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会社の価値を図解する #会計の地図

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それではここから本文つづきです。


会社は、
社会から何を
求められているか?


パート1では、自分からみた会社のお金の流れを説明した。自分が、どうやって売上を上げ、費用を下げ、利益を上げるのか、という視点から出発して、最終的に財務3表にたどり着いた。

パート2では、社会からの視点を紹介したい。つまり、「会社は、社会からどう評価されるのか? どう見られているのか?」という視点だ。

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多くの人は、働くことで会社に貢献し、会社は社会に貢献している。会社に所属していない人でも、どこかの会社と取引をする。あなたと社会の間には、避けがたく「会社」があるだろう。

「会社へどう貢献するか」は、「会社からどう評価されるか」とセットで考えたほうがいい。どれだけ貢献したかが、どれだけ評価されるかにつながる。もちろん、評価されるために仕事をしているわけではない。ただ、一定の評価を得なければ、会社で仕事を続けるのは難しい。

自分が会社に貢献し、会社から評価されるのと同様に、会社は社会に貢献し、社会から評価される。ということは、社会がどんな評価をくだすかということが、会社が自分へくだす評価にも関わってくる、ということだ。反対に、社会からの評価と会社からの評価がまったく違う場合は、その会社での仕事を考え直したほうがいいかもしれない。

社会そのものが時代の変化とともに大きく変われば、もちろん社会からの評価も大きく変化する。その変化についていかなければ、自分が会社や社会に貢献するには何をすべきなのかもわからなくなる。

つまり、「いま、社会からどんなことが求められているか?」を知ることで、「自分がやろうとしている仕事の価値がどれだけ社会に受け入れられるのか」を考えることができる。

パート2は、まず「会社の価値」とは何なのかという話から始めたい。パート1の時と同じように、最初に全体の5つの流れを1つにまとめた図解があり、そのあとに細かい流れを図解している。

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一般的に、会社のもともとのお金の出し手は株主と銀行だ。だから、株主と銀行にとっての価値をあわせたものが「企業価値」とよばれる*。でも、企業価値が会社の価値の全部だといわれると、ちょっと違和感あるな、と思うかもしれない。

だって、会社にはたくさんの人が関わっている。お客さんも、取引先も、地球環境にも影響を与えている。みんな関係しているじゃないか、と。

誤解を恐れずに結論から言えば、その会社に関係するすべての人の気持ちは「のれん」というところに行き着く。のれんにはみんなの気持ちが乗る。お客さんが会社を応援したくなったり、「すてきな商品やすばらしい体験を提供してくれるであろう会社だ」と思う人々の期待が詰まった会計用語だ。

反対に、会社が信用をなくすような行為をすれば、のれんはなくなり、結果、企業価値も下がる。大事なのは、「のれん」。パート2では、そういう考え方を説明していく。

説明する単語は、時価総額、のれん、PBR、ROEのたった4つだ。難しそうに思えるかもしれないけど、今まで学んできた知識があれば、決して難しくない。

なお、ここで紹介した会社の価値の図解は、パート1の図解と似ているが、少し違う。パート1では、BSとPLを合わせた図を使っていた。パート2では、BSに時価総額を加えた図になっている。表現は異なるが、BSがベースになっていることは共通している。コインの表裏のように、少し異なる角度から見ているイメージで読んでみてほしい。

* 企業価値の求め方はいくつかの方法があるが、ここでは「マーケットアプローチ」を取り上げた。

* ここでの企業価値は株主価値と負債価値の2つを合わせたものだ。株主にとっての理論上の価値は、時価総額である。時価総額については次ページから詳しく説明するが、時価総額によって「自分が買った株の値段がどれだけ上がり下がりしているのか」がわかる。一方、負債価値は銀行にとっての価値だ。なぜ負債が価値になるのか、不思議に思えるかもしれない。しかし、少し考えれば、会社の負債は銀行にとってみれば資産である。銀行はお金を貸して、返ってきたお金に加えて利息を得るからだ。

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