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英文法解説 テーマ3「受動態」 第4回 疑問文が絡むと受動態は厄介だけど…

 こんにちは。これまでは「態とは?」「様々な語形に潜む受動態」「形は受動・意味は能動」ついて解説してきましたが、今回は、意外と多くの受験生がつまずきやすいポイント、「疑問文と受動態」について解説していきたいと思います。

疑問文+受動態のプロセス その1

 まず、次の能動態で書かれたwh疑問文を受動態に書き換えてみましょう。

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 この文の目的語は、the letter to Kevinなので、これを受動態の主語にして、sendを受動態にします。元の文が過去形なので、was sentですね。ただし、この文は疑問文なので、was the letter to Kevin sentという語順になります。疑問詞Whenは文頭に置かれるので、結果的に、When was S Vp.p.~?という英文になります。最後にby you「あなたによって」は書いても書かなくてもいいです。

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 ちょっと、手間のかかる書き換えですよね。順を追っていけば、理解できると思いますが、be動詞と過去分詞形の位置で迷ってしまう人が多いと思います。ただ、(1)の能動態と(2)の受動態をよく見比べてみると、実は、次のような書き換えをしていることが分かります。

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 私の経験上、多くの学生さんは「能動態の目的語を、受動態の主語に移動して…」と考えて混乱してしまうようなので、「動詞+名詞」の部分を「be動詞+名詞+過去分詞形」にするだけだ、と教えることにしています。そうすると、多くの場合スムーズにこの書き換えができるようになります。ちなみに、疑問詞(wh-)を用いていない疑問文(yes-no疑問文)の場合は、疑問詞を無視して、このパターンの書き換えをすればいいだけなので、もっと簡単だと思います。例えば、(2)の文からWhenを削除すれば、Was the letter to Kevin sent?になります。

疑問文+受動態のプロセス その2

 ここから、少し応用レベルに入りましょう。上述した例を現在完了形で書き換えてみたいと思います。現在完了形と受動態を組み合わせた語形については、「テーマ3受動態 第2回「潜んでいる受動態」」で解説しましたが、もう一度おさらいしておきます。

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 では、実際にやってみましょう。

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 これは、現在完了形にも過去分詞形が用いられているので少し難しいかもしれません。(2)の例文と違って、現在完了形の疑問文の場合は、have/hasが主語の前に移動するので、been Vp.p.は名詞の後ろに置かれます。「名詞を何で挟み込むか」という意識がポイントだと思います。

疑問文+受動態のプロセス その3

 最後に、こんな疑問文からの受動態を考えてみましょう。

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 これは、Whoが主語になっているのがポイントです。「誰が」にあたるところを「動作主」と言い、通常、受動態に書き換える際には「by ~」で表されます

この場合、普通に疑問文の受動態を作ると、Was this letter sent to Kevin by whom?となってしまいます(whoの目的格はwhomです)が、疑問詞は、文末に置きっぱなしというわけにはいきません。by whomをまとめて文頭に移動しましょう。すると、By whom was this letter to Kevin sent?となります。

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 2カ所も変えるので、難しく見えますが、語順を入れ換えたり、語句を移動したりという手間を考えれば、簡単だと思います。

 ちなみにこの文、byを文末に置きっぱなしにして、who(whomから戻して)だけを文頭に移動するパターンで書いてもOKです。どちらで書いても良いのですが、文末にbyを置きっぱなしにするパターンで書こうとすると、byを忘れがちになりやすいので気を付けてください。

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 というわけで、今回は、疑問文が絡んだ受動態について解説していきました。一見、厄介な書き換えに見えますが、どの部分をどう変えたのかをよく観察してみると、実は意外とワンパターンだと気付いてもらえると嬉しいです。実際に、自分の手を使って書き換えてみると、間違えやすいポイントが発見できると思います。

 さて、次回は、ついに「受動態」の最終回。今回も少し登場した、「動作主」を表すbyについて解説していきたいと思います。実は、by以外にも使われる前置詞があるという話になります。ご期待ください!


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