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英文法レクチャーシリーズ

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英文法解説記事をまとめました。各記事は基本的に無料で公開されています。是非、ご覧ください。*分野ごとにまとめた有料記事もあります。
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2020年3月の記事一覧

英文法解説 テーマ7 助動詞 第1回 まずは基本のcanとmustとmayから

 こんにちは。英文法解説シリーズもテーマ7を迎えました。今回からは「助動詞」に入ります。助動詞というのは、「動詞を助ける」という名の付いた品詞ですが、どういう意味で「助ける」のかを考えながら解説をしていきたいと思います。といっても、いきなり色々な助動詞を紹介していっても煩雑になるだけなので、今回は、can, must, mayについてのみ解説していきます。 助動詞の基本(語順) まずは、助動詞の基本的な使い方から確認しましょう。助動詞は動詞に意味を加えるという意味で「動詞を

英文法解説 テーマ6 分詞 第6回 少し注意が必要な分詞構文

 こんにちは。今回で「分詞」は最終回です。「少し注意が必要な分詞構文」について解説します。具体的には、①独立分詞構文、②with+独立分詞構文、③分詞構文関連の慣用表現です。なんか難しそうに思えるかもしれませんが、基本から丁寧に解説したいと思いますので最後までしっかり読んでください。 独立分詞構文 「テーマ6 分詞 第4回「分詞構文の基本①~分詞構文の形~」」でも解説したように、分詞構文の語形(現在分詞or過去分詞)は、主節の主語の立場で考えるのが基本です。  これは、分

英文法解説 テーマ6 分詞 第5回 分詞構文の基本② ~分詞構文の訳し方~

 こんにちは。今回は分詞構文の第2回目です。分詞構文の訳し方について解説していきたいと思います。前回の「テーマ6 分詞 第4回「分詞構文の基本①~分詞構文の形~」」において、分詞構文が用いられる位置について説明しましたが、まずはそこから確認しましょう。  よく教科書の例題に、副詞節(例えばBecause SV)から分詞構文に書き換える練習があるので、分詞構文と言えば「文頭タイプ」の印象が強い人も多いかと思いますが、実際には文中で挿入句として用いられたりや文末で付加的に用いら

英文法解説 テーマ6 分詞 第4回 分詞構文の基本① ~分詞構文の形~

 こんにちは。今回は分詞構文について解説していきたいと思います。  いきなりですが、この「分詞構文」という名称が誤解を招きやすいですよね。「構文」と付いていると、何か形式的な語句のかたまりや決まった文構造のパターンみたいですが、実は「分詞構文」というのはそういう類のものではなくて、「分詞の副詞用法」なのです。  というわけで、「テーマ1品詞と文型 第1回「品詞を理解するのはコスパが良い!」」や「テーマ4不定詞 第3回「準動詞って何?③ ~不定詞の副詞用法~」」でも触れまし

英文法解説 テーマ6 分詞 第3回 分詞は置く場所が大切です!② ~限定用法~

 こんにちは。前回は、分詞の叙述用法について説明しましたが、今回は分詞の限定用法について扱っていきます。早速ですが、まずは、限定用法とは何かという説明から始めましょう。そもそも、分詞には、①形容詞のはたらき、②副詞のはたらき、の2つの機能がありますが、その中でも「形容詞のはたらき」に注目しましょう。  さらに、形容詞には、(1)Cとしてはたらく、(2)名詞を修飾する、という2つのはたらきがあります。後者の「名詞を修飾する」というはたらきのことを「限定用法」と言います。分詞に

英文法解説 テーマ6 分詞 第2回 分詞は置く場所が大切です!① ~叙述用法~

 こんにちは。分詞の第2回目になります。今回は、分詞の「叙述用法」について解説していきたいと思います。といっても、「叙述用法」という用語自体、あまり知らない人も多いので、そもそも「叙述用法」とは何だろう?というところから説明します。 叙述用法とは? 分詞というのは、準動詞の一種ですが、不定詞の回で次のような図を用いて準動詞を解説したのを覚えているでしょうか?  分詞に関しては、「形容詞の機能」「副詞の機能」の2つがあることが分かります。この中でも、今回は「形容詞の機能」に

英文法解説 テーマ6 分詞 第1回 現在分詞と過去分詞って時制の話じゃないんだよ!

 こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。今回から新テーマ「分詞」の解説に入ります。「不定詞」「動名詞」と続いてきた準動詞シリーズも、ようやく大トリ「分詞」まできました。今回から全6回に渡って、しっかり基本から解説していきたいと思います。 時制の分野で登場した分詞の使い方 まず、分詞には「現在分詞形」と「過去分詞形」の2種類があります。これまでも、進行形、完了形、受動態で、その2種類の語形を使ってきたのでなじみはあると思います。  ちなみに、過去分詞形のことをVp

英文法解説 テーマ5 動名詞 第5回 動名詞を含むイディオムを攻略しよう!

