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ChatGPT Enterpriseを社内推進!OpenAI Japan社を招いてセッションを開催しました!

こんにちは、トヨタコネクティッド AI統括部です。

6月26日に、OpenAI Japan社の佐々木様・Emma様が当社に来社され、「セッション」が行われました!

本セッションでは、「全社向けセッション」・「Ambassador 向けセッション」・「AI Creators 向けセッション」の計3つのセッションを開催しました。

*「Ambassador」とは「自らの力でユースケースを創造する人材」と定義 しています。
*「AICreators」とは、「ユースケースを発達させ、共有できる人材」と定義しています。

それぞれのセッションで多くの方に参加していただき、社内のAI利活用促進に向けて有意義なイベントになりました。
それでは、セッションの流れや内容について紹介いたします!


本セッションの概要

1 全社向けセッション

OpenAIの会社紹介と歴史、ChatGPT Enterpriseの説明をしていただいたうえで、AIを活用できる企業になるための具体的な3つの方法と実際の導入事例を紹介していただきました。

2 Ambassador 向けセッション

当社のAmbassadorによるデモンストレーションを通じて実際の業務の中で使用できるテクニックを学びました。

3 AICreators 向けセッション

プロンプトエンジニアリングの重要性と手法について説明していただき、その後、業務でのChatGPTの活用におけるポイントを説明していただきました。


全社向けセッションの内容

全社向けセッションでは、「会社紹介&OpenAIの歴史」、「ChatGPT Enterpriseの概要」、「AIを活用できる会社になること」、「事例共有」の4つのパートで行われました。

具体的な活用事例を数多く学んだことで、普段の業務でのChatGPT活用を意識できるようになった社員も数多くいるのではないでしょうか!

1 会社紹介& OpenAIの歴史

OpenAIの会社紹介に加え、「ChatGPT誕生~進化の過程」、「ChatGPTが世界に与えた影響」、「最新モデルの紹介」など、OpenAIが新たなAIの時代を築き上げた背景とこれからの展望についてお話ししていただきました。

すでに現在のChatGPT最新モデルである「GPT-4o」の次のモデルの開発に注力しているそうです!


2 ChatGPT Enterpriseの概要

https://openai.com/chatgpt/enterprise/

従来のChatGPTのすべての機能が利用でき、法人向けとしてセキュリティ面が大幅にアップデートされた「ChatGPT Enterprise」の概要を説明していただきました。

セキュリティ面で具体的に強化されたのは以下の3つの項目です。

  1. 企業が自社のデータを完全に所有し、管理することができる

  2. ユーザーごとに詳細なアクセス権限の設定が可能

  3. 統合的なセキュリティとコンプライアンス

この3つの項目から、従来のChatGPTの機能を高度なセキュリティの環境下で利用できることを説明していただきました。

ChatGPT Enterpriseは当社も利用しており、Emma様から説明をしていただいたことで改めてその有用性を確認することができました。


3 AIを活用できる会社になること

社内にAIを導入し、活用する上で重要となる「AIを活用できる人材の育成」、「AI自動化オペレーション」、「製品にAIを浸透させる」の3つの異なる方法について説明していただきました。

AIを活用できる人材の育成
社内のすべての人間がAIの一般的な活用方法を知っており、かつそれぞれの部署や役職においてどのように生かせるのかを知っている状態を作ることで社内全体のパフォーマンス向上につながります。

AI自動化オペレーション
AIの活用方法を理解した上で、社内業務の一部を自動化することで自社のコスト削減やサービス・プロダクトのエンドユーザーへいち早く届ける体制づくりを実現します。

