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”人生の選択肢”と”報酬”の地図を片手に働き方を変えていこう!


社員にとってお得な会社とは?

社長のマネごとみたいな働き方をしてはや5年になりますが、他の大先輩社長さんと話すことがあります。そんな会話の中で驚いたことが悩みのほとんどが人事に関すること、ということでした。

とある地方企業の社長から「今年も目標としていた給与水準にあげることができて良かった。」と言われたことがあります。またほぼ同じ時期に地方企業の社長から「社員の給与を上げないといけないのが辛い」と言われたことがあります。

また、別の社長は「最近、社員が他の会社に転職して裏切られた気分だ」と言ってました。また別の会社の社長は「社員が別の企業に転職して活躍しているらしい。(自社にとっては)打撃は大きいけど彼にとっては良かったと思う」と言っているのを聞きました。

同じ社長でも給与を上げれることを喜ぶ社長もれば、拒もうとする社長もいる。社員が他社に転職して活躍することを嬉しいと感じる社長もいれば裏切りだと感じる社長もいる。一言で社長と言っても考え方や感じ方は多様なんだな、と思ったところです。

これらは社長の視点ですが、同じように社員の視点もあるわけです。むしろ世の中には社員の視点のほうが多いわけです。

そこで、社員目線ではどんな会社で働くのが最も合理的なんだろうと考えてみました。そこで行き着いたのが「人生の選択肢」と「待遇(報酬)」の掛け算を最大化することが大事なんじゃないかと思いました。図にすると下のようになります。

”キャリア選択肢”と”待遇(報酬)”を最大化するための作戦

で、難しいのが「ここが理想!」ゾーンに入る会社は大人気なので入社できる人は限られている、ということです。なので、このマトリクスを見てまず考えるべきことは自分の現在地はどのあたりで今後どういうルートで右上を目指すのか、ということです。

具体例でみていきましょう。
例えば新卒は待遇は低いもののキャリア選択肢は比較的多いです。即戦力となるスキルは無いけど、残りの社会人時間が長く伸びしろがありいわゆるポテンシャルがあるという状況です。

そして新卒ゾーンから右上の理想ゾーンの目指し方がポイントなんですが、複数の目指し方があるんじゃないかと思います。

1つ目は自然と右上に進む会社に入社すること。給与も比較的高く、転職するとしても企業名で下駄を履かせてもらえたり、汎用的なスキルが身についたりする企業です。例えば戦略コンサルやキーエンス、サイバーエージェント、IBM、リクルート、ガイアックスなどが上げられると思います。

2つ目は起業すること。起業は失敗すると立ち直れないんじゃないかと思われがちですが、新卒起業で失敗したくらいでは挽回は余裕です。むしろ返しきれないくらいの借金をすることはなかなか出来ません。せいぜい1000万円くらいでしょう。そして仮に起業が失敗したとしても経験値が圧倒的に溜まっています。ファイナンス、マーケティング、組織設計、リーガルチェック、リーダーシップ等、普通の新卒とは段違いの経験をしているはずです。そんな人材を採用したいという会社は多く存在するはずです。若いうちの起業は成功したら選択肢も増え報酬は青天井なもちろん、失敗しても結局はキャリアの選択肢は増えるのでどっちに転んでもお得と言えるでしょう。

3つ目は有名企業や行政機関に入社して、そこから汎用性のスキルのある企業に転職するルートです。新卒では入社できない企業でも1,2年ほど働いて本命の企業に転職するというルートです。最近は銀行員や公務員が外資コンサルや戦略コンサル、メガベンチャーに転職するケースを目にしますがこのルートを目指しているようにも思います。伝統的日本企業や公務員は長くいればいるほど転職しにくくなるのでキャリア選択肢が最大化しているタイミングを見誤らないことが大事です。

守るキャリア選択もとっても大事

しかしキャリア選択は常にうまくいくわけではありません。現実では右上にたどり着かないどころか真逆に進んでしまうケースもあります。わかりやすい左下ゾーンはブラック企業から抜け出せなくなるケースです。給与も低くスキル・箔も付かずに精神的に追い込まれて転職も考えられなくなるケースです。人生の詰み筋に追い込まれても脱出できない最も避けたいケースです。

キャリア選択肢は縮小するけど、待遇は良くなる右下に向うのは伝統的日本企業や公務員でしょう。年功序列制がいまだに基本となっているので待遇(報酬)は上がっていきます。ただし最近の伝統的日本企業は昔に比べて待遇(報酬)が下がってきている場合も見られるので、最新の状況をチェックする必要があります。


これらのケースをまとめると以下のようになります。

左下のゾーンに吸い込まれる圧力を理解する

そしてこのマトリクスを元にキャリア設計をする場合、忘れては行けない2つの力があります。それは上から下に働く年齢の重力。もう一つは右から左に吹き荒れる5F(フォース)の風力です。

年齢の重力とは年を重ねればチャンスは減ってきます。求人票を見ていても(キャリア形成のためという名目で)若者向けの求人が多いですし、転職は35歳が上限などと言われております。年齢を重ねることはキャリア選択肢を縮小させていく圧力になります。

次に左から右に吹く5F(フォース)の風についてですが、5F(フォース)は競争戦略用語で「自分の利益を蝕む5つの力」のことを指します
① 競合の存在  →自分が持つスキルを社内で誰も持っていなければ評価は高くなり報酬も上がりやすくなります。しかし同じスキル持つ人がいると競合してしまい自分の評価は上がりにくくなります。
②買い手の存在  → 給料を払う会社のことです。基本的に会社はできるだけ給与を上げたくないと思っているため報酬が上がりにくい力になります。
③売り手の存在  → 転職しようとしたときの転職先の会社ことです。転職先の会社も同じく給与を上げたくないので報酬が上がりにくい力になります。
④新規参入の存在 → 今は自分しかそのスキルを持ってる人が無くても転職や新卒で入社した人がそのスキルを持っていると社内で競合することになり報酬が上がりにくくい力になります。
⑤技術革新  → 自分スキルが仕事がロボットやAIに取って代わられることで自分の競争力が無効化され報酬が上がりにくい力になります。

これらのように、キャリア選択肢を増やし待遇(報酬)を上げるという職業人生ゲームをプレイする上では重力と向かい風に抗って進んでいく必要があります。時には重力に屈服し落ちていくこともあるでしょうし、風に飛ばされ報酬が減ることもあるでしょう。それでも体調管理を適切に行い健康寿命を伸ばし年齢の重力から逃げたり、自分が有利な領域を見つけそこで5Fの風を避けたり、もちろんには真っ向から立ち向かったりしてキャリアを歩んでいくことになるでしょう。

もし右下ゾーンに落ちていってる、という感覚が長期間続くようでしたら新しい人生に思い切って挑戦するのもよいでしょう。左下に流されているなと感じたらその船を降りる勇気も大事です。そのためのロードマップとして今回のマトリクスを活用していただけるとnote冥利につきます。

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