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【永久保存版】「PURPOSE」~社会を変えるのは熱狂する素人だ~(後編)

社会をポジティブに変化させようとしているゲストをお呼びして、これからの生き方、働き方、周囲を巻き込む力、アイデア発想のヒントなどを語って頂くTBSテレビの公開収録トークイベント「PURPOSE」が1月16日に開催されました。note後編では「トークセッション」の模様をお届けします。

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【登壇者の紹介】

浜田さん

モデレーター 浜田敬子(はまだ・けいこ)さん

BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長
1989年 朝日新聞社に入社。前橋支局、仙台支局、週刊朝日編集部を経て、99年からAERA編集部。記者として女性の生き方や働く職場の問題、また国際ニュースなどを中心に取材。米同時多発テロやイラク戦争などは現地にて取材をする。2004年からはAERA副編集長。その後、編集長代理を経て、AERA初の女性編集長に就任。編集長時代は、オンラインメディアとのコラボや、外部のプロデューサーによる「特別編集長号」など新機軸に次々挑戦した。2016年5月より朝日新聞社総合プロデュース室プロデューサーとして、「働く×子育てのこれからを考える」プロジェクト「WORKO!」や「働き方を考える」シンポジウムなどをプロデュースする。2017年3月末で朝日新聞社退社。
2017年4月より世界17カ国に展開するオンライン経済メディア「BUSINESS INSIDER JAPAN」の日本版統括編集長に就任。TBSテレビ「サンデーモーニング」などのコメンテーター、ダイバーシティーや働き方改革についての講演なども行う。

小国さん2

小国士朗(おぐに・しろう)さん

株式会社小国士朗事務所 代表取締役/プロデューサー
2003年NHKに入局。ドキュメンタリー番組を制作するかたわら、200万ダウンロードを記録したスマホアプリ「プロフェッショナル 私の流儀」の企画立案や世界1億再生を突破した動画を含む、SNS向けの動画配信サービス「NHK1.5チャンネル」の編集長の他、個人的プロジェクトとして、世界150か国に配信された、認知症の人がホールスタッフをつとめる「注文をまちがえる料理店」などをてがける。2018年6月をもってNHKを退局、フリーランスのプロデューサーとして活動中。

脇さん


脇雅昭(わき・まさあき)さん

神奈川県政策局未来創生担当部長 兼政策局知事室政策調整担当部長。よんなな会発起人。
1982年生まれ、宮崎県出身。2008年に総務省入省後、熊本県庁に出向。2010年に本省に戻り、人事採用等を行う。2013年から神奈川県庁に出向。
人の持つモチベーションの力を信じ、「公務員の志や能力が1%あがれば世の中もっと良くなる」という思いのもと「よんなな会」を主宰。全国5000人を超える国家公務員と47都道府県の地方自治体職員が繋がる場を作っている。「今何ができるか」「どう仲間を作るか」が常に持つ問い。

米田さん


米田惠美(よねだ・えみ)さん

公益社団法人日本プロサッカーリーグ理事/公認会計士
1984年、東京生まれ。公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)理事。公認会計士。慶應義塾大学在学中に公認会計士二次試験に合格。監査法人勤務を経て、2013年に独立と共に組織開発パートナーである(株)知惠屋を共同設立。保育士資格を持ち在宅診療所の立ち上げにも従事。2017年にはJリーグ フェローを経て、2018年3月よりJリーグ理事として、社会連携や組織開発の分野を担う。

岡村さん

岡村(おかむら)アルベルトさん

株式会社one visa 代表取締役
1991年ペルー生まれ、大阪育ち。日本とペルーのハーフとして生まれ、6歳で来日。幼少期に友人が強制送還された経験からビザに関する問題を解決すると志す。大学卒業後、東京入国管理局の窓口で現場責任者を務め、年間2万件を超えるビザ発給に携わる。2015年に起業し、2017年6月にビザ取得サービスであるone visaをリリース。

加茂さん

加茂倫明(かも・みちあき)さん

株式会社POL  代表取締役CEO
灘中学校灘高等学校卒業。東京大学工学部3年休学中。高校時代から起業を志し、国内外3社での長期インターンを経て、2016年9月にPOLを創業。LabTech(研究×Technology)領域で研究者の課題を解決して科学と社会の発展を加速すべく、研究内容をもとに優秀な理系学生をスカウトできる新卒採用サービスの『LabBase』、産学連携を加速する研究者データベース『LabBase X』などを運営。

※岡村さん、加茂さんは「ビジネスインサイダージャパン」が主催するイベント「ビヨンドミレニアルズ」で、今年の飛躍が期待される若きリーダー「ゲームチェンジャー」にも選ばれました。

浜田:「ビジネスインサイダージャパン」の浜田と申します。「ビジネスインサイダー」は読者がミレニアル世代で、今世界18か国で展開をしている経済メディアです。

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私、「バブル世代」なんですけれども、若い人を取材することがとても多くて、私から見ると取材をする20代、30代の人たちが、「働く」とか「仕事」について本当に深く考えているというのを日々感じます。

なぜこの世代は「何のために働くのか」、「誰のために働くのか」ということをこんなに考えているんだろう?ということを、常に面白いなと言ったら変ですけど、魅力的な人が多いなと感じながら取材していました。

それもあって去年から、「ビヨンドミレニアルズ」というイベントを始めました。私たちが取材して実際に会った人たちをなるべく多くの人たちに知ってほしい。私たちは普段、起業家の方とか、大企業の中で頑張っている人とかを紹介しているんですけれども、なるべくたくさんの人に「生の声」を聞いてほしいということで、イベントを始めました。

今年も1月30日、31日に開催する(※イベントは既に終了)んですが、たまたまその事をTBSの池田さん(「PURPOSE」プロデューサー)にお話したら、池田さんもミレニアル世代に注目していて、TBS NEWSで「Dooo」(CS「TBS NEWS」でも放送中)というのをやっていて、若い世代に興味を持っている事が分かりました。

やっぱり、こういう人たちをどんどん世の中に出して、どうやったら後方支援していけるかな?と、いま考えているところです。

今日は皆さんに、この素敵な方たちを紹介して、お話を聞いて頂きたいなと思って、来ていただきました。どうぞみなさんよろしくお願い致します。(会場 拍手)

最初に、脇さんと米田さんから、簡単に自己紹介を。脇さんから良いですか。


日本一有名?な公務員 脇雅昭

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脇:
私は簡単にいうと公務員です。総務省から今、神奈川県に出向しておりまして、未来創生担当というのをしております。併せて、プライベートのほうで全国の公務員をつなぐ「よんなな会」というのをやっています。

私が今、仕事としてやっているのは「行政の価値の再定義」というのをやらせて頂いています。行政の力って民間と比較すると「法律」とか「ルール」を使って、社会課題を解決していくことができたりとか、「税金」、みなさんからいただいたお金を使ってそれを社会課題に使っていくという、これが「今までのやり方」だったと思うんですけれども、これから先、税金がどれだけもらえるのか、ルールを決めてやれる力と、やらなくちゃいけなくて発揮できる力と、やりたくなってやる力って全然違うよなと思っていて、そういう「やりたくなる仕掛け」をもっと行政の課題とか、社会課題にあてはめていけないかな・・・みたいなことをやらせて頂いています。

例えば、神奈川県の座間というところがあるんですけれども、ゴミ収集車って乗られたことある方ってあまりいらっしゃらないかなと思うんですが、私自身もゴミ収集車が細い道で向こうから来るとたぶん「ちょっとだけ嫌な顔」をしていると思うんです。決して喜ばれるものではない。そうすると、その中に乗っている人からすると街中から「ちょっとだけ嫌な顔」されているんですよね。

