視座とか視野とか。そして教員の社会経験とか
アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方が面白い(たぶん今更)
こういう漫画をベースとした自己啓発?本はどちらかというと興味がなかったタイプの人間でした。でも書いてあることがここまで腑に落ちるのも珍しくて、思考のメモとしてnoteに置いて行きたいなと。今回は視座と視野の話しにフォーカスをして。
視座と視野の違い(ついでに視点も)
今回の話のテーマである、視座と視野などの用語について整理したい。本書ではこのように定義されている。
教員という生き物は「視野」という言葉に敏感なのではないか。それもネガティブな意味で。「教員は世間を知らない」「教員は世間知らず」という言葉に忸怩たる思いを持った人も多いのではないか。
ただ結論から言うと教員は世間知らず(視野が狭い)というのは、否定できない事実だと思う(それが悪いという結論かと言うとまた違う)
視野が狭いという状態は、見えている範囲が狭いということ。自分も学校で働いていた時、仕事で企業の人と話すことはほとんどなかった。話す人は学校関係者。なんなら小学校・高校の先生と話す機会すら、あまりなかった(これは初任者時代がコロナだった影響もかなりあると思う)同じ業界内だったとしても、小学校と中学校という立場が変わるだけで意見が割れることが多いのに、世間を知っているなんて口が裂けても言えない。隣の小学校のことすらわかってないのに。
旅に出ること。視座を離せること。けれども・・・
自分が世界一周に出るのは、社会経験とか視野を広げたいとかそんなんじゃなくてただ単に好奇心。見たいものを見ないまま死にたくないし、いつでもどにこでも行ける自分でいたいから。ただ、多くの人には「今しかできないから良いと思う!」「いろんな経験を積んでまたそれを子供に伝えられるのは素晴らしいこと」などポジティブな反応をもらうことがほとんどだった。根本には一度視座を外から持った人が教壇に立つことに対する期待があるのかなと勝手に思っている。
それだけ、教員の学校外での経験はセンセーショナルな話題だ。
そんでもってこの本。主人公の一人は教員にそのままなるのが不安で就活をしている。
民間経験のある教員になりたい
世間の目的にも、客観的に考えても、学校以外の世界の経験がマイナスに働くことはない。そんな風に考えていた女性がこの物語にも登場する。名前は冴。
冴が実践しようとしていることは、視野を広げて教職に就く。これに尽きる。視野を広げる方法として、アオアシ本にはまとめるとこのようなことが書いてある。
様々な仕事を経験することで視点を増やす。様々な職種からこの世の中をみるとどのように見えるのか、つまり視座を離す。冴がやりたいことを言語化すると、きっとこの二つなんだろう。これが最終的に子供たちのためになると信じて疑っていない。自分もその節があって、大学時代に塾講しかしていなかったので、それで良いのかという葛藤があった。なので大学院時代は手当たり次第いろんなアルバイトをした。塾講師に海水浴場の監視員のバイト。図書館でバイトしたり少年団でも働いた。正社員として冴はそれを実践しようとしているのだから、とんでもない行動力だ。
でもそこにいる事実には勝てない
そんな主人公の考えが変わるきっかけがあった。たまたまグループ面接で同じ組なった人物からの一言(そしてもう一人の主人公)
もちろん視野を広げることそのものは素晴らしいし、その考えは常に持っていなきゃいけないことだけど、結局いまそこで一緒にいてあげられる事実が一番強い。
この話を聞いて、自分が教員で働いていた時の「社会経験のなさ」からくる後ろめたさのようなものは完全に消えて働くことができた。
逆に言うと好きなことをしようとしている、今の自分の現状には後ろめたさを感じる日もある。(でも、どうしてもやりたいから。その熱量が学校にいたい気持ちを超えちゃったから仕方ない)
終わり
アオアシ本読んで、視野とか視座とか本当に整理できたし、面白かった。そしてこの視野とか視座の話を読みながら「私たちの世代は」のこのやりとりも同時に思い出した。もちろん世間を知ることは大事だけど、そこにいる事実がどんなことでも一番大切だよなって。視野を広げることは無論大切で、だからこの本からの学びは忘れないようにしたいけれど、視野を広げることだけが目的になってしまう行動は、しないように気をつけたい。あくまでも他の要因があって、行動して。そのときに、視野とか視座とか視点とか。そんなことを考えられれば良いんじゃないかって。
せっかく辞めたんだしもし教員に戻るならその前に民間で働こう!とか考えていた時期もあったけど。危ない危ない。戻る条件はシンプルにそこにまた居たいから。それしかない。
思考の垂れ流しなんでまとまりがなくてごめんなさい。頭の中でぐるぐるしていたことを書きたかっただけなので。
でも繰り返すけど、そこに一緒にいる事実が一番強い。これは絶対。面白い本を読むと簡単に大事なことを放り投げちゃいそうな自分だから。いつまでも忘れないように。
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