teaまるお

都内在住、INFP。おもにエッセイを書いています。夏はスイカ、秋は梨、冬はみかん、そし…

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都内在住、INFP。おもにエッセイを書いています。夏はスイカ、秋は梨、冬はみかん、そしてトマトをよく食べます。藤井風・大江千里・eill・newjeans・日向坂46・溝口肇・安部恭弘・たむらしげる・わたせせいぞう・神社仏閣・美術館・博物館・手相・怖い話・ガチャガチャが好きです。

マガジン

  • 『5分で読める小説』

    どこにでもある風景を切り取った時、それがどこにもない景色であることに気づくことがある。カフェで繰り広げられる女子たちの会話から生まれた「ある謎」を解き明かしていく、エッセイ風連載小説。

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忘れることのない日に、私はnoteを始めた

一年前の今日、私はnoteを始めた。 どうせ始めるなら自分にとって忘れることのない特別な日に、と思って11月15日スタートになった。 その日は親父の命日。 毎年この日が来るたび、親父のことを思い出す。だから、私がnoteを続ける限り、毎年この日は親父のことを書こうと決めた。親父が私に遺してくれたものを、親父の生きた証としてnoteに残していこうと思う。 これは今から30年近く前に母から聞いた話。 私の田舎はとても雪深く、スキー場も多い。当時、私の地元

    • ガストでロボットを追いかける人たち

      先日、ガストに行った。 「いらっしゃいませ」 「何名様ですか?」 「こちらへどうぞ」 少し前までは、こんな感じで店員さんが席へ案内してくれていた。しかし最近は自分の好きな席へ座り、店員さんを呼ぶことなく、テーブルに置いてあるタブレットで注文するシステムになっている。 最初に運ばれてくるはずのお水も、今はセルフサービス。 注文したのち、しばらくすると料理が運ばれてくるけれど、たいていの場合、店員さんではなく配膳ロボットが届けてくれる。 そして、最後の会計もタブレットを

      • 藤井風主演 映画『藤井、伝説作るってよ』 2024.8.24日産スタジアム劇場にて公開予定

        2024年8月16日。 朝からスマホが騒がしい。 ひっきりなしに台風情報が更新されていくなか、不意に藤井風さんの公式アプリからお知らせが届いた。 そこに何が書かれているのかはわかっている。どんよりした気持ちで、私はそのページの前でしばし佇んでいた─── 数か月前、藤井風さんの日産スタジアムでのライブ開催が発表された。お知らせを受け取ったその日から、私は毎朝、自宅の神棚に手を合わせお祈りをした。 「どうか、藤井風さんのライブに行けますように」と。 やがて、一次先行予約

        • 上京のはなし ~テレホンカードを握りしめた、あの夜~

          私は田舎育ちだ。 山と川しかない場所で生まれ 山と川しかない場所で育ったのに 私は都会へ出る道を選んだ。 都会への憧れなんて微塵もなかったのに─── 住み慣れた場所で、馴染みの人たちに囲まれて過ごす未来予想図が、私にはどうしても描けなかった。父や母との別れもそこそこに早朝、東京行きのバスに乗った。 窓からは山と川しか見えない。それなのに、数時間後には窓からの風景がビルやマンションや人ごみだけになるなんて信じられなかった。 はっきりとした夢や目標なんてなかったけれど、

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        • 『5分で読める小説』
          23本

        記事

          「四度目の夏」はまだ終わらない

          きっかけは「小さな親切心」だった。 コロナ禍だった2021年、真夏。 近所に住む友人からのSOSで、私は午後11時30分過ぎに友人宅に直行した。そこで私は「都会のアスファルトジャングルで彷徨っていた、とっても大きなヒキガエル」を保護して一番近い河原へ連れて行った。その顛末はこちら⇩ その翌年、初夏。 私は玄関先でひっくり返っていた「何か」を見つけた。 最初はゴキブリ?? と警戒したが、恐る恐る見てみると、ひっくり返ったオスのクワガタだった。「死んでるのかな」と思い、指で

