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雇用統計の堅調さで米国株下落。日本市場は円安傾向で先物が上昇、週間では横ばいを想定(2023年2月6日-2月10日 週間展望)

「世界一やさしく」投資を教える、ジョン・シュウギョウです。毎日、投資家目線で日本と米国の市場について、分析と考察をしています。

こちらに掲載してある情報は情報提供を目的としており、相場の方向性、個々の商品、個別銘柄等の見通し、売買の方向性など有価証券の売買等に関する助言や勧誘などを行うものではありません。投資に関する最終判断はユーザーご自身の判断で、最終損益もご自信の判断の結果として返ってくることをご認識ください。

今週のポイント

日本市場の総合分析: 今後の投資戦略

2月の2週目に入る今週の展望です。まず、市場展望の基本となるグルーバル市場の動きを考察します。

 強い雇用統計を背景に米国市場は続落

週末の米国市場は下落しました。

ダウ工業株30種平均は続落して、前営業日比127ドル93セント(0.4%)安の3万3926ドル01セント、ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落して、前営業日比193.863ポイント(1.6%)安の1万2006.955で取引を終えました。

Google Finance より引用
Google Finance より引用

市場を動かした要因は朝方に発表された雇用統計。雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比51万7000人増と、市場予想(18万7000人増)のほぼ3倍を上回りました失業率も改善して53年ぶりの水準に低下して労働受給の引き締まりが鮮明になりました。

利上げ停止に観測が後退した結果、投資家心理が悪化、幅のある下落につながりました。特に長期金利が大きく上昇、金利上昇で売られやすいハイテク関連には例外なく売りが膨らみナスダックの下落率は3%を超えました

日本関連指標は上昇

Google Finance より引用

日本市場関連指標は堅調な結果となりました。シカゴ市場における日経平均先物(3月)は続伸して、前日比90円高の2万7620円で引けました。米国の株式市場が下落しましたが、3日の日本市場が上昇した上に、外国為替市場で円安・ドル高が進んだ結果、先物が買われました。

一方、米国市場と連動しやすい日本株のADRは売り優勢で終わりました。米株式相場が下落する動きから逃れることができず、ホンダ、トヨタなどの自動車関連が下落、メガバンク系も売られました

 欧州は英国市場が目立つ動き

注目するニュースは英国市場の動き。ロンドン株式市場は前日に比べ81.64ポイント(1.04%)高の7901.80まで伸び、過去最高値を記録しました。2月2日に0.5%の大幅利上げを発表、これで利上げは10回連続で政策金利は4%台に到達しました。

景気後退の懸念が強く残る中でもインフレピークアウトを優先する姿勢を明確にし、4%台に乗せてきたことで近く利上げを終了するとの観測から、投資家心理が改善しました。

今週の日本株式市場は横ばいの展開を予想

グローバル市場の流れではまちまち、それを反映して日本市場の今週は底値の硬い横ばいを想定します。まず、上値を抑える要因としては雇用統計の結果を反映した米国市場の動き。

予想外の堅調な労働需給が利上げ停止の期待を剥落させ、米国市場の動きはしばらく調整入りになる可能性がでました。特にナスダック市場に影響されやすい日本市場は、先週末のナスダック市場3%下落が主力の半導体関連業種への下方圧力をかけてくるでしょう。

下値を支える要因は円安

一方、利上げ停止の期待が後退したことは週末から円安・ドル高の流れとして現れています。3日、128円台でスタートしたドル・円レートは、雇用統計の発表後は円安にふれ、131円台まで一気に3円近い円安が進みました。

円安の動きは日経平均先物を支える要因にもなり、米国市場の下落にもかかわらず、夜間取引の先物を上昇させました。今週の株式市場も円安の流れが上昇要因として働きますが、下方圧力の要因とぶつかり合うことで横ばいの展開になりやすいでしょう。

Chart1: USD/JPY Daily

今週まで業績発表の相場

国内要因としては業績発表がピークを迎えること。7日ソフトバンク、任天堂、9日にトヨタ、NTT、東京エレクトロが注目を集め、週末の10日にはオリンパス、資生堂、ENEOS、日揮HDなどの製造業、原油関連銘柄の業績が集中して、景気の状況を明確に示す数字が出揃うことになります

特にトヨタの業績が発表される9日から10日かけては相場が乱高下しやすくなります。10日には日銀総裁の後任人事について、政府が国会に提示する方向で、株式市場、為替市場全般に影響を与えることになります。

横ばいの中は反発する業種に注目

方向感の定まらない横ばいの中では銘柄選定が難しくなります基本戦略は下げが深まって反発を待っている業種を選定して業績発表が終わっている銘柄を狙うことです

繊維製品は1月中旬から上昇に転じており、先週末調整を終えて、反発を待っているところなので来週の動きに注目です。化学も同様の動きをしているので、時間をかけて銘柄を選定する価値はあるでしょう

一方、調整は進んでいるものの、下げが続く可能性が高い形をしているパルプ・紙、鉱業は要注意です。

商品市場は金と原油の上昇一服に注意

商品市場で注意するところは金先物の急落です。ドル高の進行とともに金曜1日だけで-2.8%の大幅な下落を記録したので、昨年11月初旬を底にして上昇が続いてきた流れ一服して大きなトレンドの転換に繋がる、下げトレンドの進行になる可能性があるので、ゴールド先物、CFDのトレーダーは注意してください。

原油は雇用統計の影響を受けて上昇から下落に転じました。利上げ停止の期待が後退したことが景気の後退に繋がるとの思惑から、原油需要の減退を懸念した売りが進みました。1月5日、年初来の安値に接近してきているので、支えになるとの期待もありますが、逆に下に抜けるとさらに下げを強める可能性があるので、推移に注目してください。

Chart2. GLOD 先物(ニューヨーク) Daily Chart
Chart3. 原油先物(WTI)

各市場の動き

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