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その友達は、あなたの「本当の友達」ですか?


例えば、あなたが美容師だったとして。

友人があなたのお店に髪の毛を切りに来てくれました。そして会計は5300円。友人は言います。

「細かいのがないから300円まけてよ、友達じゃん

さて、あなたなら、どうしますか?

私ならきっと、300円をまけたのち友達をやめると思います。もちろん、その場ではありませんが、そのうち縁を切るでしょう。

「300円で縁を切るの?」
「(人間が)っさ」

そう思われる方もいると思います。しかし「友達だから、いいじゃん?」と5300円の300円を値切る人は、53000円の3000円を、53万円の3万円を値切るようになるでしょう。

ここで私が見ているのは、その金額ではありません。友達に対して「友達だから安くしてよ」と平気で言えてしまう、その人間性です。

代金を受け取る側が「300円まけとくよ、友達だから」だったらいいですが、「友達だから、300円まけてよ」というのはまるで、友達であることを利用した寸借すんしゃく詐欺みたいなもの。

「友達の定義」は人それぞれですが、私はこう思っています。

友達には幸せになって欲しいし、お金に困ることなく、病気をすることなく、日々楽しく元気に過ごして欲しい。それに───

損をして欲しくない。

もし友達が何か商売をしているのなら、売り上げに貢献したいし、他の友人知人を紹介したりして儲けさせてあげたいと思います。

だからもし、私が美容師の友達に髪を切ってもらうとしたら、正規の料金を支払うのは当たり前のこと。場合によっては5500円出して「少ないけど200円はチップで」とか、差し入れにお菓子を持って行ったりしたい。

世の中には「友達だから」という言葉を使って、無自覚に自分がいい思い、自分だけが得をしようとする人がいます。

美容師に限らず、弁護士とか医者とか、料理人とか。他にも英語が話せたり、何か特別なスキルを持っている人は「友達だから」と何かをお願いされたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。

もちろん、何かをしてもらった時にそのお返しがきちんと出来るのなら、お願いしてもいいんです。ただ、お返しが出来るようなきちんとした人だったらきっと、最初からそんなお願いはしないでしょう。

なぜなら、そういう人は相手がその特別なスキルを身につけるために大変な努力をし、場合によっては多くのお金を投資したであろうことがわかるからです。

それを「友達だから」と安くしてもらおうとか、タダにしてもらおうなんて、配慮と想像力がなさすぎます。

そうした背景が想像できるなら、友達だからこそお願い出来ないでしょうし、それでもお願いするようなことがあるなら、それは余程の事情がある時です。だとしたらむしろ、普通に頼むよりも多めにお金を払わなきゃと思うのが人情ってもんです。

「友達だから」
その言葉であなたに損をさせて平気な人はきっと、あなたの本当の友達ではありません。

「友達だから」
その言葉で自分だけが得をし、いい思いをしたい人にとって、あなたは「本当の」友達ではなく「都合のいい」友達です。

「友達だから」
得になることは教えてあげたい。何かしてあげたい。そして、もし何かあった時は助けてあげたい、それが本当の友達です。

「友達だから」
日々その言葉であなたに甘えているその友達は、本当にあなたの友達ですか?


ケチとかセコいと思われたくないから・・・そんなことを思って日々モヤモヤしているとしたら、そんな友達からはさっさと離れるべきです。

そもそも本当にセコいのは、値切ったりタダで何かをしてもらおうとしている側なのだということを忘れないで下さい。

もし、300円まけなかったことをセコいと言われたら───

「300円を値切るほうがセコくない?」
そう言い返せばいいだけです。

よく「人生において友達は財産だ」と言われます。

お金ばかりか、人間性までケチでセコい人と友達でい続ければ、間違いなくあなたが損をするだけです。関係を持っているだけで損をする、まるで「負動産」です。すぐに手放して下さい。

手放すのが遅れれば遅れるほど、あなたの心の豊かさは失われていくでしょう。そして、そういう友達は、あなたからさらに多くのものを奪っていきます。あなたの信用を損なったり、あなたの友人関係を壊したり。

「友達だから」

その言葉が口癖になっている人や、その言葉であなたに何かをお願いしてくる人にはくれぐれも気をつけて下さい。

本当の友達は「友達だから」なんて言いません。何も言わなくてもわかっています。ただ───

本当の友達が敢えて「友達だから」を使うとき。それは、

「友達だから、あなたを助けたい」
「友達だから、あなたを放っておけない」

そんなとき。

こちらが助けを求める前に、「友達だから」と言って、少しでもこちらの負担を軽く、そして気を遣わせないようにしてくれる、それが本当の友達なのではないでしょうか。

本当の友達であればあるほど、自分が大切にしているその友達に何かお願いをすることがどれだけ心苦しいことかをわかっています。

だから、先回りしてあなたに「友達なんだから気にするな」「友達なんだから遠慮するな」とばかりに、あなたがピンチの時に手を差し伸べてくれるのです。

「助けるのは当たり前」
「放っておけるわけがない」

だって───友達だから。

たった一人でいい。
そんな友達がいたら、あなたの人生はきっといい人生になるはず。

あなたには、そんな友達がいますか?

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