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トックリトックリ、と歩いた休日

肋骨の折れ具合が良くなったので、休日の今日、歩きで都内をウロウロしてきた。

もう、歩いている時は大丈夫。

肋骨が折れた当初は寝ている時だけが楽だったのに、同じ姿勢で寝ていたら、寝ている時が一番痛い状態になってしまい、枕の所の壁に寄りかかって座りながら、寝ていた。

昔の夜行電車のシートで寝ている状態、と自分に言い聞かせて寝た。少し楽しかった。

先週の日曜日に運動できなかったので、その前後のそれぞれ平日一週間、合計2週間運動できなかったということになる。

筋肉は落ち、脂肪の塊になっていた。

自転車は少し心配なので、とにかく歩きたい。体を動かしたい。

中学校から大学卒業までほぼ通っていた、家から御茶ノ水間での道を、久しぶりにゆっくり歩く。

途中に、急な坂があったり、旧跡があったり、東大をはじめとした名門大学があり、夏目漱石みたいな気分になれる良いルートだ。


最近の坂は田端山へ
東大の紅葉が燃えている。

夏目漱石の暮らしていた神保町に行くと、良く入る麻婆豆腐の名物店で、大辛を食べた。

ビルのガラスに映った自分の腹がとんでもないことになっていたので、予定の東京駅を越えて、二駅先の浜松町まで歩き、ひとまず京浜東北線に乗った。

今日の一つの目的は日本酒の購入。

大晦日用の海老の下ごしらえに10年くらい使っていた酒を今回変えることにした。

前の日本酒に不満はなかった、素晴らしい酒だったんだけど、酒蔵の方向性と、自分の天ぷらの味が離れてきてしまって、今回は変えることにした。

今回の日本酒は、東海度を歩いていて出会った酒。

今までの酒も今回の酒も、昔ながらの造りを大切にしていて、複雑な味で、さらに酸味が強い。

何度となく静岡でも飲み、東京でも静岡でも限られた酒屋でしか買えない小さな酒蔵のもの。

今回、3種類買ってきた。

山廃純米、生酛純米原酒、山廃本醸造。

どれもたまらなく旨いんだけど、今日一通り、改めて飲んでみて、山廃本醸造はめちゃくちゃオールラウンダーで凄い。これで二千円しないのは…

少なくとも税抜き2500円以上は払いたい。

昔ながらの製法で作られた純米酒の深みと、醸造アルコールの気品のあるキレのバランスが、自分の店の天ぷらや海老の仕込みには、紛れもなく相乗効果を与えてくれそう。

杉錦が数種類、ほぼ確実に買える店は静岡でも少ない。その中での奇跡。うちから自転車で三十分ほどのこちら。

埼京線十条駅のアーケードを入ってすぐです。
今回は大小合せて六種類売っていました。

大林酒店で合計4本6キロ位をバックに背負って、そこからまた自宅まで4キロ歩いて家路へ。

江戸時代の酒は灘で作られて江戸に船で運ばれる時に、樽の中で揺れて旨くなったって言いますからね。

歩いて帰らないと。

酒が「トックリ、トックリ」ってカバンの中で言ってました。モーツァルトの子守唄でも歩きながら歌えば、さらに良かったかな。

なんて書き込んでいる間に、自由になる休日は来週の日曜日のみに。

その翌週24日は休業日ながら、シャッターを閉めて各種年末の仕込み。

無事に今年を終わらせて、旅に出たい。

そして徳利で日本酒を。

トックリ、トックリと。