで答えられる疑問文かどうかで決まります。たいてい、do you think/believe/supposeなどの「思いますか」系の疑問文では、wh-の繰り上げが起きると考えてよいでしょう。特に、例文8.のように、「Wh- do you think + V~?」という語順には注意が必要です。

 というわけで、ここまでが「間接疑問文」の解説になります。そこまでボリュームのある範囲ではないですが、盲点となる重要な箇所や英作文で間違いやすいポイントがあるのでしっかり押さえておいてください。次回は、「付加疑問文」を扱います。ご期待ください。

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