そんな中『公務員なんだから頑張れよ』って言われても、なかなか頑張れないなと思って。それでこの座間というところは何をしたかというと、こうやったんですよね・・・

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ざまりん、みなさんご存じだと思いますけど・・・(会場 笑い)

座間の「ゆるキャラ」なんですね。分かりやすく言うと、子供たちにとってみたら「アンパンマンカー」なんです。そうすると、街中の子供たちが今まで「ちょっとだけ嫌な顔」していたのが、みんな寄ってきて手を振るんですよ。そしたら中で働いている人って「めちゃくちゃ頑張ろう」と思うんですよ。で、みんなが寄ってくるから危ないから一生懸命、安全運転につとめるんですね。そうすると無事故・無違反で1700日とか続いていて・・・(会場 へえ~)

脇清掃車会場込み

これも、ルールを作るのは簡単なんです。「狭い道で安全運転すること」とか。一番変わったのが、その清掃職員の人たちが戻ってからすぐこのパッカー車、ゴミ収集車をきれいに磨くようになったんです。これもルールを作るの簡単なんです。「戻ったら綺麗にすること」とか。

ルールで作るんじゃなくて、こういうふうに一工夫するだけで、みんなのやる気を引き出せるんじゃないかと。そこに何かヒントがあるんじゃないかな・・・みたいなことを考えながらルールじゃない世界というのを築けていけないかなと・・・。

あとは、公が抱えている課題、当たり前なんですけど行政だけじゃ解決できない時代になってきていて、SDGsでいうところの「17番・パートナーシップ」ってすごく大事だなと思っていて、税金で社会課題を解決するんじゃなくて、色々な企業の力を使いながら何かできないか・・・みたいなことを今やっています。

Peatix(ピーティックス)と組んだりとか、メルカリと組んで、高齢者のメルカリ教室とかもやっています。高齢者の人たちって物を持っているけど、なかなか捨てきれない。それは物を大事にしているんで。メルカリさんもなかなか高齢者にアプローチできない。そしたら行政の信頼を使いながらその両者をつなぐということできるんじゃないかと。

なんかそうやってると、課題は財産だなって思えてきて、僕らが持っていると課題だ、課題だっていうんですけど、キーノートの小国さんの話じゃないですけど、世の中に対して「助けて」って言ったら、それは誰かにとったら「財産」になるかもなと思って、今やらせてもらっています。

もっと行政が「助けて」って言えるような社会を作ったほうが良いなと思っていて、そうやって言える人たちってやっぱり・・・公務員ってなかなか色々な人たちに理解できない、理解してもらっていない中でモチベーションをどう維持していくか、このモチベーションが持つ力こそ、価値なんじゃないかなと思っていて・・・

脇 公務員数字

この数字、全国の地方公務員の数なんですけれども、273万人いるんですよね。国家公務員まで合わせると330万人。人口の3%が公務員なんです。この公務員の志とか能力が1%上がれば、世の中むちゃくちゃ良くなるんじゃないかな、という思いで、完全にプライベートなんですけど、「よんなな会」という47都道府県の公務員と、地方公務員と国家公務員が集まる場所を作って・・・。

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後半_21

「よんなな会」では、みんなが笑っているんですよね。僕にとってやりたい景色ってこれなんですよ。全国の公務員が笑顔になるような場所、そういったものを作っていっているのが、いま僕がやっていることです。

47都道府県の大人たちを仲間たちにしていく

というのが僕の中のあえていえば“パーパス”なんですけど、「よんなな会」10年やってるんですけど、去年友達にもらった言葉です。お前がやっていることってこれだよね、って言ったのを僕は拝借しました。

浜田:あとで言語化してもらったんだ?

脇:
はい。自分がワクワクすることを今やっている、みんなが喜ぶことって何だろう?っていうのをやり続けているのが、今の僕っていうところで、そういった観点から今日はお話できたらなと思っています。

浜田:ありがとうございます。私たちの間では、「わっきー」と呼ばれていて、おそらく日本で一番有名な公務員です。では米田さんお願いします。 


サッカー経験のないJリーグ理事 米田惠美

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米田:
はい、「わっきー」の後、メッチャやりにくいんですが、やらせていただきます。今、Jリーグの業務執行理事、4名いるんですが、4名の中のひとりです。社会連携経営企画、組織開発という、いわゆるバックオフィスの担当の役員をしています。「星座」でキャリアを語ることが多いので、「星座」でお話させてください。

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高校2年のときにキャリアを決めて、会計士取るぞと決めて(大学3年)取って、会計士事務所を立ち上げたり、業界の会計士協会の青年部というのを立ち上げて、それの部長をやっていたりとか・・・会計をなぜか突然捨ててですね、人材と組織開発の会社(知惠屋)をリクルート出身の人と立ち上げたりとか、地域に出たいなと思って保育士の資格をとって保育園の監査をやっていたり、在宅診療所、いわゆる看取りですね。終末期の医療現場にいって往診同行をしたりとか、そんな破天荒な人生を歩んでいたらJリーグのチェアマンである村井充からちょっとこっちにも来てくれと。そんな変なことやっているんだったらこっちも手伝ってくれみたいなことを言われてJリーグに参画し、あれよあれよという間にちょっと中から変えてくれみたいな話になって理事をあずかるということになりました。

私、ずっと「問い」を追いかけてきた人生なんです、みなさんからすると何やってるんだ?っていうくらいハチャメチャな人生だと思うんですけど・・・

(最初の問いは)「何で女性が働きにくいんだろう」と思って。
私、父親が研究者で母親が専業主婦だったので、ビジネスのことは誰も教えてくれないんですよ、家の中で。世の中の構図がなんとなく「女性は働きにくい」って言われているんだけど、何をどうして良いか分からなかったので、まずはお金の流れだけは分かるようになろうと思って会計士を取りました。

会計士をやっていると、やっぱり粉飾決算の会社にたくさん出会うんです。出会ったときに、これって「人」が引き起こしているよなと思って、お金とか戦略とかでは解決できない問題なんじゃないか?と思って、心理学をちゃんと学ばないと経営そのものを関わるということが無責任なんじゃないか?みたいなことを思い出して、心理学を学び始めたりとか。

業界が粉飾決算で結構信頼が揺らいでいたときに、なんかやっぱり思考が内向きだなと。既得権の上に乗っかっているのが会計士なんじゃなかろうか・・・みたいな、すごく自己嫌悪みたいな物も含めて、業界をもうちょっと外向きに、目線をあげて「本来の会計士の役割って何なんだっけ」というところにたどりつけたら良いなと思って、青年部を立ちあげました。

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とはいえ、私はもともと「女性がなぜ働きにくいのか」が原点ですよね、やっている内に、原点に戻らないといけない・・・というふうに思いはじめて、社会を変えたいとか社会の役に立ちたいといって、「社会って何なんだっけぶっちゃけ」というのを思って、私は現場に行こうとその時に決意をして、保育士(資格)を取ったりとか、いわゆる在宅診療所といわれる街の人が本当に何を考えて、家族との関係をどう築いて生きているのかというところの現場に触れたいと思って在宅診療所に行っていました。

山谷地域にも行っていたので、本当に私が今まで知らなかった世界がそこにはあって、社会を変えたいとか、役に立ちたいと言っている自分の浅はかさみたいな物に気づかされたのがまさにこの時期でした。