          「四度目の夏」はまだ終わらない

          藤井風は「ウチら友達やし」って言ってたのに・・・

          これはきっと夢だ。 夢に違いない─── 私は小学三年生。真面目だけが取り柄の目立たない地味な小学生だ。 私のクラスには人気者がいる。カレは勉強も出来て、スポーツも出来る、それに歌も上手いしピアノまで弾けてしまう。しかも性格までいい。まさに非の打ち所のない少年である。 私なんかとは絶対に接点などないそんなカレなのに、ひょんなことから仲良くなった。私にとって自慢の友人だ。 来月(8月)はカレの誕生日。 カレの家では毎年「お誕生日会」が開かれる。一年生、そして二年生の時、私

          藤井風は「ウチら友達やし」って言ってたのに・・・

          マヨネーズが私に教えてくれたこと

          一か月ほど前から毎朝トマトを一つ食べている。プチトマトではなく、普通のトマトだ。 切るのが面倒で最初のうちはそのまま丸かじりだったけれど、油断すると、かじったところから「プシュ」っと中身が飛び出し、ちょっとした惨事を引き起こしてしまうため、最近はちゃんと切ることにしている。 食べやすいサイズにカットしたのち、最後の仕上げに私はマヨネーズをかける。それもちょっと多めに。 トマトにはマヨネーズがよく合う。見た目にも、まるで富士山の雪景色のようで美しい。 そんな「毎朝一個の

          マヨネーズが私に教えてくれたこと

          世界でたった一つのかき氷

          「今年もいよいよ、かき氷の季節がやってきた!」 と言いたいところだけれど、今やそのセリフは過去のものとなりつつある。なぜなら、令和の今、かき氷は夏だけの食べ物ではなくなっているからだ。 かき氷ブームが到来したとき「どうせ、タピオカミルクティーとか高級食パンみたいにすぐにブームは過ぎるんでしょ?」と思っていたけれど、かき氷ブームは過ぎゆくどころか、一年中食べられるものとして定着しつつある。 そんな「イマドキなかき氷」を、私も一度くらいは食べてみようかな、と思ってはみるもの

          世界でたった一つのかき氷

          怖い話が読みたくて、でも読めなくて。困った私が思いついた方法とは?

          私は寝る前に怖い話(怪談)を読むことをナイトルーティンにしているのだけれど、アラフィフおじさんであるがゆえに、目のかすみだったり、目の疲労を感じる時は読むのがちょっとしんどい。 そんな時は怖い話を諦めてすぐ寝ればいいのに、そんな時に限って怖い話を欲してしまう。そこで私は思いついた。 「そうだ、聴けばいいんだ!」 誰かが怖い話を朗読しているのを、目を閉じて聴く。これなら目にも優しいし、ただ聴いているだけなので、寝る前の私にとってはさながら子守歌である。 最近だとAudi

          怖い話が読みたくて、でも読めなくて。困った私が思いついた方法とは?

          その友達は、あなたの「本当の友達」ですか?

          例えば、あなたが美容師だったとして。 友人があなたのお店に髪の毛を切りに来てくれました。そして会計は5300円。友人は言います。 「細かいのがないから300円まけてよ、友達じゃん」 さて、あなたなら、どうしますか? 私ならきっと、300円をまけたのち友達をやめると思います。もちろん、その場ではありませんが、そのうち縁を切るでしょう。 「300円で縁を切るの?」 「(人間が)小っさ」 そう思われる方もいると思います。しかし「友達だから、いいじゃん?」と5300円の3

          その友達は、あなたの「本当の友達」ですか?

