田鹿倫基

「地域資源でビジネス創出」「データに基づく政策立案(EBPM)」に携わってます。日南市…

田鹿倫基

「地域資源でビジネス創出」「データに基づく政策立案(EBPM)」に携わってます。日南市マーケティング専門官、ことろど社、九州地域間連携推進機構の代表をやっています。日南市役所 ← 北京&上海駐在でWEBマーケ ←リクルート新規事業開発 ← 宮崎大学現地域資源創成学部

最近の記事

韓国の都市イノベーション国際会議に行って感じたこと

日本と韓国の共通する社会課題 日本では2014年に首都圏一極集の是正を目指して地方創生が始まりました。来年は記念すべき10周年ですが、最も成果をあげたのは”新型コロナウイルスだった”という笑えないオチで一区切りを迎えようとしています。で、実はこの地方創生は近隣国、地域からも注目されていて、特に韓国、台湾の行政担当者や政治家、大学教授などの有識者の方々は興味深く見てくれています。なぜならば韓国も台湾も首都圏一極集中が様々な社会問題を引き起こしており、立ち向かうべき課題が共通し

    • 第1回 ルーキー・オブ・ザ・イヤー2024 in LOCAL を開催します!

      本題の前にスポンサー様のご紹介!!! こういうのは最後にイベントを支えて頂いているスポンサー様の紹介を行うのが通説ですが、倒置法的に冒頭に持ってきました!以下のスポンサー様が今回のイベントを支えていただいております!!! 以下、スポンサー様からの熱いメッセージです!!!!https://www.canva.com/design/DAF0yEFIlR8/Gbm5l0kvbONyF4rB-gtGpA/edit?utm_content=DAF0yEFIlR8&utm_camp

      • 人手不足時代は終わり「人手不在時代」が始まる 

        地方の中小企業の社長や人事担当者との話でほぼ必ず上がる話題が「人手不足で大変」というものだ。最近はハローワークはもちろん、マイナビやリクナビのような求人ナビに掲載しても応募が来ないという話をよく聞く。 地方の企業にとって求職者数よりも求人数のほうが多い時代は無く、募集をかければ人が集まるという時代が続いていたため、人手不足時代に対応しようと思っても打ち手が分からない、見当もつかないという企業は多い。(その結果、社長の思いつきでInstagramやTikTokを始める企業がで

        • チェーン店が増えると地域経済はどれだけ衰退するのか

          地方都市にスターバックスコーヒーができると地元の人達が行列をつくり、お客さんがインタビューに答えるというニュースを見た人もいるのではないでしょうか。チェーン店ができると人通りが増えて賑わいが生まれ、それが地域の活性化につながると主張する声があります。またチェーン店で働く人も増え雇用創出の効果もある、という意見もあります。しかし実際のところは賑わいが生まれるとか雇用創出など分かりやすい世界とは全く違う地域の経済の実情があります。 そこでコンビニ、ファミレス、ユニクロ、スーパー

        韓国の都市イノベーション国際会議に行って感じたこと

          ”人生の選択肢”と”報酬”の地図を片手に働き方を変えていこう!

          社員にとってお得な会社とは? 社長のマネごとみたいな働き方をしてはや5年になりますが、他の大先輩社長さんと話すことがあります。そんな会話の中で驚いたことが悩みのほとんどが人事に関すること、ということでした。 とある地方企業の社長から「今年も目標としていた給与水準にあげることができて良かった。」と言われたことがあります。またほぼ同じ時期に地方企業の社長から「社員の給与を上げないといけないのが辛い」と言われたことがあります。 また、別の社長は「最近、社員が他の会社に転職して

          ”人生の選択肢”と”報酬”の地図を片手に働き方を変えていこう!

          地方は物価が安いから所得が低くても大丈夫なのか?

          地方移住最大の壁 都市部からの地方移住を検討する人の全員がぶつかると言っても過言ではないのが「都市部と地方の給与の差」だ。実際、都道府県別の平均所得ランキングは以下のようになっており、東京都の433万円を先頭に大都市のある県が上位に入り、下位にいくほど地方が並ぶ。最下位の沖縄県は210万円と東京都の半分以下となっている。 では東京都と沖縄県で物価も半分以下になっているかと言えば、全くそんなことはない。沖縄県は東京の5.7%、最も安い宮崎県と比べても7.9%しか安くないのだ

          地方は物価が安いから所得が低くても大丈夫なのか?

          選挙で組織票が機能しなくなった背景をまとめてみたよ

           2022年の宮崎県知事選挙は全国から注目を集める選挙となりました。4期目を目指す現職、元タレントで圧倒的知名度を誇る元職、ワン・イシューで臨む奇抜な新人の3人が立候補しており、誰が当選するかは最後まで読めない状況でした。 これまでの選挙は「組織を固める」ことが定跡でした。「組織を固める」とは政党の地元支部や地元業界団体を味方につけることで、政党の県連を通して党員に投票を呼びかけたり、業界団体に属する会社の朝礼で従業員に政策を訴える時間をつくってもらいます。今回の宮崎県知事

          選挙で組織票が機能しなくなった背景をまとめてみたよ

          宮崎県知事選挙を前に宮崎の課題をデータで整理してみたよ

          宮崎県では知事選が12月25日に行われます。そんななか、地元テレビ局のテレビ宮崎(UMK)で「宮崎の課題とこれから」というテーマで宮崎大学地域資源創成学部の土屋先生とのディスカッションの様子が放送されました。せっかくなので、その内容の背景をデータと一緒にまとめてみました。 ※2022年12日25日までは以下のリンクで放送を見ることができます。 宮崎県知事選挙 若手論客に聞く「若者の投票率」(12月19日放送) https://www.umk.co.jp/news/?date