その時に「じゃあ自分は何ができるんだろう」という無力感・・・ものすごい無力感があったんですけど、何かやれることは無いだろうか、というふうにもがき続けて、今Jリーグというスポーツを使ったポジティブなアプローチで何か貢献できることがあるんじゃないかと思って、社会連携プロジェクト(シャレン!)を立ち上げていると、こんな経緯で生きて参りました。

米田七転び八起き

七転八倒していて、領域的にいくと結構広いんです。広いんですけど、ただ「問い」を追いかけて、それに向かって場所を動いてきたというだけの人生でございます。なので、個の変革だったり組織の変革とか、業界変革、地域というところに少しずつ移行してきた人生でございまして、本当に何かすごく目的意識が高くてばーって走って成功してきたというふうに見られがちなんですけど、本当にただ目の前の自分は「なんでこうなんだっけ?こうなんだっけ?」というのを考えて繰り返した結果、ここにただいるというだけの人間でございます。わっきーとも小国さんとも仲良くさせてもらってるんですけど、(※3人がそろって話すのは初)本当に今日、楽しみにきました。

浜田:ありがとうございます。よく若い人たちから「社会のために何かやりたい」、「だけど何やったら良いか分からない」と・・・。やっぱり起業する人は最初からこういう課題があってそれを解決したいという物が見つかっているけど、そこを見つけるまでが結構みんな迷っていたりする、そういう人にとって、わっきーと米田さんの話は「目の前のことをやっていたら、後から大義がついてきた」みたいな感じで、むしろすごくみなさん近い人が多いのかなと思うんですね。

きっかけは「目の前の1人」

浜田:でも、その最初の「ワクワクしていることをやっていたら」って、わっきーも言っていたけども、そのワクワクって最初は何だったんですか?神奈川県庁行ってから?

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脇:
最初はワクワクじゃなかったんですよね~。

浜田:あ、そう。何でそもそも官僚になったんですか?

脇:
あのですね、色々なパターンが用意されているんですけれども・・・(笑)本当の本当で言うとですね、総務省に40代の先輩がいて、その人が20歳くらいの僕にですね、「一緒に日本を良くしていこうぜ!」ってすっごい真っ直ぐな目で見てたんですよね。仕事ってやってみないと分からない、それは分かっていたんですけど、20年後ああやって学生に対して真っ直ぐ言える仕事って、きっと価値なんだろうなと思って入ったっていうのがスタートでした。でもそこから、毎年のように辞めたいとは思っていました。

浜田:あ、そうなんだ。それはいわゆるシュレッダーとかかける仕事?

脇:
いえいえ、そうではなくて(苦笑)、やっぱりすごく大きな仕事なんですよね。自分が遅くまで仕事しながら、それによって得られているものって何なんだろうっていうことを肌で感じにくい状況にあったというのがずっとあって。その中でやっぱりPURPOSEにも繋がるかもしれないけど、僕の場合、父親が死んだということで、やっぱり人って死ぬんだっていうことを気づいた瞬間に、すごく人生の時間軸みたいなのが出てきて。

あ、この人生を何に使うかって一番大事な自分の人生の時間だって思って、それを何に使おうかっていうのをすごく悩んでいたんですよ。2年間くらい悩んで、気づいたら、あれ?何もやっていない俺・・・世の中のために何かやろうと、たぶん思っている人って一杯いると思うんですけど、その思っている間はすごく「かっこいいな俺」って思ってた自分もあるんですよ。大志を抱く自分。でも、一方で「もがく自分」というのも、両方でいながら、2年間たってある日、頭の中で考えている間、何も動けていないんだなっていうことに気づいたときに、そうだ思いつくことをやろう!と。で、思いついたのがさっきの・・・

脇人生の時間軸

浜田:「よんなな会」。

脇:
そうなんです。

浜田:まずはちょっと仲良くなろう!みたいな?、他の役所の人だったり、他の都道府県の・・・

脇:
いや、もう本当に最初は1人です。総務省に大分県庁から来ていた若手のエースが4月は元気だったんですけど、5月、6月ってやっぱり仕事が忙しいので、どんどん元気なくなっていくんですよね・・・。

いや、「この人を元気にしたいな」って。東京ってこんなに、これだけのたくさんの思いを持っている人たちがいるのに、そういう人たちに出会う環境って本当はすごく良い場所。だったら「僕の周りの素敵な人に会わせよう!」というところからが始まりなんです。そしたら「ありがとう」と言われて。

脇たくさんいる

浜田:で、あそこまでの会に、どんどん。

脇:
そうです。今は全国5000人とか6000人とかいるんですけど、本当に最初はたったひとりの・・・そういう(元気がなくなった)人をどうやったら笑顔にできるかから始まっているというのが僕のスタートで、やり始めたらみんな「ありがとう」って言ってくれるので、もしかして俺、良いことしているんじゃないかなって、それが僕のワクワクに繋がってきたのかなって感じです。

浜田:結構そこ、皆さん共通していたと思うんですよ。最初から「大きな絵」があったわけではなく、「目の前の人」が困っていたら助けたい、小国さんは認知症の取材に行ったら間違った料理が出てきたんだけど、その光景がすごく楽しかったから、これをみんなに・・・みたいな。

加茂さんの起業のきっかけは、先輩の就職活動の話を聞いて?自分は困っていなかったわけでしょう?


東大2年で企業と研究者のマッチングサービスを立ち上げ 加茂倫明

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加茂:
まあ、就活していないですからね。今3年生で、当時2年生です。何かまさにちょっと近くて、先輩が本当に優秀な人なんですけど、研究めっちゃできるんですけど、就職困ってたんで、「何か助けたいな」というところから「Lab Base」のアイデアを思いついて。そこからやっていくうちに仲間が集まってきて、より本気になったりとか、この「Lab Base」で「人生変わりました!」みたいな直接言われるんですよ。 もうその言葉だけで「白飯3杯食えるわ」みたいな。

加茂浜田

浜田:だよね~。

加茂:
それで一気になんかやっていくうちに、アクションしてからの・・・お客さんの反応とか仲間の反応から、僕の場合はどんどん本気になっていったという感じですね。

アルベルトふり

浜田:最初は「小さな火」だったっておっしゃってましたもんね。アルベルトさんはどうですか?結構でも問題が大きいじゃないですか、最初から、しかも結構ものすごいシリアスですよね、入管とかにいらっしゃって、しかも友達が強制送還みたいな原体験、いわゆる原体験みたいなものが強烈にある、となったときに、逆に問題が大きすぎて、その前で立ちすくむみたいな感じじゃなかった?

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岡村:
そうですね、そんな感じではなくて、たぶん皆さんがイメージされているほど悩んでいるわけではなかったのかもしれないです。というのが、外国籍の方々って決して毎日毎日ビザでびくびくしているかというとそうではないんです。どちらかというと、その更新するタイミングでじゃあ「どうなるんだろうか」とか、お家を買おうとするタイミングでじゃあ「ローンを組みたいけど組めないし、組んだとしてもビザが許可されなかったらどうなるんだろうか」とか。その日本人と変わらないターニングポイントというか、都度都度で悩みの大きさが非常に大きくなるとそういう側面なんですよ。なので日々僕自身がおびえていたというわけではなくて、ただただその強制送還であったり自分のビザを更新する際であったり、海外行く際っていうところは非常に大変だったというところが気が付いたら点・点・点が線につながったというところでしかないのかなと思っていますね。


小国士朗 名刺交換で“ワンエピソード”を蓄積

浜田:みなさん結構、点・点・点が線につながっていくという感じが特徴かなと思っているんですけれども、でも話を聞いていると、そういうふうになるためには結構周りの人をどんどん巻き込んでいってらっしゃるなっていうのが印象に残ったんですよね。小国さんとか、「注文をまちがえる料理店」の時とか、料理人の方に協力を求めて、超一流のデザイナーを巻き込んでって、あれはどうしてできたんですか?