          noteが書けない時のためのnoteを書いてみた

          noteを眺めていると、 「記事が書けない」 「何を書いていいのかわからない」 そんな記事をよく目にする。その度に思う、 「みんな、難しく考えすぎでは?」と。 記事が書けないなら、無理して書かなくていいと思うし、何を書いていいのかわからないなら、なおさら書く必要がないと私は思っている。もちろん、みんなそれぞれに事情があることもわかっている。 記事が書けなくても、書かなきゃいけない事情があったり、何を書いていいのかわからないけど、何かを書かなきゃいけない状況があるのだ

          noteが書けない時のためのnoteを書いてみた

          電車のつり革の、輪っか越しに見えた世界

          最近、気になっていることがある。それは─── 「電車のつり革」だ。 そもそも、なぜ電車につり革があるのか。 それは電車が揺れるから。電車が揺れれば、乗っている人も揺れる。座っている時はさほど気にならないが、立っていればその揺れで倒れるかもしれない。そうならないためにつり革がある。にも拘わらず、 揺れる電車内で、つり革につかまらない人がいるのだ。 揺れて不安定なのはみんな同じはずだし、実際私がつり革や手すりにつかまらずどこにも寄りかかれなかったら、酔っ払いの千鳥足状態で

          電車のつり革の、輪っか越しに見えた世界

          正座は「正しく座る」と書くのに、実は間違った座り方って本当??

          一週間ほど前から、膝の調子が悪い。 もっと前から時々違和感を感じてはいたのだけれど、それまでは時間の経過とともに回復していたので、さほど気にすることなく過ごしていた、のだけれど、 今回はいつもと違う。 階段を上るとき鈍痛が出始めたのだ。 そのことを友人に話したところ、 「いよいよまるおさんも老化が始まったんじゃない?」 ニヤニヤしながら、整形外科へ行くことを勧められた。 アラフィフで明らかに運動不足な私。 日々テレビなどで「膝の痛みには~」みたいなCMが流れているが、

          正座は「正しく座る」と書くのに、実は間違った座り方って本当??

          「お金を出したい私」と「お金を出させたくない店員さん」の仁義なき戦い

          先日、ある晴れた日の午後のこと。 「捨てようと思っていたけど、もし一円でも値が付くなら」 ということで、友人の「いらないもの」処分に付き合って、某リサイクルショップに行った。 友人が査定を依頼したのは季節モノの服数点と、相当昔のテニスラケット、そして古いギター。 服とテニスラケットは10分ほどで査定が終了したのだけれど、ギターだけなかなか査定が終わらない。どうやら楽器はかなり念入りに査定をするようだ。 最初の10分ほどで店内をざっくり散策していた私たちは、想定外の査定

          「お金を出したい私」と「お金を出させたくない店員さん」の仁義なき戦い

          標準語の向こう側に私が見たもの

          留学や移住などで海外生活が長くなると外国語が話せるようになるように、都会での生活が長くなるにつれ、田舎から上京してきた人たちが話せるようになるもの。それが─── 「標準語」である。 ずっと若い頃はそれが嬉しかった。 「標準語が話せる!」 ただそれだけで、自分が一人前の都会人になったような気持ちになった。 たまの帰省で田舎の友人と会うときなどは、会話のところどころで敢えて「~じゃん」とか「~でさ」を使ったものだ。きっと田舎の友人は「いけ好かないヤツ」と思っていたに違いない

          標準語の向こう側に私が見たもの

          靴ひもは、ほどけるくらいがちょうどいい

          スニーカーを履いていると、たまに靴ヒモがほどけることがある。 人通りの多い道などで知らず知らずのうちに誰かに靴ヒモを踏まれたのかもしれない。あるいは、時間とともにヒモの結び目が緩んでいき、ゆっくりゆっくりほどけたのかもしれない。 人との縁もこのくらいの「緩さ」がちょうどいいのかもしれない・・・ほどけたスニーカーの靴ヒモを前に、私はそんなことを思う─── そう、縁というのはまるで靴ヒモのようなもの。結んだり、時にほどけたりするのが人の縁なのだ。 生きていく中で人はいろん

          靴ひもは、ほどけるくらいがちょうどいい