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英文法解説 テーマ5 動名詞 第1回 動名詞(Ving)って現在分詞(Ving)と何が違う!?

 どうも、こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。この英文法解説シリーズも5つめのテーマに入りました!今回からは「動名詞」について解説していきたいと思います。「動名詞」は、「不定詞」「分詞」とともに「準動詞」のひとつです。というわけで、まずは準動詞という概念のおさらいから始めましょう。

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 準動詞というのは、「動詞」を変形し、「名・形・副」のはたらきを持たせたものでしたね。そして、今回から扱う「動名詞」は「名詞および形容詞のはたらき」をするVing形、ということになります。この後また詳しく解説しますが、「名詞のはたらき」の動名詞は「すること」と訳し、「形容詞のはたらき」の動名詞は「するための」と訳します。

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 さて、動名詞(Ving形)と言えば、同じ語形の現在分詞形(Ving形)と何が違うのか?どう見分ければいいのか?と疑問に思ったことのある人も少なくないと思います。これに関しては、2つの点で動名詞と現在分詞は異なります。

動名詞と現在分詞の違う点 その1

 まず、最初に挙げた「準動詞の表」を確認してもらえれば、「名詞の機能」の個所が、動名詞では「〇」に、分詞では「×」になっていることに気づくと思います。つまり、名詞のはたらき(S・O・C)をしていれば動名詞ということになります。

 例えば、文頭に「Ving形」がある場合、それがSとして働いていれば「動名詞」ということになり、そうでなければ「現在分詞」になります(これは分詞構文といって、テーマ6分詞の第4回「分詞構文」で扱う予定です)。

 また、V(述語)の後ろに「Ving形」がある場合、それがOとしてはたらいていれば「動名詞」ということになり、そうでなければ「現在分詞」になります(これは分詞の叙述用法といって、これはテーマ6分詞の第2回「分詞の叙述用法」で扱う予定です)。

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 以下のような例文で実際に判別してみましょう。

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 (1)(2)に関しては、たとえ同じように文頭のVing形であっても、全体の中でのはたらきで、動名詞か現在分詞かの判別ができると思います。

 (3)に関しては、他動詞enjoyの目的語としてVing形が用いられているのがポイントです。(4)は、We talked about itというように一度、文型が完結した後でも、主語であるWeの様子を表すためにVing形が追加されているように見えます。分詞構文(=M)と考えても良いのですが、いずれにせよ、現在分詞です。この場合の現在分詞は「しながら」とか「して」と訳します。

 少し、判別が難しいのは、Ving形がbe動詞の後ろにある場合です。この場合は、実際に訳してみないと、動名詞か現在分詞か分からないです。というのも、動名詞だとしたら、名詞として「すること」となり、S=Cパターンの第2文型になりますが、現在分詞だとしたら、進行形(be動詞+Ving形)になります。

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 次の例文で確認しましょう。

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 (5)は、My hobby = walking around the townという関係が成り立っています。これは実際に訳してみる必要があります。名詞の代用としての動名詞です。この話、実は「テーマ1 品詞と文型 第3回「動詞って意味さえ覚えればいいの!?」」で一度解説したので参照してみてください。一方、(6)は、My brother walks around ~.という文を現在進行形にしたものです。My brotherとwalking around the town nowにはSV関係があります。be動詞の後ろのVing形は、このように判別できると良いでしょう。

動名詞と現在分詞の違う点 その2

 次に、最初に挙げた「準動詞の表」をもう一度確認すると、「形容詞の機能」の個所が、「動名詞」も「現在分詞」もどちらも「〇」になっているのに気づくと思います。動名詞と言えば、そもそも名前からして「名詞のはたらき」のみを連想しそうですが、実は「形容詞のはたらき」もあるのです(最初に挙げた「準動詞の表」をもう一度参照してください)。

 というわけで、動名詞も現在分詞も「名詞修飾ができる」のです(C(補語)になるというはたらきに関しては現在分詞のみなのでここでは割愛します)。動名詞の場合は、「前から名詞を修飾」し、現在分詞の場合は「前からも後ろからも名詞を修飾」できるので、判別が必要なのは、「Ving形+名詞」となっているときですが、これらは実際に訳してみて判断します。

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 おそらく、このパターンになっていると、現在分詞による前置修飾のイメージが強いと思いますし、実際その方が出現頻度も高いですが、このように2パターンあると認識することで、「~している」と訳せなくて困ったときに役立つと思います。

 とりあえず、次の例文で確認しましょう。

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 (7)は「眠るための」+「袋」、すなわち「寝袋」というわけです。動名詞による名詞修飾は「用途・目的」の意味で訳すと良いでしょう。他にも、聞き慣れたものでは、a washing machine「洗濯機」やa waiting room「待合室」などがあります。一方、(8)は「眠っている」+「子猫」で文字度通りの意味です。現在分詞による名詞修飾は「進行」の意味で訳すと良いでしょう。

 このように、動名詞と現在分詞は、一部似ているはたらきもありますが、構造や意味で区別をすると良いでしょう。確かに、なかには、be busy Ving「~するのに忙しい」spend 時間 Ving「~して時間を費やす」のように判別の難しいものもありますが、基本的には、今回挙げたような判別法でどちらなのかを考えてみてください。

 というわけで、今回は、動名詞と現在分詞の区別について解説をしましたが、次回は「動名詞と不定詞の区別」について説明をしていきたいと思います。また、識別・区別の話なのかと思う人もいるかもしれませんが、動名詞に関しては、この区別がとても重要なポイントになのです。では、次回も詳しく解説をしていきたいと思います。ご期待ください。

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