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カリフラワーでピザ作り

「あれ?カリフラワー?」
「うん、3月だし、そろそろ終わりだなと思っていたら手に入ったんだ。まだ君に食べさせたいレシピがあるんだよ。」

僕はカリフラワーをよく知らず、”カリフラワーはブロッコリーの出来損ない”程度の認識で人生の大半を過ごしてきた。
実は美味しい野菜なのだと知ったのが2月のこと。

うまいうまいと喜ぶ僕にあの手この手でカリフラワーの料理をしてくれている。しかし野菜には旬があり、食べられる時期というものがある。

「そっかぁ、カリフラワーはもう終わりなんだ。今はさ美味しさも知ったし、もうブロッコリーの出来損ないとか思ってないけど、ブロッコリーはまだ売ってるよね?」

「そうだね、ブロッコリーはカリフラワーと似てるけれど、収穫が違うんだ。」
「収穫?」
「そう。ブロッコリーは1つの株から何回も取れるんだよね。」
「何回も?どうして?」
「えーと、そうだなヒマワリを想像してみて?花が上についているだろう?」
「うん、あの花の部分がつまりは売られてるやつってことだよね」
「そう、それであれを切る、つまり収穫すると下の方の葉っぱの付け根あたりからまた次の芽が伸びてその先に花が咲く感じ‥わかるかな?」
「へー、なんとなく想像つくよ。何回も取れるってこと。カリフラワーは違うの?」
「うん、カリフラワーは上のひとつをとると終わり。」
「終わり?次の芽が出てこないってこと?」
「そう」
「そっかぁ、それでブロッコリーはまだ下から出てきてとれるからあるけれど、カリフラワーは終わるからもうない、というわけか。貴重だな。」

「そう。そこで、その貴重なカリフラワーを無駄にしないために君に重要な任務を与える。」

「重要な任務ってなんだよ?急に。あ~!一人でビール飲んでるな!?」

「ほら、この前、ピザ食べたいって言ってたろ?だから今晩ピザにしようと思ってさ。ピザにはビールだろ?」

何を当たり前なことを聞くんだという顔をして説明をしている。
キッチンにはチーズの香りが少し。

「それでピザ生地を焼いたはいいんだけどちょっと失敗。悪いんだけどこれ剥がすの手伝ってくれるかな?」

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重要な任務と偉そうに行ったかと思えば今度は少々バツの悪そうな顔をしている。手元をみると何やらアルミ箔にはりついている。

「なんだこれ?どうしたらこんなことになるんだよ」
「どうしたら?えーと、まずな、カリフラワーのピザ生地を作るんだよ。それはカリフラワーを茹でてからフードプロセッサーにかけて、さらしなんかで水分をぎゅっとしぼったものをパルメザンと混ぜる。で、オーブンシートに広げてオーブンで焼く。」

「うん。」(どうしたらって、作る方法を聞いたつもりはないんだけど、ビール飲んで気分よくなってるみたいなのでほっとくことにした)

「らしいんだけど、茹でるのもフードプロセッサー出すのも面倒だったからさ、そのまますりおろしてチーズ混ぜてアルミ箔に伸ばしてトースターで焼いてみたんだ。そしたらこれ。」

「らしいんだけどって、焼いてみたんだって、だーかーらぁ、一人で飲むなって言うんだよ!すぐ面倒になるんだから。いつもならこんなことにならないだろ?まったく。しょうがないなぁ、もう。」

しょうがないなぁ、もう。とくすくす笑いながらアルミ箔はがしという重大任務にとりかかる。
「たぶん、オーブンでオーブンシートで焼けばよかったんだと思うんだよな。すりおろして生地にするのはいいアイデアな気がするんだけど。」言い訳のようにぶつぶつ言ってる。

「よし!任務完了。」
剥がす途中で少し穴のあいたカリフラワーでできたピザ生地。カリカリしていて、そのままでも美味しそうだ。「ねぇ、美味しそうだしさ、もう剥がしながら食べちゃおうか?」ってもちかけたけどそこは飲んでいるくせにがんと譲らない。どうしても僕にカリフラワーのピザを食べさせたいらしい。

なんとか生地が用意できたのでトッピングにとりかかる。

「何のせようか?」「チーズ絶対!トマトソースは?ある?作る?」「仕上げに生ハムのせようと思ってるから、チーズと生ハムで塩気は足りる。」
飲んでいてもこの辺はぶれない。ソースはいらないということになった。

「俺、トマトの焼いたの好きなんだけどなー。」「それならトマトざくざく切ってのせよう。」「カリフラワーのせてもいい?」「のせようのせよう。」

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「やきあがったらレタスと新玉ねぎにブロッコリーのスプラウト!」
「サラダみたいだね。」

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「おーこれ、なんだカリカリ。」
「カリフラワーのせたやつもいいな、ホクホクだ。」
「新玉ねぎの甘さがちょうどいいーこれ好きだぁ。」
「やばい、うまい、ビールがすすむな。」
「今週もよく頑張ったー!」
「頑張ったなー!お疲れ!」


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一週間お疲れさまでした。フォローしているノーターさんからピザも美味しいと教わって作ってみたら美味しかったので簡単レシピ小説に書いてみました。どうぞ楽しい週末を。

重大任務の待つカリフラワーピサの作り方
1.カリフラワーをすりおろして粉チーズと混ぜる
2.アルミホイルに押し広げ10分~15分かりっとするまでトースターで焼く
3.重大な任務(ホイルにこびりついたピザ生地を剥離する)を遂行
4.チーズ、ざく切りトマト、小房にしたカリフラワーを3にのせてチーズが溶けるまで焼く
5.レタス、新玉ねぎ、ブロッコリースプラウト、生ハムなど好みの具をのせてたべる

読んでいただきありがとうございます。 暮らしの中の一杯のお茶の時間のようになれたら…そんな気持ちで書いています。よろしくお願いいたします。