【読書感想文】二梅-FUTAUME-/兄弟航路

こんなにフォロワーさんいればみなさんご存知なのだろう。
私は最近知りました。
兄弟航路さん


本日20時頃小説が投稿され、私はあまりにも心打たれたので、感想を言わせてください
ええ、私ごときが感想なんておこがましいのは重々承知です
でもめっちゃ喋りたいんです
みなさんもありますでしょ?
どうか、目を瞑って……

※紹介でもなく、解説でもなくただの感想独り言です。ネタバレ(?)あるので読まれてから見てください。

感想

一方的ですが、めっちゃ大好きです
パパのいい子具合が「まさにそう!」と思って。
思考が刺さりまくって胸が痛かった〜
なんてリアルさ、生々しさ。

同じことを過去経験したわけじゃないのに、
(僭越ながら)私もこんな子だったと、奥の奥がざわめきました。


百子からチョコを受取り、帰宅後泣くシーンは、パパの真面目さ故なんだろうと解釈。
幼いながらの罪悪感をしっかり感じているんだろうと。
私だったら泣いていないので、
「全然意地汚くない素直でいい子じゃん!」と思いました。


初恋の相手が「菅原百子ーー」となっているのも、本当は「の母親」と続くのをあえてそうしているのかなと。
再読した時に、はっ!となりました。

最初は場面転換の記号だと思っていたので、そこの伏線はしびれました。


鍵っ子だから家の温かさを求めて、

家に行きたいから学校でも良い子ぶって、

百子を利用して。

昔の経験があるからこそ、あの時の年齢に近い娘を見たとき同じ寂しい思いをさせたくないし、本命チョコが気になるし。
娘への愛情をビシバシ感じました。


チョコ以後の百子との関係が書かれていないところが一見バレンタインで思い出したからと納得できるけど、

実はパパは思い出したくない醜い部分が露呈するから、それ以降のことは自分が無意識に蓋をしているとも見えたのもすごく深みを感じました。

パパの行動一つ一つにしっかりとしたバックボーンと根拠があって、長編小説ではないのにこんな厚みのあるキャラを見たのは人生で初めてでした。


タイトルである「二梅-FUTAUME-」
百子からチョコをもらった帰りに見た、百子に似た白い花弁の花から「二梅 = 百子」とも取れるし、
冒頭思春期の娘を開花の早い白梅(はくばい)と称して、男子よりも精神的成長が早い様、それを実の娘に投影し急に疎外感を感じたのを思春期到来と写したのもすごい。
それでいて、この百子と万葉この年の近い姿をそれぞれ白梅として「二梅」とも取れるところ。
単純にすごいとしか言えなかったです。

ふと思えば百の百子、その母親を重ねるかのように奥さんである千里、その娘の万葉はパパの愛の大きさなのかな?
もちろん奥さんを愛しているのはそうだけど、親になった今上下する熱のある愛情というのは娘への方が強いのかなと、それも表現されているのかなと思いました。

さらに百→万、子→葉と、近しい年齢でも娘のほうが大人びた感じがして、
最後はその娘から本命としてチョコをもらうことで、安堵や少し報われるというか、間接的に許されるというか、そう読み取れるのもすごく魅力的だと思いました。


すごくおもしろかったです。

ーーー
という誰でも言えそうなことでしたが、どうしても言いたくて
言えて良かった

#世界の片隅で愛を叫ぶ


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