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自傷行為のある生徒との関わりについて

中学生〜高校生にかけて、アイデンティティーの確立とともに、自己承認や自己肯定感など様々な心の発達や変化が起こりやすい時期です。
承認欲求や自分に自信が持てない等の理由から「自傷行為」をしてしまう子供達はたくさんいる。では、教員としてそういった子供達にどのように接していけばいいのだろうか?

一番やってはいけないこと「辞めさせる『約束』をすること」

「もう自傷行為をしないで、約束だよ」

自傷行為はすぐに辞めることはできません。そのため、自傷行為をしてしまった際に、生徒の感情に芽生えるのは「先生との約束を守れなかった・・・自分はだめな人間なんだ」という感情です。

接し方の例①「報告をしよう」

そのような負のスパイラルに進むのではなく、「自傷行為をしてしまったら〇〇にちゃんと話そうね」という言葉掛けで命を守ることと、その生徒が行う自傷行為をまわりの大人が把握することが出来ます。

〇〇とは、信頼できる人=先生(担任・副担任・教科担当・部活顧問・養護教諭など)、親、近所のお兄さんお姉さんなどです。

このとき大事なのは、発見した大人がひとりで対処しないことです。その生徒が一番話しやすい人に向かうよう声かけをします。そして、その情報を複数の大人で共有することが大切です。

接し方の例②「否定せずに話を聞こう」

相談援助技術の基本「傾聴」を用います。
傾聴とは、相手の話を否定せずに、とにかく聴くことに徹することです。

そうすることで、何が原因で自傷行為をしてしまうかを探ることができるとともに、その生徒との信頼関係が構築されます。

接し方の例③「本人を認めて肯定しよう」


自傷行為をしてしまう生徒のほとんどは、自己肯定感が低く、承認欲求強い生徒が多い傾向にあります。(個人的見解です)
些細なことでも、ほめて認めてあげましょう。

解決に向けた行動①「焦らずにゆっくりと解決しましょう」

命の危険があるからといって、すぐに親へ報告するのは得策ではありません。
まずは、管理職や担任への報告をして、親との関係性を調べましょう。家庭内で肩身の狭い思いをしているのであれば、親への報告は逆効果につながります。
その時は、その生徒と近しい先生からアプローチをかけてもらようにしましょう。

親へ報告する際には、「お子様を叱らないように」と念を押して、「見守っていきましょう」と伝えてください。
様々な自傷行為がありますが、「腕へのリストカット」くらいであれば、すぐに死ぬことはありません。

解決に向けた行動②「専門職への相談と連携をしましょう」

学校に来ているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーへその生徒を繋げることも1つの手段です。
また、こども家庭支援センターなどを巻き込んで保護者とともに解決に向けて連携していくことも視野に入れておくと幅が広がります。


最後に


リストカット跡などを発見すると、「大丈夫かな!?」と心配になる先生も多いかと思いますが、ファーストアプローチを絶対に間違えないように気をつけてください。
信頼関係が一番大切です。焦らずゆっくり行きましょう。

福祉科教員として、社会福祉士の知識も踏まえながら学校現場について発信していきます。
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お読みいただきありがとうございました。

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