 どうも、こんにちは。テーマ5動名詞も今回が最終回です。「現在分詞と動名詞の区別」「不定詞と動名詞の使い分け」「動名詞の意味上の主語」「動名詞の時制と態」と、ここまで文法的な側面から動名詞に関して解説をしていきましたが、今回は「動名詞を含むイディオム」を扱っていきたいと思います。  この「動名詞を含むイディオム」というのは若干誤解を生じさせる言い回しかもしれません。というのも、イディオムと言っても、そのイディオムの一部に前置詞が含まれているため、その直後には動名詞が導かれる

英文法解説 テーマ5 動名詞 第4回 動名詞の時制と態について

 こんにちは。今回は、動名詞の時制と態について解説していきたいと思います。基本的な考え方は、不定詞の時制の話と同じなのでそちらの解説も併せてご覧ください(テーマ4 不定詞 第4回目「不定詞の意味上の主語と時制」)。 動名詞の時制の基本 不定詞と同じように、動名詞の時制もV(述語)の時制によって決まります。まずは、次の例を見比べてください。  さて、それぞれの例文での動名詞の時制はいつでしょうか?(1)では、waiting a long timeの時制は、V(述語)のdis

英文法解説 テーマ5 動名詞 第3回 動名詞の意味上の主語について

 こんにちは。前回は「不定詞と動名詞の使い分け」、前々回は「現在分詞と動名詞の使い分け」について解説をしていきましたが、今回は「動名詞の意味上の主語」について説明をしたいと思います。ところで、今回の説明に入る前に、「テーマ4不定詞 第4回「不定詞の意味上の主語」」の時の説明を覚えているでしょうか? 名・形・副のはたらきを持つとは言っても、不定詞は元々「動詞」だったので、「動詞」らしい側面も持っている。例えば、to play the pianoという不定詞だって、完全に名詞や

英文法解説 テーマ5 動名詞 第2回 不定詞と動名詞ってどう使い分けるんだっけ?

 こんにちは。今回のテーマは「不定詞と動名詞の使い分け」です。前回、解説したの「動名詞と現在分詞の使い分け」では、文中での使われる位置と名詞修飾の仕方に違いがありましたが、今回の「不定詞と動名詞の使い分け」に関しては、置かれている位置よりも、「どういう語の後ろに置くのか」がポイントになります。  まずは、いつものように「準動詞のはたらき」の表から確認です。  この表から、不定詞と動名詞は、「名詞の機能」と「形容詞の機能」が同じだと分かりますね。ただし、形容詞用法の動名詞が

英文法解説 テーマ5 動名詞 第1回 動名詞(Ving)って現在分詞(Ving)と何が違う!?

 どうも、こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。この英文法解説シリーズも5つめのテーマに入りました!今回からは「動名詞」について解説していきたいと思います。「動名詞」は、「不定詞」「分詞」とともに「準動詞」のひとつです。というわけで、まずは準動詞という概念のおさらいから始めましょう。  準動詞というのは、「動詞」を変形し、「名・形・副」のはたらきを持たせたものでしたね。そして、今回から扱う「動名詞」は「名詞および形容詞のはたらき」をするVing形、ということになり

英文法解説 テーマ4 不定詞 第5回 不定詞を含むイディオムを攻略しよう!

 こんにちは。テーマ4「不定詞」もとうとう今回が(とりあえず)最終回です。文字カウントを確認すると、前回までの4回分ですでに12,000文字オーバーです。冗長にならないように気を付けていますが、どうしても詳しく書こうとすると文量が増えてしまいますね。というわけで、今回も詳しく解説していきたいと思います。  今回のテーマは「不定詞のイディオム」です。要するに、「ここは覚えましょう」という範囲になります。そもそも、慣用表現(まあ、ここでは「イディオム」とほぼ同じ意味だと思ってく

英文法解説 テーマ4 不定詞 第4回 不定詞の意味上の主語と時制について

 どうも、こんにちは!前回までで、長かった「不定詞の基本3用法」の説明も終わりました。今回は「不定詞の意味上の主語」と「不定詞の時制」についての解説をしてきたいと思います。  不定詞は、準動詞のひとつですが、そもそも準動詞というコンセプト自体が「V(述語)以外に用いるために名詞・形容詞・副詞のはたらきをするよう変形した動詞の語形」だったのを覚えているでしょうか?そのなかでも不定詞というのは、名・形・副の全てのはたらきを持つことができるので、それぞれの用法をここまで3回分話し