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英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第2回 文型って要するにどういうこと?

 前回は、「品詞」を「辞書的な意味」ではなく、「文法的なはたらき」として考えてみよう、という話でした。そして、たくさんの「○○詞」を丸暗記するのではなく、「文法的なはたらき」という点から、①名詞、②動詞、③形容詞、④副詞の4つをおさえよう、というのがポイントでした。

品詞の考え方を文型に応用するってどういうことか?

 今回は、これらの基本的な品詞を使って、「品詞と文型の関係」について少し説明してみようと思います。いきなり基本5文型の全てを解説するのはさすがに重たいので、ここではまず簡単に、第3文型と言われる「S(主語)+V(述部)+O(目的語)」を例に挙げて説明しますね(あと、第2文型と言われる「S(主語)+V(述部)+C(補語)」にも少しだけ触れます)。
 
 例えば、John likes an apple.という英文があったとします。教科書にはこの英文にSVOという記号が付けられていることがありますが、そもそもどうしてこの英文がSVOなのか疑問に思いませんか? John Likes an apple.のような英文に、結果論的にではなく、どうやったらSVOという記号(文型の要素)が付けられるのかを英文法的に説明できますか?

 確かに、「ジョン」「好き」「りんご」と書いてあれば、文の意味は分かるので、「文型なんて無視したって何とかなるかな」とスルーしてしまうことが正直多いですよね?確かに、中学校の英語の教科書に載っている英文くらいであれば、文型なんて知らなくても意味くらいはどうにかわかるものも多いですよね。でも、英文法を学んでいく際には、そういう「意味が分かればいいよ」的な考えは一度わきに置いておいてください。

そもそも文型ってどうすれば分かるの?

 本題に入りましょう。実は、このJohn likes an apple.という簡単な英文を見たときに、「名詞+動詞+名詞」という語順になっていることに気づくことが、英文法の理解のためには最も大事なのです!

 前回説明した、「品詞のはたらき」の「名詞」と「動詞」のところをもう一度確認しましょう。

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 英文の基本的な骨格(=文型)は基本的にはすべてSVから始まるので、英文の先頭に「名詞+動詞」とあれば、それらがSVです。動詞の後ろの名詞は、目的語か補語のはずです。つまり、簡単にまとめるとこういうことです。

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 第2文型と第3文型をどう判別するのか?

 ここで、別のルールを1つ紹介します。本当はもうちょっと厳密な考え方が必要なのですが、ここでは簡シンプルに「主語≠目的語」「主語=補語」という法則性を利用します。当然、Johnはan appleではないので、ここではan appleは「目的語」になります(もちろん、りんごにJohnという名前を付けた人がいて、「Johnはりんごだ、という可能性もある!」と言い張る人もいるかもしれませんが…。そういう発想、嫌いじゃないです(^^) でも、とりあえずここではJohnは人だとしておきましょう)。 

 この「イコール関係」を利用する判別方法は、使われている動詞によって結果が変わってきます。もし、John became an actor.とあれば、同じ「名詞+動詞+名詞」でも、John=an actor(俳優)なので、an actorは「補語」になります。

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 少し面倒くさいな、と思う人もいるかもしれませんが、こういったパターンを覚えることは、英文を読むだけでなく、英文を書くためにも必要なのです。SやVやOやCなどの記号を品詞に置き換えて考えることで、目の前にある英文がどんな構造パターンになっているのかが分かるだけでなく、書きたい英文に適切な品詞や語形を選択できるようになるので非常に役立つのです。例えば、SVOの英文を書こうとする場合、「名詞+動詞+名詞」という語順で自然に英単語を配置できるということです。

文型は訳してみないと分からないのか?

 ところで、さっき少し触れましたが、John likes an apple.というSVOの英文とJohn became an actor.というSVCの英文(どちらも「名詞+動詞+名詞」という配置)を見比べたとき、John≠an apple、John=an actorと考えました。ここで「≠」や「=」としたのは、likesやbecameをそれぞれ「好きだ」「になった」という意味を持つ動詞だからですよね。もしJohn is an apple.やJohn dislikes an actor.ならば、前者はSVC(「ジョンはりんごだ」というのは何か比喩的な表現のようですが)、後者はSVO(「ジョンは俳優が嫌いだ」)になります。ということは、「結局のところ、訳してみないと文型ってわからないの!?」となりますよね?つまり、Vにどんな動詞を用いているかによって文型が変わってしまう、ということ?

 というわけで、次回は、「動詞と文型の深い関係」について解説してみたいと思います。英文の構造ありきで意味が決まるのか?意味を考えたうえで文型を決めるのか?突き詰めていくとなかなか興味深い問題ですが、詳しくは次回のお楽しみということで、是非ご期待ください!

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 とりあえず今回は、例えば「SVO」という第3文型は「S(名詞)+V(動詞)+O(名詞)*ただしS≠O」というように、文型の記号は品詞に置き換えられる、ということを確認しておいてください。


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