国際化ってただやればいいのか、いや違うでしょ
2018年8月6日、私は島根県松江市に行った。国宝の松江城を見学した後、どこへ行こうかと考えながら、松江城北側の堀沿いの塩見縄手という通りを歩いていた。
色々考えて、小泉八雲記念館を見学して帰ろうと思って、通りを歩いていると、白人女性のグループに「すみませーん」と声をかけられた。
「はい?」と答えると、いきなり英語になって、Excuse me, but where's this soba restaurant?と、英語で書かれた観光ガイドブックのページを指して訊かれた。
「私、ジモティーじゃないのに」「え、(ふだん英語を教える仕事をしてて、プライベートで旅行来てるのに)ここで英語しゃべらなきゃなの?」とか思いながらも、素直な私は、英語でお話しながら、ガイドブックを見て一緒に八雲庵を探してあげた。
八雲庵というのは、塩見縄手にある出雲そばと鴨南蛮で有名なお店だ。
でもね、私、蕎麦アレルギーあるから食べれなくて、なんでこういう巡り合わせになるんだかなと考えてもいたのね。
結局、「八雲庵」は見つかったんだけど...
お店の看板には「そば屋 八雲庵」としか書いてなくて、どこにもローマ字のYakumoanのような表記がなかったんだ。
だから、ひらがなや漢字の読めない、英語で話しかけてきたグループには、そのお店の場所が看板からわからなかったということ。
でもさ、よく考えると、塩見縄手が観光地として成り立っているのは、江戸時代当時の面影が今も残っているからなんだよね。
そこにあるおそば屋さんに、Yakumoanとローマ字の看板がかかっているのは、やっぱり無粋で、周りの雰囲気に合わない気がした。
国際化だ、インバウンドだということから、なんでもかんでもローマ字(場合によっては中国語とハングル)の掲示を付けるのは、なんかちょっと違う、松江の八雲庵はこのままでいいんじゃないか、と思った一日だった。
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