製品をAIに浸透させる
自社製品にAIを組み込むことでその製品の機能を強化し、ユーザー体験を向上させます。

AI導入を進める中でも全く異なるアプローチが存在しており、目的や現状課題を理解した上で適切なアプローチ手法を取る必要があることがわかりました。


4 事例共有

AIを会社に導入し、活用する3つの方法を踏まえ、具体的な導入事例をいくつか紹介していただきました。

4-1. Moderna

https://www.modernatx.com/en-US


バイオテクノロジー会社であるModernaは、すべてのチームにGPTsを展開しています。

GPTsにより、社内業務全体の生産性を大きく向上させ、治療技術革新の加速を実現しています。

今回はその中でも「Dose ID GPT」、「Contract GPT」、「Brand GPT」の3つのGPTsを紹介していただきました。

Dose ID GPT
Modernaの臨床実験チームでは、日々膨大なデータセットを基に実験に関する判断・意思決定を行う必要があります。

「Dose ID GPT」では、データ分析そのものや分析結果の可視化をすることが可能で、まさにチーム内におけるアシスタントのような役割を果たしています。

Contract GPT
「Contract GPT」は複雑な法務に関する知識のアシスタントの役割を果たしています。
社内の契約書類をアップロードすると、その書類の量・言語問わず、内容を要約してくれます。

また、要約した内容を基に質問をすることも可能で、社内の契約やアメリカの法律に関する理解をより早く深めることが可能になっています。

Brand GPT
「Brand GPT」は従業員の社内ガイドラインに対する理解に大いに役立っています。
新しい製品を開発する際にその製品が社内ガイドラインに即しているかをGPTが判断し、適切なアドバイスを与えてくれます。

このように、Modernaは社内でも部署や用途によって様々なカスタムGPTを利用しており、「AIを活用できる人材の育成」という面において、まさに目指すべきロールモデルだと言えます。

4-2. BCG(ボストンコンサルティンググループ)

https://www.bcg.com/ja-jp/

戦略コンサルティングファームであるBCGでは、社内の25,000人のコンサルタントが市場リサーチやビジネスモデルの分析業務でChatGPTを利用することで、業務効率化や成果物の品質向上を実現し、生産性が12%向上しました。

また、ChatGPT導入は、ジュニアのコンサルタントの成長スピードにも大きな貢献をしており、より早い速度でのレベルアップを実現したとも言われています。

従業員の生産性向上を客観的な数字で確認することでChatGPTがもたらす効果をよく理解することができました。

4-3. Klarna(クラルナ)

https://www.klarna.com/jp/

Klarnaは主にオンライン決済や買い物の簡素化を提供するサービスを展開しているフィンテック企業です。

KlarnaはGPT-4oを利用し、独自のカスタマーサービスアシスタントを作りました。
これにより、様々な言語での返金・返品処理に対応することが可能となりました。

カスタマーサービス向上・従業員の生産性向上の両方を併せ持つ事例であり、「AI自動化オペレーション」の手法における代表的な例と言えます。

4-4. コカ・コーラ

https://www.coca-cola.com/jp/ja

世界的な飲料メーカーであるコカ・コーラは、AIを利用して芸術作品を作ることができるプラットフォームを開発しました。

キャンペーンとして世界中のアーティストを招待し、計28万個ものプロモーション画像をマーケティングコンテンツとして獲得しました。

今までの事例とは異なり、消費者向けキャンペーンにAIを活用した事例ですが、こうしたプロモーションでの活用事例からもAIの汎用性の高さが理解できました。

4-5. Apple

https://www.apple.com/jp/apple-intelligence/


世界的なIT企業であるAppleは、2024年6月に独自の生成AIである「Apple Intelligence」を発表しました。

この「Apple Intelligence」では、ChatGPTがIOSデバイスとMacOSデバイスに組み込まれています。

「Apple Intelligence」には現在の最新モデルである「GPT-4o」とそれ以降のモデルが搭載されることが明らかになっています。

日本でも数多くの人がApple製品を日常的に使用しているため、「Apple Intelligence」によってより多くの人が生成AIに関心を持つようになるでしょう。

実際にEmma様も、そうした観点から「Apple Intelligence」のリリースを楽しみにしていると語っておりました!