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小国:
あれは、みんな実はめちゃくちゃ薄~い繋がりしか無かったんです。1回しか会ったことないみたいな人ばっかだったんです。僕人見知りで、こういう場とか・・・さっきも裏で話していたんですけど、僕、基本ひきこもり属性なので、勉強会とか(苦手)。

浜田:
よくディレクターに・・・

小国:
いや、そうなんですよ!電話が一番嫌だったんですよ。

浜田:まじ?!

小国:
はい、電話かけるのにずっとこう電話を見ていて、取材かけられないんですよ、怖くて。もうこれ仕事だ、仕事だ仕事だって思って、「えい」って押す。

浜田:ほぼ初めての人に会わなきゃいけないじゃない、取材って。

小国:
取材ってそうなんですよね。だから、それをわくわくする人もいれば、僕なんかは怖くて怖くて。

浜田:へえ・・・。

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小国:
大学時代もずっとひきこもっていたので、ゲームばっかりやっていたんですよ。「ウイニングイレブン」ばっかりやってて、やりすぎて親指が十字キーの形になったことがあって、ぐりぐりやりすぎて。

浜田:みなさん安心してください。

小国:
「俺、本当人生終わってんな・・・」って思ったぐらいだめなんですよ。だから、勉強会とかも行けないし、ビジネス交流会とかも行けないんですね。なので、逆にいうと1回会った人をすごく大事にしないとだめなんですよ。

浜田:なるほど。

小国:
なので、その時に僕はだから名刺交換をしてお話をちょっとする時に、ワンエピソードだけを覚えようと思ってるんですよ。その人がしゃべってた何か良いエピソードだけ蓄積しているんです。そういうストックが自分の中にあって、「注文をまちがえる料理店」のアイディアがぱっと浮かんだ時にそのストックから、「あ、このクリエイティブだったらこのエピソード持ってたやつが合うな」っていうのを選んだだけなんです。

小国名刺ストック

浜田:でも、お願いするでしょう?こういうコンセプトで僕はこういう風景を見て感動したので、こういうことやりたいんですっていうのは言えたんだ??

小国:
そこはね、もうおかしくなってるから、頭が。やりたくてしょうがないので、そうなるとパーンて入るので、いけるんですけど。そこまでがやっぱりこうちょっと、モジモジしちゃうので。

浜田:なるほど。

小国:
まあ本当だから、一期一会をすごく大事にして、その時にワンエピソードをとにかく覚えておく!

浜田:それで、そのワンエピソードをツテにして、会いに行く?

小国:
そうです、会いに行って「久しぶりです~」とかって言って、「僕こういうのやりたいんです!」って言ったときの反応がもう脊髄反射的に「何それ、面白い!やる!」っていう人とだけやる。

浜田:なるほど。

小国:
そこで「持ち帰ります・・・」とかいう人とはやらない。

浜田:結構みんながみんな、最初から共感してくれるわけではないんですね。

小国:
わけではないですね。何かすごく親切心で「これは不謹慎だからやめたほうが良いよ」って言ってくれる人もいたし、でもそういう人とはやらなきゃ良いだけなので、それは意見として聞いておいて、やらない。


加茂倫明の「巻き込み力」

浜田:加茂さんは、61歳の経営者を巻き込んだわけですよね。

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加茂:
そうですね。

浜田:それは何でできたと思います?

加茂:
そうっすね、素直な目してたんでしょうね、たぶん。

浜田:でもさ、「小さい火」だったのを大きく語ったんでしょう?

加茂:
そうですね・・・だからその時は僕・・・もうちょっと打算的だったんですよね。いや、全然全く思ってもないことを言っているわけじゃなくて、それをこう10倍くらいにこう大きくして言ったほうが、まあ応援してくれるなみたいなところで最初デカく「本気で思ってます!」っていうので語ってたって感じですね。

彼(共同創業者・吉田行宏氏)の場合は僕に共感、意義に共感してくれたというのもありますし、どっちかっていうと彼のやりたいこととドンピシャだったというか、それは別にあの研究者の支援したいとかそういうレベルでの一緒ではなくて、彼も61歳なので、もう先がそんなに長いわけじゃないですけど、彼が死んだ後も残るような社会貢献をしたいって彼は言っていて、それは「人を育てることや」って言ってたんですよ。

彼が死んだ後も、良い経営者を残す、育てて残せばその人は何か良いことやってくれて社会を良くするし、良い経営者は良い経営者を育てるから、それが循環するだろうみたいな感じで、良い経営者を育てたいなっていうのが彼のライフミッションやったんですね。

浜田:なるほど。人の紹介で出会った?

加茂:
あ、えっと、そうですね、こういうイベントで「面白い人がいるから紹介するよ」みたいな感じで。

浜田:加茂くん、もう本当にジジババ殺しなんですよ。私もかなり殺されているんですが(笑)、「ご飯食べいきましょう~!!」って言って、でもそういうのすごく大事ですよね、巻き込んでいく時ね、「話聞いてください!」みたいなのがね。

ジジババ殺し

加茂:
結構、僕もアレなんですよ、めっちゃ人見知りやったんですよ。

浜田:うっそ?

加茂:
本当。で、ただもう起業したいって僕、高2くらいから思っていたので、起業する上で「人見知り」って結構よろしくないな~と思って。それを直そうと思って、イタリアンバルでバイトしたんですよ。あえてめっちゃ小さいカウンターで常連の人ばっかり来て、シェフは、店長はご飯作るから僕がその人を楽しませないといけない・・・っていう感じの小さいところを選んで、いったんですよ。

加茂イタリアンバイト

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浜田:トレーニングしたんだ?

加茂:
そう、もうなんか「お待たせ!」みたいな感じで「今日も来たよ!」みたいな感じで「誰やねん!」みたいな人が来るんですよ。で、なんとか僕がその客を楽しませないといけない状況を、1年弱くらいやったらええ感じに・・・色々な人と仲良くなれるようになって。そういうのも、僕はどっちかっていうと、たぶんちょっと「計算」じゃないですけど・・・

浜田:「戦略」と言いましょう(笑)

加茂こころキレイ

加茂:
そう「戦略」(笑)! あ、そのほうが良いですね!ありがとうございます!本当、心は綺麗なんですけど(笑)。それで高2の時に起業したい、その根底としては社会に何か大きな良いインパクトを与えたいなと思って。それになるためにじゃあどうするか?っていうのを結構戦略的に考えながら来たって感じです。


縁を大切にする、内向的な登壇者たち

浜田:米田さんはJリーグの村井さんとの出会いがありますよね?

