利上げ停止期待が後退、米国市場は下落。円安の進行と米国上昇を背景に上昇、2ヶ月ぶりの高値(2023年2月16日 日経概況)
「世界一やさしく」投資を教える、ジョン・シュウギョウです。毎日、投資家目線で日本と米国の市場について、分析と考察をしています。
こちらに掲載してある情報は情報提供を目的としており、相場の方向性、個々の商品、個別銘柄等の見通し、売買の方向性など有価証券の売買等に関する助言や勧誘などを行うものではありません。投資に関する最終判断はユーザーご自身の判断で、最終損益もご自信の判断の結果として返ってくることをご認識ください。
市場総括
2023年2月16日の東京株式市場は反発しました。終値は前営業日比194円58銭(0.71%)高の2万7696円44銭でした。米国市場が上昇、1ドル=134円台にまで進んだ円安傾向を背景に買いが先行、2カ月ぶりの高値水準をつけて取引を終えました。輸出関連に加えて、1月の訪日外国人客数が約150万人だったことでインバウンド関連にも買いが広がりました。
本日も最後までしっかりお読みください。
米国市場の動向
米国市場は反発と続伸で上昇しました。
ダウ工業株30種平均は小幅に反発して、前営業日比38ドル78セント(0.1%)高の3万4128ドル05セント、ナスダック総合株価指数は続伸して、前営業日比110.448ポイント(0.9%)高の1万2070.593で取引を終えました。
朝方発表された1月の小売売上高は、市場予想1.9%増に対して前月比3.0%増で、利上げ停止への期待が遠のいたことを要因に売りが進みました。下げ幅を広げ33,833ドルまで下げる場面がありましたが、消費関連銘柄に買いが入って市場は支えられました。終値では34,000ドルを再び回復して終わりました。
日本市場の動向
日本市場は米国市場が上昇、為替市場で進む円安傾向を背景に買いが先行してスタートしました。為替相場は円安が加速、一時円相場が1ドル=134円台にまで下落しました。
輸出関連に加えて、1月の訪日外国人客数が約150万人だったことでインバウンド関連にも買いが広がり、2カ月ぶりの高値水準をつけて取引を終えました。
業種別の動きでは5業種が下落、残りの28業種が上昇しました。前日は上昇率上位に戻った保険業、銀行業が利益確定に押されました。その他水産、食料品などの内需系が売られました。
円安の進行で輸出関連業種が物色され、輸送用機器、ゴム製品、海運業、電気機器などが上昇、内需の一角である小売業も上昇しました。
日本市場のテクニカル分析
日経の日足は上下ひげを持つ陽線を形成しました。前日の高値と安値を切り上げましたが、切り上げの幅は限定的で、持ち合いに近い上昇です。終値が27696円と27,500円を超えたことが心理的は意味があるでしょう。
今週は一目均衡表の転換線を挟んで上にいくか、下に潜る動きが続いています。基準線は下の方に離れて雲の中にあり、遅行線は上にあるので、三役好転は続いています。
一方、パラボリックは4日連続の陰転、三役好転の中においても低調な時間帯です。どちらかにバランスが崩れないと、方向感が出るのはなかなか難しいでしょう。今週末まではやはり神経質な動きの連続でしょうか。
東証プライムの売買代金は概算で2兆6373億円、売買高は11億4174万株。東証プライムの値上がり銘柄数は1291、値下がりは479、変わらずは66銘柄でした。
日本市場の総合分析: 今後の投資戦略
神経質な動きになると分析はしましたが、毎日動きが反対になると疲れも出ます。数人の受講生からも「疲れました、ノーポジションです」と連絡が入るくらいなので、むしろポジションを持たないことは今の動きに翻弄されずにいいのではないでしょうか。
その中でも本日の動きは2ヶ月ぶりの高値を記録するところまで上げてきたということが象徴的です。投資家心理にポジティブな影響を与えてもいいレベルですが、売買代金2兆6373億円市場では盛り上がっているとはいえない商いです。
なにが言いたいかというと、要するに高値を更新しながらも方向感は出にくい、トレードがやりにくいと感じるならそれは間違いではないということです。
現在の上昇でもう一つ違和感を覚えるのはグロース系の沈み具合です。TOPIX500GROWTH(グロース)指数をTOPIX500VALUE(バリュー株)指数で割った比率をみると、2019年5月以降の低さです。つまり、グロース株が冴えない動きでバリュー株の方が物色されているということです。
2022年3月から続いているレンジ相場の中であることを考えるとある意味当然ではありますが、2019年5月以降は緩やかに上昇に転じ、コロナ禍まで大きく上げていた実績があるので、レンジ脱出を少しは期待してみてもよいのではないでしょうか。
少し長い目線でグロース系の株を物色するのもいい戦略になり得るでしょう。
各市場の動き
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