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最近感銘を受けた歌ってみたを紹介します!

最近流行りの「歌枠リレー」なるものを見て、このところ少し見る範囲が狭まりがちだった私に新たな推しがたくさん見つかりました。そこで今回は久しぶりに歌ってみた紹介をやってみようと思います。知ったきっかけはほとんどが歌枠リレーを通してのものですが、全てがそうという訳ではないので悪しからず。

8.32 / *Luna ‐ 彩雲ののさん

まずはRe:AcTリアクト所属の彩雲あやもののさんによる「8.32」のカバー。瑞々しい歌声がとても心地よいです。これから来る夏にぴったりな爽やかな曲。

しかし、歌詞の内容は少し切なく、遠い存在になってしまった“君”を思うあまり、呪縛から抜け出せないでいる“僕”を描いています。そのため、眩しい視界にどこか影が差しこむような、そんなイメージがありますね。爽やかな中にその辺りの不安定さ、悲しさといった表情も覗かせます。

個人的な聴きどころは落ちサビからのラスサビ。盛り上がりをここに持ってくる曲は数多くありますが、この曲も例外ではなく、コーラスの数が増えて、壮大な盛り上がりを見せます。メインとコーラスの全てが重なり合って生み出される爽快なラストをぜひ聴いてほしいです。

ちなみに、彩雲ののさんを知ったのは5月6日に行われた「Vtuber事務所合同歌枠リレー」でのことでした。その時はコロナ明けの復帰配信とのことだったのですが、それを感じさせない見事な歌声を披露してくれました。合間のトークでも気さくでとても話しやすく、歌以外にもたくさんの魅力があるVtuberさんだと感じましたね。

生配信でも抜群の歌唱力を見せる本格シンガー系Vtuber彩雲ののさん、要チェックです!

【追記】この記事を書いている最中である5月15日、Re:AcT公式Twitterより彩雲ののさんが6月4日をもって卒業することが発表されました。出会ったばかりなのでとても残念ですが、またどこかで素敵な歌声を聴けるよう願っています。この発表を聴いてからだと、より「8.32」の歌詞が刺さります…。

妄想感傷代償連盟 / DECO*27 ‐ 馬乃ポプリさん

続いて紹介するのは馬乃うまのポプリさんによる「妄想感傷代償連盟」。ボカロと言えばというレベルの有名曲です。

馬乃ポプリさんの歌声の特徴は、ややあどけなさを感じさせるところ。ただ、いわゆる“幼い歌声”ではなく、しっかりとした表現力がベースにあります。その辺りが他のVtuberさんとは少し違った馬乃ポプリさんらしい世界観を演出しているような気がします。

歌動画としては歌ってみた以外に、ショート動画として弾き語り配信の切り抜きも多数投稿しています。弾き語りだとその素直で無垢な歌声の良さがさらに強調されている感があって、歌ってみたとはまた違った聴き心地に。ぜひとも併せて聴いていただきたいです。

馬乃ポプリさんとの出会いは5月7日に行われた「Vtuber初夏の生演奏リレー」でのこと。時間帯的にリアルタイムでの視聴が出来なかったのでアーカイブでの視聴だったのですが、その歌声に見事に射抜かれました。

まだまだその歌声に見合うチャンネル登録者数を獲得しているとは言えない馬乃ポプリさん。これからさらに伸びることが予想されます。チェックしておいて損はないでしょう!

flos / R Sound Design - 夜世生 宵さん

次は夜世生 宵やよいよいさんによる「flos」を紹介。儚さがありつつも凛とした強さも同時に感じさせる歌声が美しい。脆さと強さは相反する要素だと思いますが、それを1つの曲の中で同居させているところに表現力の豊かさを感じます。

ただ、夜世生 宵さんの場合は1つの歌ってみたでその歌声の全てを知ろうとするのは浅はかと言えるかもしれません。その独特の世界は奥が深く、たくさんの歌ってみたや生配信での歌声にたくさん耳を傾けて、その中で少しづつ理解が深まっていくような、そんなイメージ。“音楽表現者”を自称するだけある、際立つ個性があります。

夜世生 宵さんを知ったのは馬乃ポプリさん同様に「Vtuber初夏の生演奏リレー」でのこと。その際はピアノを用いてスキマスイッチの「雫」やヨルシカの「雨とカプチーノ」など、有名な曲を聴かせてくれたのですが、普段よく聴いている曲が違った表情を見せたことに驚きました。アーカイブ視聴でその独特な世界観を感じてほしいですね。

また、配信での雑談部分では優しい語り口で、温かな人柄も感じさせます。それもまた魅力と言えそうです。確かな個性がありつつもとっつきにくい印象はなく、むしろフレンドリーな夜世生 宵さん。注目です。

Overdose / なとり ‐ 早紅夜さん

次に紹介するのは津軽三味線を得意とするVtuber早紅夜さくやさんによる「Overdose」。

早紅夜さん本人の演奏による津軽三味線アレンジは大胆に変わっており、一聴ひとききで「おっ!」と違いを感じ取ることでしょう。おしゃれな曲調に和のテイストが加わり、これまで聴いたことのないような世界が広がっています。