浜田ふり

米田:
はい。

浜田:その出会いってどうやって生まれたんですか。

米田:
出会いはそれこそ人材開発、組織開発の会社「知惠屋」っていうんですけど、これが実は村井がリクルートエージェントで社長をやってたときに社内で作った組織なんですよ。(こちらは)そんなの全然知らないですし、監査法人が相当ギスギスしていた時代でございまして、風土改革プロジェクトというのにアサインされていたんです。その時に頼んだのが知惠屋だったんです。

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浜田:なるほど。

米田:
本当に私の場合はどちらかというと、戦略的に動くというよりは「何でなんだろう」とかいう問いを常に持ちながら、「こういう仮説はあるかな」っていうのを持っておいて、その機会がきた時に絶対使うんだっていうタイプなんですよね。

なので、縁をすごく大事にしていて、その人材開発、組織開発の会社をやれたのも縁ですし、村井と出会えたの縁ですから、もう常に縁かなと思っていて。唯一プロアクティブに動いたというところでは、小国さんの出会いが私のプロアクティブで。

浜田:へえ、そうなんだ。

米田:
私も超内向的なんですよ、ひきこもり派なんですよ。

浜田:みんな意外ですね~

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米田:
読書好きで、基本社交性ないんですけど、小国さんの「注文をまちがえる料理店」がSNSで流れてきたときに「この人に会いたい」って心底思ったんですよ。でも、それもすぐにアクションとれなくて、Jリーグで25周年のイベントをやるっていうときに「誰呼びたい?」って言われて一番最初に頭に浮かんだのが小国さんで、「この人に会いたいんだけど誰かつてないの!?」ってぶわって探して、会いにいったっていう。

米田小国さんにあいたい

浜田:へえ、そこはじゃあ自分から出会いを求めて。

米田:
本当に唯一かもしれないです。

浜田:(聴衆に対して)みなさん意外でしょう?登壇者のみなさん、最初は小さい出会いだったり、ワクワクも小さいんだけど、こうやって目の前のことを続けていたら・・・っていうのが、割とみなさん共通していることなのかなって思ったんですけど。

そして、みなさん割と大きな組織じゃないですか。役所、Jリーグ、NHKみたいな。特に小国さんはNHKを辞められたんですけど、NHKにいながらやられていた、それを続けるという選択はあまりなかった?あとはNHKにいながら、なんでここまでできたのかなっていうのも知りたいんですけど。


NHKを受けたキッカケは社長の逃亡

小国:
NHKにもともと入るきっかけは、大学時代、ベンチャーを立ち上げていて、社長が金を持って逃げちゃって、つぶれたんですよ。

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浜田:ほお!色々な体験していますね。

小国:
めっちゃ借金背負っていて、就活しなきゃいけなかったんで、仕方がなく入ったのがNHKだったんですよ。そういうことを言うとめちゃくちゃ、「お前ふざけんな」って言われるんですけど、NHKの人に。本当に選択肢がなくて・・・

小国NHKしかない

浜田:借金返すために?

小国:
終わってたんですね、就活が。ほぼフタがしまってたんですよ。唯一あいてたのが2日後にNHKのエントリーシートの締め切りがくるっていうのだけわかって、急いで取りにいって、書いて。でもNHKって見たことも無かったんです。僕が見ていたのは、日テレとフジテレビ・・・・・TBS!(笑)

小国ついでにTBS

小国ついでにTBS2

小国:
民放しか見ていない。NHKは「お母さんと一緒」で終わってたんですよ。知らなかったんですよ、何やっているか。でも、もう生きなきゃいけなかったから、急いで見て、「プロジェクトX」かな。

浜田:当時ね。

小国:
当時。そしたら・・・すっげえつまんなくて。

浜田:看板番組だけど。

小国:
本当つまんなくて、「懐古主義も大概にせい」とかって思うぐらい共感できなかったんです。というのも書いて、受けたんです。そしたら、なんか採ってくれて。何でかっていうと、1次面接の時にちょうど僕はお金を持って逃げられていたタイミングだったので、NHKの話はできないから、その話をしたんですよ。そしたらすげえウケて・・・。「金持って逃げられたの?」「どうなったの?」って・・・。でもオンゴーイングで動いていた話だから、そこまでしか僕しゃべれないんですよ。で、「続きは二次面接で」とかいって。(会場 笑)

小国続きは2時面接で

そしたら二次面接で「社長の足取りがとれました!」って。

浜田:もうみんな、どんどん最後まで聞きたいから(笑)。実際入ってNHKは楽しかったですか?あんな良い番組つくって。

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小国楽しかったですよ

小国:
楽しかったですよ。僕、知らなすぎたから。それで一生懸命、倉庫にある当時VHSでしたけど、全部みて。そしたらすごい面白かったんです。すごい難しいテーマをあんなにわかりやすく深く、伝えるってすごいなとか、ストーリーテリングでこんだけ面白いドキュメンタリー作れるんだってことを知ってびっくりしたんです。だから、ラブなんですNHK。めちゃくちゃラブになったんです。NHKのために本当に働きたいって思ったんです、極端だから。

・・・なんですけど、心臓病になっちゃって、もうないわけですよ、テレビってツールを使えなくなっちゃったので。そうなるとテレビ局にいて、テレビってツールが使えないってもう何も武器がないわけですよね。そういう退路がない状態になった時に、やっぱりでも本当にそうはいっても価値を届けたいなと思ったので、NHKの価値をしゃぶりつくして社会貢献しようと思ったんですよ。

小国電通で初めて

それは電通にいって初めて気づいたことで、NHKってこんなにポテンシャルあるんだって、初めて外に出て分かったんですよ。なんかやっぱり、それまでって、ちょっとオワコン感あったし、イケてないし、友達にお前何作ってるの?って言われても答えない・・・みたいな。見てもらえていないのを分かっているから嫌だったんですけど、初めて外に出て、こんなにすごい組織ってあるんだ・・・お金はあるし。

NHKって、A4 1枚の紙ですべての番組を作るので、「ダイオウイカを撮りたい」っていうのもA4 1枚ですし、「加茂さんとかアルベルトさんを取材したい」っていうのも1枚のA4ですし、全部一緒なんですね。それだけで、ダイオウイカなんて10年撮ってるんですよ。僕からしたら、生き物とか興味ないので、でっかいイカ撮るのに、10年もかけんなよ!とか思うんだけど、でもそれができるNHKって素敵だなと思うんですよ。

小国テレビというツール

可能性ばかりだな、と思ったんです。この価値をやっぱりもっともっとしゃぶりつくしてやろう!と思ってやってたんですけど、何か逆にいうとNHKだけのためにやるっていうのも勿体ないなっていうのを、「注文をまちがえる料理店」をやったら思ったんですよ。

なんか、会社って結局社会の公器だから、NHKだと、そのワンオブゼムなわけで・・・。だったらやっぱり「課題=イシュー」をさっき言ったように真ん中に置いたときにNHKは何ができるの?、僕は何できるの?みたいな。外に出てNHKもひとつリソースとして考えてやったほうがダイナミックにおもしろいことできるんじゃないかなって思って、やめちゃえって。

浜田:外にでた?

小国:
はい。

浜田:今は動きやすいですか?