Ambassador向けセッションの内容

当社のAmbassador向けのセッションとなっており、実際の業務に基づくデモンストレーションが行われました。

このデモンストレーションは「GPT-4o」の活用およびユースケース創造に向けて、有意義な学びの場になりました。


Ambassadorによるデモンストレーション

当社のAmbassadorの定義・スキルレベルについて改めて説明し、その後実際にAmbassador1名がデモンストレーションを実施しました。

デモンストレーションの内容
当社のグループマネージャーの知見を資料としてGPTにインプットさせ、議事録や稟議書といった複雑な知識や判断が必要となる資料の添削を自動で行うカスタムGPTの作成がテーマです。

これにより、グループマネージャーの業務負担軽減および社内の生産性向上を実現を目指します。

実際にデモンストレーションを行った上でChatGPTが指摘している内容が適切なフィードバックであり、カスタムGPTの利用により、グループマネージャーが直接レビューをすることなく資料の品質向上が図れることを確認しました。

その後、Emma様から、「デモンストレーション自体は素晴らしく、ペルソナ設定を意識できていたことがよかった」という感想をいただきました。

そのうえで、さらに正確な回答を得るために、「会社の事業や自身の所属・役職等の詳細なコンテキストを組み込むこと」、「参照するドキュメントを指定すること」、「ひとつずつ順番に質問していくこと」などを意識することが大切だというアドバイスをいただきました。

Emma様からいただいたアドバイスはどの業務でChatGPTを利用する場合でも生かせるものであり、Ambassador一人ひとりがユースケースを創造し、社内で共有していくための学びの場になりました。

AICreators 向けセッションの内容

当社のAICreatorsを対象としたセッションとなっており、「プロンプトエンジニアリング」、「ChatGPTの活用」の2つのパートで行われました。

実際に例示をしていただきながら学んだことで、業務で生かせる実践的な知識を身につけることができました。


1 プロンプトエンジニアリング

このパートでは、生成AIの回答精度を高めるためのプロンプトエンジニアリングについて説明していただきました。

適切なプロンプトエンジニアリングを行うための重要となる以下6つの要素を紹介していただきました。

  1. より正確な回答を得るために、詳細な情報をプロンプトに含める

  2. ペルソナ設定を適応させるために誰を演じてほしいのかをはっきりさせる

  3. デリミタを使用し、インプットするデータをわかりやすく区切る

  4. タスクを完了させるためのステップを明確にする

  5. 回答の例示をする

  6. 回答の長さを指定する

これらの要素が反映されたプロンプト例を確認することで回答精度が大きく向上することが理解できました。


2 ChatGPTの活用

カスタムGPTを作成した上での活用方法におけるポイントを解説していただきました。

特にEmma様が繰り返し重要だと仰っていたのは、「ファイル形式の設定」「タスクの分解」です。

GPTにドキュメントをインプットさせる際に「テキスト形式のナレッジをインプットするとき」、「数値形式のデータをインプットするとき」など、インプットの用途に合わせてそれぞれ適切なファイル形式に設定することでより詳細なコンテキストの理解につながります。

その上で回答生成までの過程を分解し、ひとつずつ分けてプロンプトに組み込むことでGPTは各ステップに従い、より正確な回答を生成することが可能になるということを強調されていました。

また、ファイルのアッロード数や最大ファイルサイズにおける制限についても説明していただきました。

Emma様には自らデモンストレーションを行っていただき、実例を確認しながら学んだことで理解も深まりました。

まとめ

今回のOpenAI Japan社によるセッションでは、社員それぞれの立場やニーズに合わせて3つのセッションを開催しました。

今後、社内全体のAIリテラシーを高めていくために、今回のセッションはとても有意義なものになりました。

様々なユースケースの学習やデモンストレーションを行ったことで、実際に普段の業務で生成AIを利用するイメージができたという方も多いでしょう。

参加していただいた方には、今回のセッションで学んだことを部署に持ち帰り、ぜひ共有していただくことを期待しています。

今後もここ、noteでAI利活用促進に関するイベント情報や、実際にChatGPT を使用した業務改善をおこなう中での成功事例つまずいたことまで発信していく予定です!

現場のリアルな業務効率化や改善に興味がある方、ChatGPT Teamプランの活用事例を知りたい方はぜひフォローやいいねよろしくお願いします!


また、生成AIを活用した業務改善・イベント登壇のリクエストや、採用に関するご相談などございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせください。


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