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涙の数だけ強くなれるよ。

といったのは、岡本真夜『TOMORROW』ですが、95年の曲なので、最近の人は、知らないかもしれないですね。

では、『1リットルの涙』の話をしましょう。

こんにちは。人事の小山です。

仕事柄(?)、組織の中のヒトの喜怒哀楽に関わることも多く、誰かが泣いている場面に関わることも多いです。

いつもの日常の記憶は覚えていませんが、誰かがあの時、涙を流していたというのは、時間がたってもよく覚えています。

悔し涙、悲しい涙、嬉し涙・・・

感情は様々ですが、
感情が、自分の中で抑えきれなくなったときに、
涙は流れるものです。

そんな涙の意味についての記事を書きます。

1リットルの涙

実話を基に、書籍化、ドラマ化、映画化された話なので、みなさんもご存じではないでしょうか。

おそらく一番有名なのは、テレビドラマだと思います。

沢尻エリカさん、錦戸亮さん(今週話題になっていましたが、錦戸さんといえば、『1リットルの涙』と思うのは、私だけではないはず)あとは、レミオロメンの主題歌『3月9日』、『粉雪』で、社会現状レベルくらいの話題になったように思います。

テレビドラマは、原作に手を加えているので、今回は、原作の
書籍から抜粋して考えていきましょう。

この本
・本屋で、平積みになっているのを手にとって、
・主人公の出身校が同じ高校だったので、驚いて本を買いました。

(映画版のロケは、私の出身の高校で行われたようです。)

なぜ、1リットルの涙を流すのか?

このセリフですね。

『わたしは東高を去ります 。そして 、身障者という重い荷物を 、ひとりでしょって生きていきます 。こう決断を自分に下すのに 、少なくとも 、一リットルの涙が必要だったし 、これからはもっともっといると思います 。耐えておくれ 、わたしの涙腺よ !負けて悔しい 、花いちもんめ悔しかったら 、やればいいじゃん 。負けとったらいかんじゃん』

豊橋東高校(愛知県の進学校)に進学したものの、病気になって、歩くことが不自由になって、教室移動も友達の支えが必要になってきて、そして、ついに、養護学校に移ることを決めたときの感情を表したのが「1リットル涙が必要だった」なわけです。

涙を流す理由をまとめてみましょう。

● 自分が障碍者だと、自分を受け入れられなかった。
先天的な病気ではなく、昔は自由に体を動かせたから、できるようになるんじゃないかと思っていたこと
● 周囲の手助けなしに移動できない(周囲に迷惑をかけること)
● 周囲から障碍者だと、あざ笑われる
● そもそも、なぜ病気は私を選んだのか
● 進学校にいくだけ勉強を努力が報われなくなる。
● 健康な人が周りからいなくなるのが不安だった。
● 養護学校にいくというのは、自分で決めたかった。
● 病院の先生は、親ではなく、自分に直接「養護学校にいくように」言わずに、親に伝えることで、自分を信頼していないと思った。

周囲から障碍者だと思われるつらさ。だからこそ、養護学校にいった方がいいと思うわけです。それでも、健康な人たちと一緒にやれると思っているのに、養護施設にいかないといけないという葛藤。

環境が変わる不安や恐怖、自分の将来がどうなるのだろうかという恐怖の割合が大きかったのでしょう。

その恐怖においつちをかけるように、不信感やいら立つが重なってきて、
1リットルの涙を流すわけですね。

というか、ずっと、たくさん、日々、涙を流し続けてきたから、1リットルくらいは、泣いてるんだということですね。

テレビドラマ版の涙の理由

書籍を基にした作品であって、完全ノンフィクションではありません。

テレビドラマ版での1リットルの涙を流す理由はこちらです。東高校を去るシーンでのことですが、涙の理由が、結構が変わります。

『だって、この身体になってから、初めて気付いたことがたくさんあるから。側にいてくれるだけで家族ってありがたいんだなとか、さりげなく支えてくれる友達の手がすごく温かかったりとか、健康なことがそれだけですごく幸せなこととか、病気になったからって失うばっかりじゃありませんでした。

この身体の私が私だって、障害っていう重荷を背負っている私が今の私なんだって、胸を張って生きて行こうと思いました。

だから、養護学校に行くことは自分で決めました。みんなとは生きる場所は違うけど、これからは自分で選んだ道のなかに、一歩一歩光を見つけたいから。
そう笑って言えるようになるまでに、私には少なくとも1リットルの涙が必要でした。』

おそろしくポジティブに変わってます。それはそれで作品として良いと思います。

変わっているところをまとめてみましょうか。

・(原作)病気への恨み ⇒ (テレビ)病気だからこその感謝

・(原作)友達への気持ち 
「去らないで」と引きへ留めてくれないか最後まで思っていたり、
同時に、「友だちが世話が重荷になる」と先生から聞かされて、全身の血がひくほど驚いたようです。感謝というより、迷惑をかけていたことに「どうして早く気が付かなった」のかという後悔が強いです。
⇒ (テレビ)友達の感謝

・(原作)自分では決めれなかった。(最後まで未練がある) 
⇒ (テレビ)自分で決めた。

・(原作)絶望。苦しみ。惨め ⇒ (テレビ)希望。胸を張って生きる。

なんなら、テレビドラマは、みんなの前で、このセリフを言いますが、
現実は、泣いてしまってうまくお別れを言えなかったようです。

1リットルの涙の違い

テレビドラマでは、涙の理由をポジティブにしました。
この点について、思うところをまとめます。

1.ポジティブの押し付けでは?
そんなに、ポジティブになれないから、1リットル涙を流したのでは。

2.1リットル涙を流した意味をもたせようとした
ネガティブな気持ちで1リットル涙を流したことは、変わらないわけです。でも、1リットル涙を流したのだから、「涙の数だけ強くなれるよ」ではないですが、涙の分だけ希望を与えたいということなのでしょう。

3.同じ出来事でも捉え方が変わる
ポジティブの押し付けかもしれませんが、同じ出来事に対しても、ネガティブにとらえることも、ポジティブにとらえることもできるということを伝えているように感じます。

1リットルの涙が学ぶこと

涙は、だいたいネガティブです。
そして、だいたい自分のために泣きます。

でも、涙のあとには、人に希望を与える力に変えてほしい。
自分の涙を、誰かの笑顔に変えてほしい。

それが、テレビドラマ版での、メッセージだと思います。
そして、このメッセージ性がゆえに、共感をされたのかもしれませんね。

今年も、たくさんの涙を見てきました。

その涙の数だけ、笑顔を増やしていく
涙の数だけ、希望を増やしていく

これも私の仕事のひとつだなと思います。

ちなみに、この新卒海外研修生の子たちも、
この研修で学んだ本当に大切なことは何ですか?
といって、泣いてましたね(笑)

最後に

『1リットルの涙』といえば、この曲です。
『3月9日』、新卒海外研修生がサプライズでみんなで歌ってくれましたのは、忘れられない思い出ですね。

『3月9日』

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インド、フィリピン、マレーシア、トルコ、インドネシア、ベトナム、バミャンマーで働く11名の喜怒哀楽の物語。 【新卒海外研修】(連載中) http://www.kuno-cpa.co.jp/recruit/shinsotsu-kaigai/