小国:
めっちゃ動きやすいです。NHKだからスポンサーとかやっぱりね、気にするので。でもそういうのから解放されて、マインドはNHKのままなんですけど、公共性とか。なんですけど、やれることは自由になったので。


マインドは会計士

浜田:米田さんはサッカー、別に経験ないですよね。

米田:
全くないです。

浜田:女性だしサッカーの経験ないし、でも「変えてくれ」って言われて、たぶんミッションを与えられてきたから、(最初)めっちゃ逆風だったみたいなことが記事で書かれていたんですけど・・・。かなり協会って「お役所的」な部分もあると思うんですけど、その中でやっぱり協会にいるからできることと、組織って難しいなっていうところってどこですか。

米田スポーツビジネス

米田:
そうですね、スポーツビジネスこうしたら良いよとかいう声は本当に多いんです。だけどやっぱり中じゃなきゃ変えられない物もあって、中だからこそ難しいものもあるんですけど、私は中に飛び込んで本当に良かったなって実は思っています。ただ、逆にJリーグに入る前は6000人の「EY=Ernst & Young 」という組織の中にいて、会計士という肩書きもあって一応信頼もあって、監査法人ですって出せば、一応社長が出てきて・・・みたいな生活をしていたわけです。会計士を嫌いな会計士って多いんです。監査の仕事嫌いですっていう会計士も多いんですけど、実は私、監査がすごく好きで、企業を調える仕事だ、とか、情報の非対称性をちゃんと誰かが泣くことなく調えていく仕事だと思っているので、本来の仕事はすごく美しい仕事だと思っているんですけど、何かみんな、なんとなくネチネチと人の指摘をしているみたいな雰囲気になっちゃっていて、それがすごく嫌だったんですよ。それを業界内でなんとか変えようと思って、だからこそ会計士協会の青年部とか立ち上げて、「みんなもっと色々な可能性あるからがんばろうよ」みたいなことを実は言っていたんです。

だけど、ふと突然思った時に「私は変わったんだっけ、私は挑戦したんだっけ」ってちょっと思い始めちゃって。みんなに「変わろうよ」って言う前に「まず自分が変わろう」って思って、それで会計士という肩書きとか監査法人という肩書きを捨てて、でも「マインドは会計士でいよう」と思っていて、今も会計士だと思っているんです。

浜田:「マインドはNHK(小国さん)」と同じ。

米田マインド会計士

米田:
はい。情報の非対称性をなくす仕事をしたいとずっと思っていて、今でいうと医療だったりとか、パブリックセクターのいわゆる、行政がやっているお金の使ったことと、どういう成果が出ましたみたいなところが一番情報の非対称性が大きくて、まだ埋まっていない領域だと思っていたので、そういうのを埋められる人間になろうっていうのを思って、じゃあチャレンジしようって思って飛び出したので・・・。

なんでしょう?、組織の中にいるとか外にいるとかはぶっちゃけ関係なくて、「何のためにそれをやるんですか」みたいな所をすごく大事にはしています。なのでJリーグの中じゃなきゃできないこともあるし、監査法人の中じゃできなかったこともあるっていうか、どこにいるかはあんまり関係ないと思っています。


公務員だから出来ること

浜田:わっきーは公務員のままで、公務員に笑顔になってもらおうとしている?

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脇役所的

脇:
なんか「お役所的」って言われてドキッとしたんですけど。

浜田:公務員だからできることは結構ある?

脇:
本当にそれはあって。さっき「毎年辞めたい」で終わっちゃってたので、今も辞めたい人と思われちゃいそうなので訂正すると、その時は辞めたかったんですけど、そこから本当に色々な人たちに会うようになったんですよね。

民間企業、社会起業家と呼ばれる人たちに会っている中で、じゃあ僕自身も転職しようかな?って思っていたんですけど、そういう人たちに言ってもらったのが、「いやお前みたいな人間は世の中にいっぱいいる、むしろこういう社会起業家とかを応援しながら行政の中で活躍してほしいんだ」って言われたときに、あ、なるほど!それは価値かもしれないなって思ってやり始めたんです。

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そうすると、僕が今仕事でやっている「行政の価値の再定義」なんて、まさにそこから来ているんですけれども、自分がやっている行政の価値って何なんだろうってずっと考えるようになって、すごく意味があることだなって思い始めたので、今この行政の仕事に誇りを持ってやっているんですね。だからこそ僕がやっていることって、根底は「行政の価値をもっと出していこう」ということ。

脇ストップ

組織だからできることもあれば、こういう個で動くからできることもある、個と個が繋がって動かせる時代がこれから先の時代なので、そこの可能性をみんな良いよねって言ってくれる、というところがあるからやれているんだろうなと思っています。

浜田:加茂さんとアルベルトさんみたいに課題があって、そのために起業して・・・というパーパスのあり方もあるけど、自分の組織の中で変えていくというパーパスのあり方もあるということで、3人に話をしてもらいました。


2020年代 どんな人と働きたい?

浜田:最後にみなさんに伺いたいんですけど、2020年代、これからこんな人が求められるんじゃないか?っていうと答えにくいと思うから、「こんな人と働いてみたい」という問いだと、どうでしょう?

みなさんみたいなパーパスを持ってる人が一緒に働きたいと思う人とか、こんな組織と働いてみたい、こんな企業とかこんな組織だったら自分は何かをパーパスを一緒にやってみたいというのはどういう人や組織なのか、最後にみなさんに聞きたいんですけど・・・

※ここから先は有料です・・・

全員

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岡村:
(起業前)入管の業務をしていた時に、3か月くらいで現場責任者に任命されたんですよ。そうすると、現場責任者会議みたいなところに出られるんですけど、僕はその中ですごい改善案みたいなのを持ち出して色々やりたかったんです。ただその時の議題が、ボールペンを受付の窓口に置くか置かないかだったんです。(会場 苦笑)

そこで2時間の会議が終わって、結論すら出ずに「じゃあ来月」っていうふうになって、僕が解決したい課題って、ここの中にいたらもしかしたら40歳とか50歳になったら解決できるんだろうけども、自分が見えている50年後とかっていう尺度ではまず無理だなっていうところがあって、まあ本当に1年しかいなかったんですけど、辞めて、起業というところに繋がったんです。

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だからこそなんですけど、僕の中で国ないしは自治体、ないしは関係省庁というところとは切っても切り離せない事業をやっていると思っていて、僕の中ですごく思っているのが、民間というのは公的機関が正しい政策ないしは制度を作るための実験場だと思っているんですよ。それは外国籍の分野においても変わらないことだと思っていて、僕たちの中での正しい方針、ないしは正しいアプローチ方法を色々作りながら、実際の世の中に提供しながら、「これいいね」っていうところが政府ないしは自治体関係省庁が進めてもらう、ないしはここのモデルをベースに制度、政策を作って頂くというところをすごく重要視しているという側面があるんです。

だからこそ自治体とか関係省庁とのコネクションをよりいっそう強力にしながら、より良い、民間だけではなくて、国だけではなくて、そこはハイブリットに関係値を構築しながらお互いのリソースを出し合うというところは本当にこの2020年以降「one visa」としてもそこを大切にしていきたい、かつ必要なものなのかなと思います。

浜田:一緒に働きたい人としては、わっきーみたいな公務員?

岡村:
もうまさしく!(笑)

岡村ワッキーと働きたい

浜田:やっぱり外に「開いている人」ですよね、「閉じている人」じゃなくて。企業ともパートナーシップ結びたいって・・・。

岡村:
ぜひお願いします。

浜田:加茂さんは、どんな人、組織と働きたい?

