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哀れなるものたち

先日授業で制作会社の方に来ていただきました。
その時にネタを作るにはその時感じたことを忘れないことが大切というお話を聞きました。
ということであまり関係ないのですが、先日観に行った映画「哀れなるものたち」の感想を書きたいと思います。

推し活から得たきっかけ

いきなりですが私はドラマや映画を観ることが好きではありません。なぜかというと主人公に感情移入しすぎるからです。よくある誰かが死んでしまう系の映画(中高生が観に行くようなライトなやつ)でも残された側に感情移入しすぎて数日はひきづります。一昨年推しが出ているからという理由で頑張ってみた映画は1週間は引きづりました。
ところが私の推し中島健人君は大の映画好きです。WOWWOWで「中島健人の今映画について知りたいこと」という番組を持っていたり、アカデミー賞授賞式の現地リポーターを務めたりしています。そんなこともありノミネート作品に触れることが多く、その中で気になっていたのが「哀れなるものたち」でした。

あらすじ・ストーリー

天才外科医のバクスターの手によって胎児の脳を移植されたベラは、不幸な死からよみがえる。世界を自分の目で見たいという欲望に駆られたベラは、放蕩者の弁護士・ダンカンに誘われて大陸横断の旅に出る。偏見から放たれたベラは、世界を吸収し、成長していく。

圧巻の美術

この映画とにかくグロいです。ライトな医療ドラマでも目を瞑ってしまう私にとってはなかなかきついものがありました。でもとにかく美術がすごいんですね。

この物語はいつの話なのかという明確な時間設定がありません。
全体的には昔のヨーロッパを感じさせつつも現代的なものを取り入れることで時代を気にさせない独特な世界観を創り出しています。
私は特にリスボンの街並み(3・4枚目)に魅了されました。

ベラが成長していく描写

ベラはあらすじにもある通り、成人女性の死体に胎児の脳を入れ蘇生させた人間です。そんな異常なルーツを持つベラは物語の中で「良識ある社会」に当てはまらない自由な生き方をしていて少し羨ましくなりました。
人間誰しも肩書きや世間体を気にして生きていくものです。しかしベラはそもそも気にする世間体というものがないので思った通り行動し学び自分の好きな人間だけを囲って生きます。
この物語には数え切れないくらい性交描写が出てきます。しかしそれは物語の途中までで、本を読むことや勉強することの楽しさを覚えた後半ではそのような描写は全くありませんでした。
そのような性を通して成長したベラを見るのも面白かったです。
また途中で同性との性的描写が出てきます。2人は恋部と関係ではなく同じ社会主義者の思想を持つ良き友人です。最後のシーンで2人はベラの家で一緒に暮らしています。(ベラの婚約者もいます)
ベラには「良識ある社会」では到底受け入れられない過去がたくさんあります。しかしベラは決してその過去を否定せず全て自分のルーツとして受けれ、世間体やセクシュアリティにとらわれず自由に生きるベラに少し勇気をもらいました。
文字で説明するのは難しいので、ぜひみなさんにもみていただきたいです。
そういえば観終わった後にスコーンを食べました、結構グロかったのによく食べたなと思います。少しは現実と物語を分けて考えられるようになったみたいです。成長しました!

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