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ちょっと遠くのターゲットはニーズがない。

企業の新規事業開発に関わる方々へのインタビューより、実践の現場で生まれた知恵、「クオートチップス」をお届けします。

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既存事業をもつ企業のなかで発足する新規事業開発は、既存事業のターゲットにとらわれないことが、重要になる場合があります。
また、市場ニーズを調査→試作→検証を進めていく中で、事業内容を見直すことも少なくありません。
カワサキモータース株式会社で電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」の開発を手掛けている石井氏も、ノスリスの開発初期段階ではターゲットユーザーを、オートバイユーザーから少し離れたところにしか想定できていなかったと言います。

“ターゲットユーザーをオートバイの層から広げたいと思っていたけれども、オートバイの世界からちょっと離れたところにしか想定できていませんでした。
ちょっと離れたところってあまりニーズがないんです。
「ちょっと離れたところ」のコンセプトで作った試作車両で試乗会を実施しても、喜んでくれるのはオートバイ好きのユーザー層だけでした。
そこから、もう一度ターゲットユーザーを考えました。”

カワサキモータース株式会社 技術本部先行開発部 第2課 課長 石井宏志氏

開発段階において、はじめは三輪のオートバイに近い車両を作ったといいます。
オートバイ好きのユーザーには好評だったが、二輪を乗っていないユーザーから反応が鈍かった。そこから市場の反応をみて、どんどん形を小さくしていき、最終的には現在の自転車風の形状になったといいます。
市場環境や顧客ニーズに柔軟に対応することで、既存の事業にとらわれない新たな価値を創出した石井氏の事例は、ターゲット選定に難しさを感じている新規事業推進者にとってヒントとなることでしょう。

背景

カワサキモータースでは、「毎日の移動をもっと快適に!」をコンセプトに電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」の開発をしている。独自の3輪構造を生かした高い積載能力・安定性と高性能モーターで、『ちょっとそこまで』の移動、運搬といった毎日の生活のワンシーンから、風や景色を感じながらの『もっと遠くへ』まで、自由な暮らしを幅広くサポートする。軽量な車体は女性や高齢者にも扱いやすく、幅広い方が気軽に運転できる電動3輪ビークルである。


電動3輪ビークル「noslisu(ノスリス)」
https://noslisu.jp/

カワサキモータース株式会社
https://www.kawasaki-cp.khi.co.jp/corp/
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