加茂が働きたい人

加茂:
別に今回のテーマが「PURPOSE」だからというわけじゃないですけど、特に2020年とかこれからの時代って「PURPOSE」とか、あるいは「わくわく」「こういう景色を本気で見たい!」みたいな気持ちの重要性があがっていくなと思っていて。

なんかこう、時代によって人が何によって動くかっていう力学が変わっているなって思っていて、僕はバブル時代知らないですけど、やっぱ物欲とか、そういったもので動かされていたものから、今の僕ら世代の若者ってどっちかっていうと意義とか、わくわくとかで動く人が結構多くなってきているなって・・・大きなシフトを感じていると。

そうしたときに、やっぱり「大きなこと」とか「意義あること」とかって、個ではできないので、多くの人を巻き込んでいく必要がある・・・とした時に、やっぱりこれからの時代は、より「PURPOSE」とか、自分自身が「超わくわくしている」っていう人の方が周囲を巻き込みやすくなってくるかなと。

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なので、そういう人が「個」としても大事だと思うし、一緒に働きたいなと。やっぱり会社としてまだ社員50名とかで、始まったばかりだと、これからもっと大きくしていきたいし、本当に良いでかい会社にしたいとした時に、僕が、僕だけが仲間を集める・・・というよりは、一人一人の全社員が仲間集め隊長みたいな。全社員人事みたいな感じで、全員がめっちゃ若くして情熱とか持って語りながら、仲間集めできる組織ってすごい素敵だし、強いなと思っていて。

なので、「PURPOSEを持っている、わくわくしているモノがある」人か、「他の人のPURPOSEとかわくわくを受けて、自分もやりたい」という、受け取って火をともせる人というか、それで動ける人、そのどっちかが一緒に働きたい人かなと思っています。

浜田:あまり社交的ではない人とか、ちょっと消極的な人も「わくわくの火種」は持っていると思いますか?

加茂:
めちゃめちゃあると思いますけどね。僕らはやっぱり就活のタイミングの学生さんとかとお会いすることが多いですけど、「わくわく」と、「就活」とか「仕事」を全く別ものとして、切り離して考えている人が多いな、と思って・・・。

「実はめっちゃアニメ好きです」「漫画好きです」みたいな、そういうのを、仕事とはまた別だと思っちゃっていて、「親が喜ぶか」とか・・・

加茂尺度

浜田:借金も返さないといけないしね。

加茂:
まあ、みんなあるわけじゃないですけど。「みんながうらやましがるか」とか、そういう違う尺度で・・・そこはすごくもったいないなと思います。ただみんな、わくわくの無限の可能性はあるなと思っています。

浜田:小国さんは肩書きがなくなって、2年ですけども、どんな人とか組織の人とイシューをシェアしたい?

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小国:
そうですね、なんか、好きなタイプは肩書きがよくわかんない人なんですよ。なんか、わっきーとかも公務員といえば公務員なんですけど、よくわかんないんですよ(笑)。何回も話しているけど、「こいつ何やりたいんだろうな」っていうのがわからないんですよ。

ヨネさん(米田さん)もそうで、さっきの「星座」とか、俺もすげえ何回も見てるんだけど、やっぱわかんないんですよ。(会場 笑)

小国よくわからない二人

浜田:なるほど。

小国:
だけど、なんか俺そういう人好きで・・・。なんか「Jリーグ理事の米田です」とか、「神奈川県庁のなんとかの脇です」って言われても、あんま興味がないんですけど、この人・・・自己紹介が15分くらいかかる人が好きって言っているんですけど、なんか訳が分からない人がすごく魅力的な時代だなと思っていて・・・

浜田:こういうことやってますってひとことで言えない人がいい?

小国:
はい、そのひとことで、たとえば僕は「NHKのディレクターの小国です」っていうのは簡単だったんですけども、よくよく考えると、僕の仕事を本当に理解できて名刺交換した人なんて、ほとんどいないはずなんです。

ディレクターって仕事が分かっている人なんていないので、だけど、みんな分かった気になる、僕も伝えた気になる。けど、なんかそれって全然なんか面白くなくて・・・。ヨネさんとかの15分くらい聞いても「ふーん」みたいな。「そうなんだ、でも面白そうな人だな」っていう印象が残る。

浜田:で、わくわく熱くなってくるみたいな。

小国:
さっき言った「ワンエピソード」っていうのは、まさにそうなんですけど、やっぱ肩書きで見ていないので、本当に肩書きをはずした時に、この人のストーリーとか、そこに共感とか、おもしれえなこの人・・・って思うものがある人。なんかその肩書きひとことでくくれないような、たぶん加茂さんとかアルベルトさんとか浜田さんもそうだと思うんですけど、なんかひとことでいわく言いがたい面構えと、お仕事。

浜田:色々なことをやっている。

小国:
お仕事の内容だと思うんですよ。なので、そういう人とだったら何かわかんないけど、先はどうなるか分からないけど、良いことができるのかなっていつも思っていて、基本的にプロジェクトはバンドだと思っているので。

小国バンド

小国:
僕はギターひけるけど、ボーカルほしいんだとか、ベースほしいんだ、ドラムがほしいんだとかっていうことで集まって、僕はでも「ロックがやりたいからフォーク来られるとちょっときついんだよね」みたいな。だけど「三味線とロックって面白いかもね」とか、何かそういうことが面白い音の奏で方として面白いので、僕はやっぱりこれから2020年代って、僕みたいな働き方って全然普通になっていくような気も。

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浜田:私も実は年内で仕事やめたんです、昨年末で。

小国:
本当ですか?

浜田:プロ編集者になろうと思って。「流しの編集長」って言ってるんですけど。

小国:
だからなんかそういうのが・・・

浜田:プロジェクトベースですよね、やりた人とそのとき、そのときで。

小国:
「気持ちよくやる」っていうことが普通になったときには、逆に「個」がすごく問われちゃうので、そういったときに単純に「NHKの小国です!」とかっていうじゃない、「ディレクターの小国です」じゃない、なんかそういう人と、はみだしちゃってる人とやりたいなと思います。

浜田:肩書きじゃなくて、こういうことしたい人、こういうことしたいで自分を語る人ね。

小国:
してきた、今したい人って感じですかね。

浜田:米田さんどうですか、2020年、どんな人が求められてどんな人と働きたい?

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米田:
難しいですね、働きたいのほうでいうと、まあ、「私が見たい風景を共感できる人」とか、「この人と一緒にいると何か面白いことできそう」とかいうわくわく感とか。私すごく大事にしているのが人の可能性を信じている人。

あきらめるということが、どうしても私できないので、「なんかできるかもしれないよね」って言って、そこに向かって「一緒にがんばろうよ」って言える人と一緒に働きたいなと思っていて。逆にいうと、同じ組織にいるから一緒に働いているか?という問いがずっとあって、私は小国さんともわっきーとも、一緒に働いているつもりなんですよ。

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浜田:組織も全然違って、お仕事を別にすごいしているわけではないけど?

米田:
これ、みなさん配られています?(Jリーグのパンフレット)「LOVE&CRAZY」って後ろにあるんですけど、これ小国さんにつけてもらったタイトルなんです。

米田ラブ&クレージー

「ラブ」だけじゃなくて、「クレイジー」って言葉がついていて、ここにワクワク感をすごく込めてもらったんです。あと、はみ出してもいいじゃんみたいなメッセージも込められていて、私はこの「LOVE&CRAZY」っていうのを根っこに持っている人と一緒に働きたいなと思っています。

浜田:じゃあ締めを、わっきーに。

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脇:
締めっすか。僕自身の考えでいうと、すごいみなさんがおっしゃってることはすごい共感するもの大きいと思うんですけど、まあ2020年ですけど、僕の中では人生はいつ終わるか分からないよなっていうのが常にもっているやつなんです。そうすると明日死んでもいいような仲間たちと一緒に何かことを起こせたらいいなと思っていると。