演奏だけでなく歌唱も民謡声ということで、歌声を取ってみても他のカバーとは一味違いますが、その中で原曲の世界観はしっかり残っているのが面白いところです。

早紅夜さんはこの動画以外にも様々な曲を津軽三味線アレンジ&民謡声で歌っており、バーチャル界にいるとよく耳にするあの曲やこの曲が違った表情で聴くことが出来ます。

“普段聴いている曲が違った表情を見せる”という感覚、前の項で紹介した夜世生 宵さんと共通したものを感じますが、実はこの2人、コラボでのカバー動画も投稿しています。

Kanariaさんの「アイデンティティ」。ピアノを夜世生 宵さん、津軽三味線を早紅夜さんが演奏し、歌唱は2人で担当しています。ピアノと津軽三味線という異質な組み合わせですが、これが全く違和感が無く、絶妙なマッチ!音楽の新たな可能性を感じます。

ちなみに早紅夜さんを知ったのは少し前のことだったのですが、実際に配信を見たのは「Vtuber初夏の生演奏リレー」でのこと。津軽三味線と民謡声での歌唱の迫力に圧倒されました。ただ、曲間の雑談ではやや抜けたところもあり、愛されるキャラクターであることも伝わりました。リスナーさんとのやり取りも軽快で、微笑ましかったです。

そんな早紅夜さん、実は民謡アンバサダーなるものになることを目標としているらしく、そのためにはもっとチャンネル登録者数が必要とのこと。とても素敵な方なので、今回の記事を通して気になった方は応援のつもりでチャンネル登録をお願いします!

ファンサ / HoneyWorks ‐ 明堂しろねさん

続いて紹介するのはハコネクト4期生明堂めいどうしろねさんによる「ファンサ」。明堂しろねさんにとって初めてのソロ歌ってみたとなります。

元々アニメから飛び出してきたようなかわいらしい声が特徴の明堂しろねさん。今回のカバーでも持ち味を存分に発揮して、まるでライブのようなかわいくて、壮大な歌声を聴かせてくれます。ハコネクト所属のVtuberさんについて書くときは毎回言っているのですが、ハコネクトは決して音楽を軸にしたグループではありません。しかし、天から与えられたアイドル性の高い歌声は、きっと多くの方に届くものでしょう。

また、明堂しろねさんは普段の配信からファンのことを大事にしていて、誰も悲しい思いをしないように、みんなが等しく楽しめるように、常に目を配っています。そんな日頃から“ファンサ”を欠かさない明堂しろねさんだからこそ、よりその歌声は聴く人の心に刺さるのではないでしょうか。

この「ファンサ」はアイドルの姿を歌ったものですが、Vtuberにも共通する部分が多々あります。それだけに、これから明堂しろねさんがキャリアを重ねて、様々なことをファンと共に経験する度に、さらにこの曲の深みが増すような、そんな気がします。

6月にはデビュー半年を迎える明堂しろねさんですが、まだまだキャリアは始まったばかり。この「ファンサ」と共にさらに成長した姿をこれからも見せていってほしいです。

ツギハギスタッカート / とあ ‐ 叶望ゆゆさん

今回最後に紹介するのは、明堂しろねさんと同じくハコネクト4期生の叶望かなみゆゆさんによる「ツギハギスタッカート」。叶望ゆゆさんにとって2作目の歌ってみたとなります。

こちらの記事にも書いていますが、2作目といっても前作の「My Soul, Your Beats!」はフル尺では無かったため、じっくりとその歌声を聴くことが出来る歌ってみたは今回が初めて。そしてその内容はと言うと、叶望ゆゆさんの歌声の良いところがギュッと詰まった魅力的なものに仕上がっています。

まず、この曲は別れを描いたものです。それもスッキリとしたものではなく、未練が残っているもの。それだけに歌詞や曲調、叶望ゆゆさんの歌声など、あらゆるところにもの悲しい雰囲気が漂っています。叶望ゆゆさんはこういった雰囲気を表現するのが抜群にうまい。気持ちにケリをつけようとしながらも相手の気を引こうとするいじらしさ、結局気持ちが一方通行であったことに気づいて達観した様子を鮮やかに表現しています。

そして、歌声だけでなくイラストにも注目。恋人と別れた女性の姿は映画やドラマ、MVでもよく描かれますが、フッと消えてしまいそうな儚さがどこか見る人を惹きつける魅力があります。皮肉にも、ある意味では究極の美とも言えるその瞬間をまるで絵画のように描いたイラストは本当に美しいです。ラスサビで使われている泣き笑いのような表情は特に秀逸。耽美な世界観を歌声とイラストが見事に補完しあい、芸術として完成された感がありますね。

叶望ゆゆさんの渾身の歌ってみた、ぜひとも多くの方に聴いてほしいです。

最後に

今回は、最近感銘を受けた歌ってみたを紹介するというタイトルで記事を書き進めました。しばらく狭い視野でしかバーチャル界を見ることが出来ていなかったのですが、歌枠リレーを通して久しぶりに多くの才能あるVtuberさんを発見できた気がします。本当にバーチャル界は奥が深く、探しても探しても見つけ尽くせないほどに輝く才能が転がっていて素晴らしい。これからも視野を出来るだけ広く持って、その才能を見つけて、紹介していきたいですね。

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