見出し画像

仕事嫌いでも、出張が楽しかったわけ

僕は仕事が嫌いだ
働かなくていいなら働きたくない
やりたくもないのに納期が〜で残業して、休日までやって。
国内外出張もあって、しかも大抵休みの日
土日、GW、お盆、年末年始。

なんでこんなに働かなくてはいけないのかと思う。

そんな僕は今回2週に渡って休日出張が入り行ってきた。

行く前日まで絶望的だった。
自分の人生なんのためなのかと考えていた。

出張先は行ったことある場所とない場所の2箇所。
日中は先輩と仕事をこなして、帰ってホテルへ

でもここからは最高だった
ホテルの部屋は一人用だし、晩御飯は別でということで、翌朝の集合時間まで自由なのだ。

ホテル周辺を散歩した
気になるところを歩き回った
食べたいものを買った
持ってきていた本を読んだ
いつもはしない腕立て伏せもした

このホテルの生活はすごく求めていたものだった。
この時間を守ろうと、友人からの電話も出張を理由に断ったほどだ

出張を終えた今、安心する我が家(一人暮らし)に帰ってきた
何か違う

出張に行く前の、あの暗雲立ち込めていたモヤが薄っすらと残留しているように思える

それはこうやって文章を書いている今も起きている

出張続けたい(ホテルに帰りたい)

そう思っている自分に気づいた

ホテルと何が違う
あんなに嫌だと思っていた出張が今や恋しくなっているのだ

僕はひとまず溜まりに溜まった服をカバンからだし、洗濯機を回した
まとわりつく何かを払拭するべく腕立て伏せをした

やっぱりホテルと違った

汗をかいてきたからエアコンをつけてみた
温度もいつもより2度も下げてみた

でも、ホテルにはならなかった

シャワーを浴びても、
同じようにパンイチでベットに寝転んでみても
ホテルとは程遠かった

お腹が空いてきてご飯を作ろうとすると、冷蔵庫は空っぽ

買いに行かなきゃな

そう思った時、僕に衝撃が走った。
タイムラプスのように、脳内で今までの映像が描かれる。
それは陸に上がった魚みたいに左脳へ右脳へ飛び交い、逃さないように左右の目ん玉も追いかけている。
僕の腹の底に居場所を見つけたらしいそれは、
しばらくすると落ち着いた。
暴れまわっていた対比で普段よりも冷静さが際立って、冷蔵庫の唸る声とか、ワンルームの空気を回す扇風機の音がよく聞こえた
時々届くエアコンの冷たさが、自分の骨に届いた気がした。
部屋のLEDも風に乗ってきたのか目を細めてしまうほど眩しかった。


この家が、ホテルになり得ない理由が分かった

それは
エアコンの温度をあげないようにすること
自炊すること
洗濯物をすること
転職のために自己分析をすること
机の上が本で山積みになっていること
着る服を選ぶこと……

本当はもっとある
思い浮かばないだけで、実際は冗談でもなく星の数ほどあると思う

でも上のこと
気づいているだけでも大きく6項目は確実に影響している

共通点は唯一
これらについて考えているということだった

エアコンですら僕を操っているのには驚いた。

今からエアコンつけると電気代が……
夏をどう生きたらいいのか……
何度だったら節約できるかな……
あ〜でもやっぱり電気代かかるしな……
まあ、つけるか

黙ってつければいいものを、色々考えてしまう

ご飯もそうだ
あれ買わなきゃな、明日は何食べよう、朝は、いつ買いに行こうかな、明日は行けそうかな、仕事は……

行動を移すためにあれこれ考える

もうね、しんどい

だからだと気づいた
出張の良さ
出張=ホテルの良さ

仕事に関してはやること決まってたし、
仕事外は自由だから人に話を合わせようと頑張らなくていいし、
料金も払ってるからエアコンもつけ放題、温度も関係ない、
出張だからと普段しない外食もせざるを得ないから食べたいもの買って、
断ったから友人から電話がかかってくることもない
朝食も付いてるから寝て起きればいいだけ
やりたいほど自分の時間を、自分の思うままに使える

こんなに快適な時間はなかった
本当に素晴らしかった

そのおかげで分かった、今の生きづらさ
考えることが多すぎる
やらなければいけないことが多すぎる

なんでこんなに複雑なのか
でも複雑にしてるのは、自分だった

今暑いならエアコンをつければいい
電気代に怯えて小さくなるぐらいなら、冷房効きすぎて寒いと思うくらい使ってみればいい

お腹が空いたなら何か食べればいい
家にないなら外食やデリバリーすればいい
高いからとか、体に悪いからって四六時中お腹を鳴らしながら過ごすぐらいなら、
ファーストフードに行って一度でいいから思う存分食べてみればいい

こう書いててもすごい小さい思考で生きていたのだと気づく
コンビニは行かないようにしてた
いくら空腹でも。
そこだけ切り取ると、食べるよりも食べない
もっというと、生きるよりも死ぬ方向に行ってたんだな
それも将来のために

なんだかアホらしくなってしまった

我慢したところで、これがしたいからというものはなくて、漠然とした不安とか、世の中の流れ的なものに従ってたなって

今どうなの、って大事にしなきゃな
じゃないと一生あのホテルには戻れないし、それを追い続ける人生になるから

なんだかんだ口座にお金あるでしょ
積立NISAもしてるでしょ
格安SIMにも変えたし
ちゃんと備えてるでしょ

できることやってるじゃん
僕はよく頑張ってる


といっても、仕事は変える
だって人生を捧げたいほど、この仕事はしたくないから
自分の時間を捧げられるものは何か
今は読書とか小説を書くこと
全ふりする

やってやる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?