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転職や副業について考えたときに読んでみるといい本

「転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方」はmoto(戸塚 俊介)氏が書いた書籍です。

 時代の変化に伴い、企業だけでなく個人にも変化を求められていると書かれています。これからの社会では会社も組織も個人のキャリアを保証はしてくれないと述べています。

 給与は「もらうもの」ではなく「稼ぐもの」という言葉が非常に印象に残りました。会社員として勤務していれば、決まった日に給与は振り込まれるため、「もらうもの」という認識となることはわかります。しかし、「稼ぐもの」とはどういうことか。それは最終的には個人で稼ぐ力を持つということだと考えます。

 転職や副業は、より高い給料や新たな成長機会、自分の置かれた環境を変えるために誰もが使うことができる手段であると書かれています。そしてこれからは、いつでも転職できる状態にしておくことが大切であると述べています。私の中で転職というと劣悪な労働環境から抜け出すためや、恵まれない人間関係を改善するためといったマイナス的なイメージがありました。しかし、moto氏が述べていることは、私が考えているものとは真逆の内容でした。

 moto氏は、転職して自らのキャリアを築き、のし上がった方です。転職でのし上がるとは、どういうことか。それは上司の評価より、市場評価に軸を置きキャリアアップを重ねるということです。会社員であれば、社内での評価を気にするのはもちろんですが、転職活動では「上司の評価」や「会社からの評価」ではなく「転職市場における市場価値」で比較されることになります。本質的には「自分で市場からの評価を上げていく」ことが大切となると書かれています。

 私も普段、会社員として勤務しており、上司や会社の評価を気にしていますが、市場評価は全く気にしていませんでした。どうすれば、上司からの評価を上げられるかという狭い視点しか持っていませんでした。しかし、この書籍を読み、考え方が変わりました。具体的には、自分を成長させるチャンスや自分や他の人がしたことのない仕事があれば、その仕事に積極的に関わるようになりました。そして次のステップとして、その中で成果を上げるにはどうすればいいかを考えていくことを目標としています。

 書籍の中では、市場価値を高める5つの力が紹介されています。
1 論理的な思考ができる力
2 構造的に物事を捉える力
3 物事を俯瞰したうえで、課題を特定する力
4 課題に対して仮説を立て、誰にでも分かりやすく話せる力
5 1〜4を用いて組織をマネジメントする力

 moto氏によると年収1,000万を超える求人の多くにこの5つの要件が求められるそうです。ただこの力は特別なものではなく、普段の仕事の中で誰でも身につけられるものだと述べられています。そして普段の仕事の中では、自分の仕事を理解して、その内容をわかりやすく伝えられる能力が大事だということです。相手が誰であっても同じ目線に立って、物事を伝えられるかが必要です。

 実際にこの能力は確かに会社員として必要な能力だと感じます。例えば、仕事の引き継ぎを行うときは、その仕事について理解していないと説明ができません。なぜ、その仕事を行う必要があるのか、何のために行っているかまで理解していないと説明はできません。私も普段から自分が担当している業務については、深く理解して、引き継ぎのときには、ゼロベースで説明できるように気をつけるようにしています。

 また書籍では、市場価値を上げる3つのキャリア設計図についても紹介されています。

1 .出世によるキャリア
 会社を渡り歩く政治力と同僚との競争に勝ち抜く忍耐力や我慢強さと述べられています。さらに今の時代は転職組も参入してくるため、社内における実力と実績がより必要とのことです。

2 .職種のスペシャリストになるキャリア
 業界にはこだわらず自分の職種に軸を置いて、どんな会社でも活躍できる横断的スキルを高めていくことで年収の高い業界に身をおくことが可能となります。

3 .業界のスペシャリストになるキャリア
一貫して同じ業界内で動くことでその業界の知識や知見を誰よりも有する「オタク」のような存在を目指すキャリアのことと述べられています。要するにある分野の専門家です。

 著者のmoto氏は、2の職種のスペシャリストとしてキャリアップを重ねてきたそうで、これを「軸ずらし転職」と呼んでいます。私はキャリアアップといえば、会社で出世して収入をアップさせることと考えていました。しかし、moto氏が述べているキャリアアップのために必要なことは、自分の先にある選択肢を見据えて行動することです。具体的には今の職種や業界の本質を捉え、他業界で活かすための共通点等がないかを考えながら仕事をすることと説いています。

 moto氏は、転職活動や就職活動は、自分を売り込む営業活動であると述べています。そのため、自分を雇うことのメリット、相手が求めていることを理解し、自分には何ができるかを伝えることが基本であるとの主張をしています。私も就職活動を経験しましたが、この部分には非常に共感できます。会社が求めているのは、その人自身が、具体的に何ができるかです。結果どうなったかではなくて、その結果を出すために、どのように行動して、改善して成果を出せたのかという過程の部分が大事だと考えます。

 本書では副業についても触れられています。moto氏は副業で「サラリーマンとして苦労して得たこと」や「自分の転職経験」をコンテンツにして副収入を得ているそうです。本業(サラリーマン)で得た経験をTwitter等のSNSで発信し、ある分野に詳しい人という個人のブランドを築き、情報の信頼度を高めてきたとのことです。

 副業をするメリットも以下の通り、挙げられています。

1.個人のブランド化   
:◯◯ができる人というブランドを築くこと
2.収入チャンネルの増加 
:複数収入を得られるため、リスクヘッジとなる。
3.本業での市場価値向上 
:複数収入があることで気持ちに余裕が生まれ、本業でも大きなチャレンジが可能。

副収入を得られるだけでなく、本業にも繋げられる副業は、行うメリットが大きいと感じます。
 そしてmoto氏はサラリーマンの副業は労働集約型にしないことを主張しています。選択する副業は、リスクが少なく、負荷が小さい、そしてTwitterの個人プランディングと相性のいいコンテンツ販売が紹介されています。コンテンツ販売を行う上では、本業や過去の経験、リクルートが発信しているテーマを参考にすると良いと述べています。
 Twitterで発信しようと決めても何をテーマに発信すればいいか分からないと悩む人は多いですが、これは非常に参考になる内容であると思います。内容も具体的で、再現性の高いものだと思います。私自身もTwitterでの発信内容に悩むことがありますが、まずはmoto氏が述べているように私の得意とする分野のニュースについて、引用リツイートという形でコメントしてみようと思います。

 昨今、多様な働き方が推進されている中で副業を解禁している企業も多くあります。会社員、フリーランス、起業、転職、副業など他にも様々な選択肢があります。このような状況の中で副業についても看過することはできないと思いますし、働き方の選択肢を増やすことは生きていき中で必要なことだと考えます。

 著者のmoto氏も述べているように会社は個人のキャリアを保証してくれません。この書籍を読んだことで自分のキャリア、仕事の取り組み方、どのよう今後働いていくかを考えていく良い機会となったと思います。

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