          宮崎県知事選挙を前に宮崎の課題をデータで整理してみたよ

          日本の給料が上がらないのではなく、都会の給料が上がらないんだよ、という話

           日本だけが給料が上がらない!?  最近、日本は物価も給与も安くなったとよく聞くようになった。正確に言うと他国と比較して相対的に安くなっている。シリコンバレーではもはや年収1,000万円は低所得層である、とか、お隣韓国に平均給与で抜かれたというニュースも記憶に新しい。ちなみに額面は超微増だが社会保険料や消費税が上がっているので、可処分所得は減少傾向にある。 ただ、日本といえども広い。都道府県ごとで産業構造も違うので日本を一括りで考えると正確な現状が浮き出てこない。社会は~

          日本の給料が上がらないのではなく、都会の給料が上がらないんだよ、という話

          ”情報は東京に集まる”は本当か

          インターネットで都会と地方の情報格差は解消したのか 東京には情報が多く刺激的だが、地方は情報が少ないので退屈だ。 こういう話題は地方で生活しているとよく出会う。地方の経営者は「最新の(株や先物の)マーケットの動きを知れるから東京は意思決定しやすい」といい、地方の学生は「東京の就活生は企業の採用情報に触れられるから有利だ」という。 でも、本当に情報は都会に集まり、地方には集まらないのだろうか。 例えば、先程の経営者は「東京は最新のマーケットの動きを知れる」と言っていたが

          ”情報は東京に集まる”は本当か

          民主主義と資本主義どっちのルールが合ってるのか理解することは大切という話

          民主主義と資本主義 最近、資本主義はもう限界だ!とか民主主義の危機を迎えている!という論調をよく聞くような気がします。歴史を振り返ると、こういった主張はいつの時代もされているので、通常運転な気もするのですが、この資本主義と民主主義という2つの”システム”を並走させることで、日本、とりわけ西側諸国は発展してきました。東側諸国は専制主義と共産主義を並走して国家運営を頑張ってみたものの、その2つのシステムの相性があまり良くなく、定期的にバグを起こし、そのバグ修正コストが経済成長を上

          民主主義と資本主義どっちのルールが合ってるのか理解することは大切という話

          「やりたいことが分かりません!」という就活生が大事にすべきキャリア選択の戦略

          やりたいことが見つからない人の基本戦略は人生の選択肢を増やすこと3月になり大学3年生の就職活動が(おおやけに)はじまり、Twitterでは就活がんばってます的な投稿も増えてまいりました。どこの企業にインターンに行っただの、すでに内定をもらった友人と比べて焦りを感じているだの、学業そっちのけで就活一色になるシーズンですね。これからは4月には内定が出始め、6,7月くらいが内定のピーク。その後は、9月に内定式があり、その後は卒論を提出して無事に卒業、友達や恋人と卒業旅行というのが王

          「やりたいことが分かりません!」という就活生が大事にすべきキャリア選択の戦略

          宮崎県26市町村の経済成長の一覧を作ったよ!

          この前の記事で日本の経済成長は東京じゃなくて、地方が牽引しているよ、という話を書きました。  宮崎県が東京都以上に成長していて、しかも経済成長率は全国平均よりも高いということで、一部の宮崎県民の方から(なぜか)感謝されました。しかしながら一言で宮崎県は経済成長しているのよ、と言っても宮崎県もなかなか広いですし、人口40万人の中核都市から人口1,000人ちょっとの村まで規模もさまざまです。産業構造も延岡市のような工業のまち、都城市のような畜産のまち、高千穂町や日南市のような観

          有料
          100

          宮崎県26市町村の経済成長の一覧を作ったよ!

          成長志向が強い人ほど地方で働いたほうが理にかなっているよ、という話

          地方創生とはなんだったのか 2014年から始まった地方創生では東京一極集中の是正掲げられましたが、東京一極集中は止まるどころかむしろ加速してしまいました。第1期地方創生戦略で目標とされた「2020年までに東京圏の転入超過数をゼロにする」ことは早々にあきらめられ「定住人口から関係人口へ」への軸足が移されました。国の政策では止められなかった東京一極集中ですが、結局は新型コロナウイルスの影響で、東京都は1996年以来25年ぶりに転出超過に転じる見込みです。東京都の2021年は約17

          成長志向が強い人ほど地方で働いたほうが理にかなっているよ、という話

          大学の4つの価値から考えるコロナ禍の大学生活のありかた

          大学の価値は”社会全体視点”と”個人のキャリア視点”に分けれれる最近、日南にはたくさん大学生がインターンとか地域留学で来ているのですが、彼ら彼女らと話すたびに「大学の価値」ってなんなんだろう、と考えてます。大学の価値のアプローチは2つあって1つは社会全体からの目線。もう1つは個人のキャリア目線です。社会全体の目線としては国民の何%が高等教育を受けることで、日本の経済成長にどうつながるとか、研究者の雇用や、学会での発表の場を担保することで日本の科学が前進する、みたいな社会全体の

          大学の4つの価値から考えるコロナ禍の大学生活のありかた

          いまこそ学び直しがお得な4つの理由

          とりあえずキャリア論が語られるときは枕詞のように人生100年時代と言われてますね。リンダ・グラットンさんが書いた「LIFE SHIFT」はそれくらいインパクトがあったわけなんでですが、個人的にはその前に書いてらっしゃる「ワークシフト」がコロナ時代を知っていたかのような働き方を予言されていて、ぜひ答え合わせのような感覚で読んでみると楽しいかもしれません。  さて、今日は昨今何かと話題の「リカレント教育」について書きたいと思います。リカレント教育とはざっくり「人が生涯にわたり学

          いまこそ学び直しがお得な4つの理由