日常生活や都市空間の中で「演劇をつかう」。
「シアターコモンズ」は演劇的な発想を活用することで、
「来たるべき劇場/演劇」の形を提示するプロジェクトです。
ここでは2020年…
- 運営しているクリエイター
#演劇批評
生き延びる(ための)トリック──シャンカル・ヴェンカテーシュワラン『インディアン・ロープ・トリック』評
髙橋彩子(演劇・舞踊ライター)
_____________________
広場に現れた奇術師が空にロープを投げ、弟子の少年と共にそれを登り、少年の身体をバラバラにして地上へと降らせたり、その身体をまたもとに戻したりするという「インディアン・ロープ・トリック」。シャンカル・ヴェンカテーシュワランが、インドで古くから行われ、何世紀にもわたって誰も解明できなかったこのトリックをどのように表現するの
「正面」から/を問うセ(ルフ)リフ(クレション)──リーディング・パフォーマンス 中村大地/松原俊太郎『正面に気をつけろ』評
山﨑健太(演劇批評)
_____________________
「正面に気をつけろ」。参加者自らが戯曲を読むという形式をとるリーディング・パフォーマンスにおいて、この言葉は単に突きつけられる警告としてでなく、それを発する自らの立場をも問い直すものとして響くことになる。
演出家の中村大地によって参加者に与えられた指示は以下の通り。
○人物
・『正面に気をつけろ』を、4人の「もう死んだ者た
「隔離」と「感染」のデジタル・ドラマトゥルギー──ジルケ・ユイスマンス&ハネス・デレーレ『快適な島』評
岩城京子(演劇パフォーマンス学研究)
______________________
関心経済の格言は「我シェアする、故に我あり」 西洋ルネサンス時代の一点透視図法は「人間の驕り」によって誕生した。「私」という白人男性である主体が「絵」に描かれた客体を、秩序だったかたちでコントロールしたい。そのために、歪み、濁り、ひずみ、ブレ、闇、醜さ、見苦しさなどのカオス的混成体であるリアルを、明晰な尺度に収め