脇裸踊り

じゃあそれってどういう仲間なんだろうなと思うと、なんか自分のやりたいことを笑顔でわくわくしゃべっている人っていうのは僕は大好きだなっていうのと。だから、そういう人たちとやりたいなっていうのと、ただ、その一人のリーダーが世の中を良くできるかというとそういうわけじゃなくなってきているなと思ったときに、1人が1万の力を出すよりも、1万人が1の力でいいからその周りの人のために何ができるかっていう社会の方が、たぶん良いんだろうなって思っていると、なんかそういう1の力でもいいから周りの人たちのためにがんばれるっていう人たちと、今年はもっといっぱい繋がっていけたらなと・・・。

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TEDのデレク・シヴァーズさんの「社会運動はどうやって起こすか」というのをぜひ見てほしいんですけど。

公園で裸踊りしている人がいてですね、裸踊りしている間はただの変態なのに、2人目がきて、一緒に踊り始めると2人目を見て3人目がきて、いつしか広場全体がみんな踊っていると。

世の中は広場全体で踊っているのをみて、「あれ、すごい社会運動が起きている」と。「あのムーブメントは誰が起こしたんだ」っていって、1番目の人を素晴らしいというんですけど。でも1番目の人は本当にただ裸踊りしてた人。「でもそれをヒーローとかリーダーにしたのは実は2番目だよね」って話なんですけど、周りの人がアホになっている人を一生懸命全力で応援して、「いいね!」って言ってくれる人たちと今年はもっともっとつながっていきたいなって、それが日本全国にとって「価値」なんじゃないかなと思っています。

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会場からの質問

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質問:
みなさん、素敵なお話ありがとうございました。特に小国さんにお伺いしたいのですが、これから今、まさしく「テレ・ビジョン」を実現されようとする中で、「こういうモノがあったら、よりやりやすいのにな」とか、「こういうモノが実は足りないからちょっと困ってるんだよな」っていうことをあえておっしゃっていただくと何でしょうか?

浜田:良い質問です。ありがとうございます。

ツジアンサー

小国:
ありがとうございます。難しいですね。えっと、僕が思うこれがあったら良いのになっていうのは、「にわかに優しい感覚」って感じですね。

さっきの「deleteC」っていうのは癌をテーマにしていたりとか、僕はラグビーワールドカップのプロジェクトもやっていたんです。まさに「にわか」というのをテーマにやってたんですけども、「認知症」もそうなんですけれども、コアで本当にがんばってらっしゃる方とかいる世界なんですよね。そういう時に僕みたいな「ド素人」がいきなりやってきて、料理店やっちゃいましょうよ~みたいなことを言うとだいたい「あいつ本当ふざけんな」みたいになってくるんですよ。

だけど、そういう素人がさっき(※PURPOSE前編参照)のユーチューバーの話じゃないんですけども、熱狂していることをポジティブにとらえる、この周りの環境みたいなのがあるだけで、随分と僕はやりやすくなりますし、なんかその「にわか」を許さない風潮ってやっぱあるんですよね・・・。

僕が人生で初めて秩父宮でラグビーをみたのが2018年なんですけど、その時すごく印象に残っていて。なんかコアな、ガチムチなラグビーおじさんがめっちゃどーんって座っていて、腕組んでめっちゃにらみつけてて、審判にめっちゃ怒鳴るんですよ。「どこ見てんだよ!」とかっていって・・・。でも、審判外国人なんですよ。(会場 笑)

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だから、絶対その怒鳴り声、伝わってないし・・・とか、だけど会場の空気がめちゃくちゃ悪くなるんですよね。それがたぶんラグビーのコアなおじさんのアイデンティティだったり、自分のポジションをそうやって確立しているのかもしれないですけど、やっぱ「にわか」がどんどん逃げていっちゃうじゃないですか、排除されちゃうので。

じゃなくて、コアが「すごく良いじゃんそういうのも」って言ってくれると、それだけで「にわか」ってめちゃくちゃいけるんで。さっきのわっきーの話じゃないけど、社会ムーブメントになっていくので、僕なんかは、何かやる時は「にわかに優しく」みんながなってくれるだけで、ずいぶんとやりやすくなるだろうな、テレビジョンは・・・と思います

小国にわか

やっぱり、見たことがない風景とか、触れたことがない価値を形にした瞬間にハレーションとか起きちゃうので、そういった時に「まあまあ、あいつはにわかだし、素人だし」っていうのを受け入れられるようになってくると、僕なんかよりも、もっともっとみんなアイディアを持っている人がポコポコできるようになるので、僕はそういう感じを持っています。

浜田:ありがとうございます。次のご質問ありますか。

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質問:
お話ありがとうございました。わっきーさんにちょっとご質問させていただきたいんですけど、最後に言ってた「1人目よりも2人目」みたいなお話があったと思うんですけど、結構、僕もその考え方にすごく・・・確かにそうだなと思っていて、みなさんのお話聞いている中で、やっぱりきっかけは些細な物、そこから何か踏み出したところって人との出会いだったりとか、何かそのさらに自分が一歩を踏み出すきっかけになったもうひとつの何か瞬間があったと思うんですけど。改めてそれに気づける力って、意外と難しいかなと思っていて、何かこの世の中がというか、何か踏みだそうって思えるように、きっかけというか自分であえて作っていくにはどうしたら良いかとか、その辺ご意見をいただけたらと思います。

小国さんのお話の中でちょっと、エピソードを覚えておくとか、それもたぶんコツだと思うんですけど、なんかそういうのがあれば教えていただきたいなと思います。

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脇:
動き出すコツですよね。うーん・・・「どうしてたかな?」って思うと、やっぱり一歩を踏み出すのってきついですよね。だから、いきなり自分が先頭とってやっていくのってなかなか難しかったりして、自分が心から思うことって、たぶん世界でニュースの世界でそれこそテレビの世界で何か起きていてもなかなか一歩踏み出すって、遠いんじゃないかなって思うんですよね。僕はさっき言ったように目の前の人が困っていたんですよね。だから、絶対あるはずなんですよ。僕はすごく色々な呪縛にあっていて、つまりその社会起業家の人たちがむちゃくちゃ夢を語っているわけですよ。「あれを目指そう!」と。「あれ探さないと」ってずーっと悩んでいた。けどその人たちだっていきなりそこにいったわけじゃないんだって今ならわかるんですけど、当時はわからなかったんですよね。だから、世の中にあふれている情報に気づくってそれだけですっげえ才能だと思っていて、だってここの中に色々なポテトチップスとかあるけど、たぶん意識して初めて意識するわけじゃないですか。

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てことは自分の目の前に来ている課題って何かしら自分の中でわくわくする可能性を持っているからこそ受け止めているんだっていうふうに信じているんです。

だからきっとそんなに大きなビジョンなくても、身の回りで困っている人って絶対いるはずなので、その人の困りごとをなんかやってみようと、もしかするとそれは挨拶かもしれない、なんかそれくらいの気持ちでやっているとどんどん見えてくるんじゃないかなって。

だからいきなり大きなものを目指さない、だから100を目指さないというか、ゼロより1のほうが良いというのが僕の目的というか、僕のビジョンというか。ないよりあったほうが良いよねぐらいでやっています。参考にしていただければ。

脇僕のビジョン

浜田:後でネットワーキングパーティもありますから、こういうところでみなさん恥ずかしがって質問しない人も多いので、個別に聞きたいことはぜひその時間にみなさん直接聞いてください。今日は本当にありがとうございました。壇上の方に大きな拍手をお送りください!(会場 拍手)

PURPOSEのイベントに来られなかった方のために、ほぼそのままの形でトークセッションを書き起こししました。もしよかったらサポートよろしくお願い致します。